ニュースNews

20261009参院本会議で代表質問に立つ三上えり議員

【参院本会議】三上えり議員「平和、働く人、命と暮らしを守る政治を」代表質問

参議院本会議代表質問

令和8年10月9日

立憲民主・無所属 三上えり

 立憲民主・無所属の三上えりです。会派を代表し高市総理に質問いたします。政治は、私たちの日々の暮らしの不安に、具体的な答えを出さなければなりません。私は広島の議員として、平和を「守り」、働く人を「守り」、そして、命と暮らしを「守る」、その立場から伺います。

1. 簗大臣発言

 総理、昨日の田名部匡代議員の質問に対し、簗農林水産大臣の発言は不適切であり、「厳しく注意」し、本人が説明責任を果たしたので、襟を正して職責を全うしてほしいと答弁されました。
 しかし、田名部議員が問うたのは、注意したかどうかではありません。なぜ、こうした発言をした人物を、引き続き閣僚として続投させるのか、その任命責任です。
 総理は、簗大臣に厳しく注意したとのことですが、その際、発言の意図と経緯を直接確認されたのでしょうか。確認されたのであれば、どのような説明を受け、その時の総理の受け止めはどうだったかお答えください。

 また、総理は一昨日の衆議院本会議で、予算配分に政治的な支持・不支持を持ち込まないのは当然だと答弁されています。その原則に反して、自らを支持しなかった自治体について道路予算を大幅に削減したかのような発言をした人物を、なぜ引き続き大臣として適任と判断されるのですか。
 これから農水委員会は、米価の問題、水田政策の抜本的見直しなど重要な議論が山積しています。簗大臣のもとで果たして委員会審議が出来るのでしょうか。

 総理御自身の言葉で、続投を妥当と判断した具体的な理由をお答えください。

2.米軍関係者による事件と日米地位協定の見直し

 在日米軍基地の7割を抱える沖縄では、米兵により命を奪われたり、尊厳を著しく傷つけられたりする事件が繰り返されてきました。今回、またしても県民の命が奪われる凶悪な事件が発生しました。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表し、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
 総理は、所信表明演説でも、米側に強く抗議し、「米軍関係者の綱紀粛正と事件の再発防止の徹底」を強く求めたと述べられました。しかし総理、これまで重大な事件が起きるたびに、政府は「綱紀粛正」と「再発防止」を米側に求めてきました。同じ言葉を繰り返すだけで、沖縄県民の命と安全を本当に守ることができるのでしょうか。これまで講じてきた再発防止策の実効性をどのように評価していらっしゃいますか、総理の見解をお伺いします。

 立憲民主党は、米軍基地の負担軽減とともに、日米地位協定の改定を政府に求めてきました。
 1960年の発効以来、一度も改定されていない日米地位協定について、抜本的な改定にむけて米国政府との具体的な交渉に踏み出すべきではありませんか。高市総理の見解を伺います。

3.物価高と暮らしを支える政策

 まず、物価高対策について伺います。物価上昇に負けない賃金を実現するには、中小企業が原材料費や人件費の上昇分を取引価格に反映させることが必要です。地域や企業規模による差を縮めながら、賃上げをどう加速するのか。中小企業への支援と達成までの道筋を、総理に伺います。

 また、立憲民主党は年金生活者支援給付金を手厚くし、生活の底上げを図ることを提案してきました。高額療養費の自己負担限度額や、高齢者の医療費窓口負担、介護保険の負担を引き上げれば、必要な治療や介護サービスを控える方が増えるおそれがあります。物価高の中で、こうした負担増を進めるべきではないと考えますが総理の考えを伺います。
 次に、政府が示す、食料品の消費税率を2年間、1%に引き下げる減税案についてです。税率が8%から1%になっても、その差がそのまま店頭価格の引き下げにつながる保証はありません。仕入れや人件費が上がる中で、価格を下げる余裕のない事業者もいるからです。
 政府は、所得別に家計の負担が実際にどれだけ減ると見込んでいるのでしょうか。本当に消費税減税によって食料品が値下がりしたのかどうかを、どう確認するのでしょうか。総理に伺います。

 そして食料生産者と外食事業者への影響も見過ごせません。外食と持ち帰りの税率差が広がる中で、飲食店への資金繰り支援だけで十分なのか。2年間限定の減税制度に合わせて、持ち帰りを含めた営業への転換を求めることが、果たして現実的なのか、総理に伺います。

