【プロフィール】
選挙区=南多摩(多摩市稲城市)
地元の魅力=緑あふれる住環境、郊外でも都心へアクセスしやすい、ターミナル駅の利便性。市民力が高い。文化的・歴史的遺産がある。
好きな映画=『エリン・ブロコビッチ』『タリーと私の秘密の時間』
好きな本=『シーラという子』(トリイ・ヘイデン)
人生初の仕事=聖蹟桜ヶ丘駅前のマクドナルド
尊敬する人=父と母、Mary.J.Blige、石垣りん、ハンナ・アーレント
長所=陸上部中距離で養った粘り強さ
短所=なんでも自分でやろうとするところ
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――都議2期目への挑戦です。この4年間、どんなことに取り組んでこられたのですか?
 もともと、自分の子どもが待機児童になって苦労した経験から、子育て支援や待機児童問題に取り組みたいと2017年に初当選させていただきました。それらの課題に取り組んでいくうちに、児童虐待の解決にも、親への支援が必要だと思うようになったんです。
 児童相談所の体制を強化しても、虐待が起きてしまった後の対症療法という側面があります。その前の段階でいかに防いでいくか、親や保護者への支援が必要だということで、超党派で勉強会をシリーズで開催したり、都議会でも幾度となく質問してきました。
 ようやく、今年度から都が児童虐待の予防的支援に取り組む市区町村を支援すると決めてくれまして、4つの自治体でモデル事業がスタートしました。

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――児童虐待が起きないようにする予防的支援とは、例えばどういうものですか?
 虐待で犠牲になる子の約4割が0才児なんです。定期的な検診を受けていない未受診妊婦さんや「特定妊婦」といって望まない妊娠や困窮している妊婦さんたちを、市区町村が把握して支援していく体制がまだできていません。東京都の場合、地方から住民票を移さないまま市区町村の窓口につながっていない方も多いんですね。
 予防的支援として、例えばひとり親、多子・多胎、未就園、親の依存症や精神疾患、 DV等のリスク要因がある家庭を早期に把握し、それぞれに必要な支援プランを作成することを目指して、予防的支援チームを派遣していくというのが事業内容になります。
 モデル事業は、それぞれの地域性にあわせて支援体制を組んでもらうのですが、その取り組みやデータを都も共有して、都全体としてどんな支援が必要なのかを研究していくことも、この施策に盛り込まれています。
 児童虐待の予防や、起きてしまったあとどうするか、というのは、いろいろな側面で取り組みが求められています。これも1つ進展したのが、都内初の里親のフォスタリング機関が多摩児童相談所に設けられました。里親さんのリクルート、教育、支援と、一元的に行う機関で、里親さんの悩みや困りごとも引き受けて支えていくものです。もうすでに児童相談所は手一杯、里親支援を両立させるのは難しい状況で、里親支援に特化した機関が求められていました。今後、都内の児童相談所にも広げていけるよう求めています。

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――ほかにも、実現してうれしかったことはありますか?
 子育て支援から親支援、と広げていく中で、性教育の問題にも取り組んできました。
 10代の人工妊娠中絶数が全国1位だった秋田県が、先進的な性教育に取り組んでいます。医師会と協力して保健師さんが授業をし、その後、医師会の提供資料をもとに一人ひとりの教員が、授業ができるように取り組んでいます。避妊だけではなくて、性感染症やそのリスク、性的マイノリティなどSOGIについても、体のこと、健康のこと、他者との関わりなど含めて、まさに「生きること」について学べる授業なんですね。しかもその結果、秋田県の人工妊娠中絶数がガクッと減ったんです。
 これを都に持ち帰って、ずっと要望してきました。そして18年に都の教育委員会が15年ぶりにガイドラインを改訂し、学習指導要領に載っていない内容でも保護者と児童が同意すれば教えてよい、という文言が入りました。つまり、学校や地域に任せられるんです。都は性教育バッシングがあってなかなか進んでこなかったので、これは画期的なことでした。

――2期目への挑戦は、迷いはなかったですか?
 本当は迷いだらけでした。子どもが2人いる中での両立は大変で、常にせめぎ合いです。
 自分が取り組んできた課題も、ほかの方が取り組んでくださるのでは…と思ってしまったり、自分がやらなきゃいけない理由はあるんだろうか?と弱気になることもあります。
 それでも、「私がやらなきゃ」と奮起させられる出来事も多いんです。プライベートを犠牲にして、仕事か家庭か、と迫られる状況は変えていかなきゃと思いますし、どちらも頑張っている女性も男性も、評価される社会に変えていきたいと思います。