 いま困っている方への支援は、もう待てません。まずは、予備費などを活用し、住民税非課税世帯などへの給付を、年度内のできるだけ早い時期に行うべきではありませんか。そもそも、社会保障国民会議は「給付付き税額控除」を実現するための会議であったはずです。今回、政府が準備する所得に応じた支援金と、本格的な「給付付き税額控除」は、どこが同じで、どこに違いがあるとお考えでしょうか。総理大臣にお伺いします。

4.働く人の命を守る政治

 次に、働く人の命を「守る」政治について伺います。働くことで心や体を壊し、命を失うことがあってはなりません。パワーハラスメントの防止措置が企業に義務付けられても、被害はなくなっていません。総理は、この現状をどう受け止めていますか。

 相談窓口があっても、上司が加害者であったり、人事評価への影響を恐れ、相談できない方がいます。社内だけに任せず、安心して利用できる外部の相談先を確保すべきです。セクハラ、マタハラ、パワハラ、いじめ、そして顧客からのハラスメントも含め、防止措置を現場で機能させなければなりません。職場でのあらゆるハラスメントを禁止する法制の整備を目指し、被害の防止と救済を強化すべきです。
 長時間労働による過労死、過労自死についても、対策を後退させてはなりません。月45時間を超える時間外労働は、本来、臨時的な事情がある場合だけです。それが当たり前になるような運用を認めるべきではありません。長時間労働を抑える指導と監督を維持し、労働基準監督署の体制を強めるべきではありませんか。
 裁量労働制については、実際に何時間働いても、一定の時間働いたものと扱われます。適正な労働時間と健康確保を制度導入の要件として徹底・強化すべきです。適用拡大を進めるのではなく、規制を強化すべきと考えますが、総理の見解を伺います。

5.ジェンダー平等と選択的夫婦別姓

 次に、ジェンダー平等です。性別や、結婚するかどうかによって、生き方の選択が狭められてはいけません。世界経済フォーラムの2026年版ジェンダーギャップ報告書によれば、日本の男女平等度は145か国中117位、引き続きG7で最下位です。総理に、男女平等度の低迷が続くことへの受け止めを伺います。

 選択的夫婦別姓は同じ名字も、別の名字も、夫婦が選べる制度です。改姓の負担は、主に女性が引き受けています。政府が進める旧姓の通称使用の拡大だけでは、戸籍上の名字と仕事等で使う名字が異なる問題は残ります。旧姓使用を広げる制度が、本人確認や安全保障上の問題に十分対応できるとお考えですか。
 総理、多様な家族のあり方と個人の尊厳を守るため、選択的夫婦別姓の導入に踏み出す考えはありますか。
 経団連も選択的夫婦別姓の導入を提言し、国連の女子差別撤廃委員会も繰り返し勧告しています。法制審議会の答申から、三十年が経ちました。家族の一体感を大切にすることと、それぞれの名字を尊重することは、両立できるはずです。

6.平和外交と核兵器のない世界

 次に、平和外交と核兵器のない世界について伺います。
 広島と長崎で、核兵器は一瞬にして多くの命を奪い、生き残った方々にも長い苦しみを与えています。同じ過ちを二度と繰り返さないことは、唯一の戦争被爆国である日本の責任です。

 非核三原則は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という国の基本方針であり、国是です。世界で核兵器が使われる懸念が高まる今だからこそ、日本の姿勢を曖昧にしてはいけません。

 総理は、年末までに安全保障に関する3つの文書を見直すと表明されましたが、この見直しに、多くの国民は大変心配しています。
 この見直しにおいても非核三原則を堅持し、「持ち込ませず」を見直さないと、この場でしっかりと明言してください。

 核兵器不拡散条約、NPTを軸とした核軍縮について伺います。核保有国への働きかけや、核兵器の削減、透明性の向上について、日本が行う具体的な外交を示してください。総理大臣にお尋ねします。

 核兵器禁止条約は、NPTを補完し、核兵器の非人道性を踏まえて、その廃絶を目指す条約です。日本が核保有国と非核保有国の橋渡しを担うのであれば、双方の議論の場に参加し、声を聴くことが必要です。私たち立憲民主党は、政府のオブザーバー参加を繰り返し求め、締約国会議にも議員を派遣してきました。

 総理は、11月からニューヨークで開かれる核兵器禁止条約の初めての再検討会議に、日本政府としてオブザーバー参加する考えはありますか。総理の、ご判断と準備の状況を、お答えください。

 被爆者援護も、待ったなしです。平均年齢86歳を超えた被爆者の生活を支えること、「黒い雨」に遭った方々の救済、海外に暮らす被爆者への支援を、さらに進めるべきです。また長崎の被爆体験者が「被爆者として認めて欲しい」という訴えも強く求めます。当事者と家族の声に向き合い、支援から取り残される方をなくすため、何を実行するのか総理に伺います。

7.環境被害からの救済

 水俣病についてです。今年は公式確認から70年。それでも、救済から取り残された方がいます。差別を恐れて申請できなかった方や、地域、年代などの線引きによって救済を受けられない方の苦しみを、そのままにしてよいはずがありません。
 汚染を起こした企業の責任を明確にすることと、被害者の救済を急ぐことは、両立させるべきです。総理は、水俣病から何を学ばれたのでしょうか。取り残された方をいつまで待たせるのか。認定と救済のあり方を見直す具体策をお答えください。

 次に有機フッ素化合物、PFASについて伺います。この問題は、私の地元広島でも米軍川上弾薬庫の下流の瀬野川水系や周辺の井戸から高濃度のPFASが検出されたことで、問題の深刻さがさらに知られるようになりました。

 総理は、在日米軍の駐留には地元を含む国民の理解と協力が不可欠だと説明されました。そのためにも住民の健康に関わる情報公開が必要ではありませんか。
 沖縄の嘉手納基地と普天間飛行場について、2023年の段階で、在日米軍が汚染源である可能性が高いと日本政府に伝えていたとの報道があります。政府はいつ、どのような情報を把握していたのでしょうか。なぜ、その情報を住民や自治体に公表してこなかったのでしょうか。総理、明らかにしてください。

 さらに重大なのは、汚染源を特定するための基地内への立入調査が実現していないことです。沖縄県は繰り返し立入調査を求めてきました。横田基地は2015年の環境補足協定によって立ち入りが許可されましたが、沖縄については「米軍基地が汚染源であることを示す科学的根拠が明確なサンプル調査のデータ」が示されていないなどとして不許可になっています。

 政府はこれまで、米軍基地への立入調査について、国内の法的基準や米軍活動との因果関係を問題としてきました。「汚染源を特定するためには調査が必要です。しかし、その汚染源である科学的根拠が明確でなければ調査を認めない」と。これでは、いつまでたっても原因究明が進みません。
 住民の命と健康を守ることは、日本政府の責任です。住民の健康に関わる情報を伏せてはいけません。対応の遅れによって被害を広げないため、しっかり立ち入り調査を行うお考えはありますか。併せて、政府はどんな対策をするのか、総理に伺います。

8.地域公共交通・離島交通の維持について

 次に、地域の公共交通について伺います。地域公共交通は、路線バス、鉄道、路面電車、タクシー、離島航路などが含まれます。地方の人口減少が進む中、利用者の減少に加え、運転手などの担い手不足も深刻化し、全国各地で減便や廃止、路線の存廃が議論されています。私は、赤字か黒字かだけで判断してよいのか、強い疑問を感じています。
 地域と地域を結び、人を運び、暮らしを支える、大切な社会インフラです。公共交通は、単なる民間事業ではありません。地方に暮らす人の移動する権利を支え、地域そのものを維持するための基盤です。地域に必要な公共交通ネットワークを国の責任で維持していくべきではありませんか。総理の見解を伺います。

9.子どもと次の世代の未来

 次に、子どもと次の世代の未来についてです。生まれ育った家庭の経済状況や、住む地域によって、将来を諦める社会にしてはいけません。
 日本は、教育にかける公的支出が国際的に低い水準にあり、家計の負担が重くなっています。貧困による教育格差が、次の世代に引き継がれる状況を変えるべきです。教育への公的支出を、国内総生産に対する割合で、少なくともOECD平均以上に高める必要があると考えます。

 奨学金の返済を抱え、社会に出る若者も多くいます。大学生2人に1人が奨学金を受け、そのうち7割強が貸与型。300万円の借金を抱えて卒業し、返済終了まで15年かかります。
 給付型奨学金を大幅に増やすとともに、いま返済している方の利子の免除や、残る債務に応じた所得控除など、負担軽減を検討すべきではありませんか。総理の見解を伺います。

10.結び

 総理、政治の役割は、暮らしの中の不安を一つひとつ取り除くことだと、私は考えます。
 現場の声を聴き、必要な支援を、必要な時に届けなければなりません。
 誰一人、取り残さない。
 みなさまの日々の暮らしを、これからの政治の真ん中へ。
 私たち立憲民主党は、常に皆さまの声に耳を傾け、「生活どまんなか」の政治を貫いてまいります。

 ご清聴ありがとうございました。

20261009参院本会議で代表質問に立つ三上えり議員

【参院本会議】代表質問原稿 三上えり代議員(2026年10月9日).pdf.pdf