立憲民主党「旧統一教会被害対策本部」は9月2日、「カルト被害防止・救済に関する緊急要請」(下記参照)を消費者庁と法務省に対し提出しました。同対策本部の西村智奈美本部長、吉田統彦本部長代理、石橋通宏事務局長、山井和則副本部長、打越さく良副事務局長、柚木道義衆院議員が「緊急要請」を行いました。政府からは大串正樹内閣府副大臣、門山宏哲法務副大臣が「緊急要請」に応じました。
2日午前の消費者庁への「緊急要請」後のぶら下り会見で西村本部長は、「本来は2週間近く前から河野太郎消費者担当大臣にお願いしたかったが、時間を取っていただけず、副大臣に要請することにした」と述べました。
その上で西村本部長は、「旧統一教会による被害実態がどうなっているのか明らかにならなかった」として、「消費者庁(霊感商法等の悪質商法への対策検討会)での議論のベースとなる被害実態の把握が必要」と述べ、政府の姿勢に疑問を呈しました。
同2日午後の法務省への「緊急要請」後のぶら下り会見でも西村本部長は、「旧統一教会による被害実態を明確にしてこそ、対策や相談体制を確立することができる」と強調。さらに、党対策本部でヒアリングを実施した「宗教二世」の問題について、「学校や児童相談所が対応できていない」ため、法務大臣主催の「『旧統一教会』問題関係省庁連絡会議に厚労省や文科省を追加すべき」、「そのために法務大臣はリーダーシップを発揮すべき」と指摘しました。
2022年9月2日
カルト被害防止・救済に関する緊急要請
立憲民主党
安倍元総理銃撃事件をきっかけに、あらためて旧統一教会の悪質な霊感商法による高額献金等の被害実態が明らかになった。これは、30年にも及ぶ政治の不作為の結果とも言え、今ここで、被害者の救済に実効性ある対策を講じ、合理的な判断力を奪う違法な活動を抑止することは、政治の急務の課題であり責任である。
以上の観点から、次の5点の具体的提案をする。
記
1.これまでの被害発生は、明らかに政治・行政の不備不作為である。被害実態の把握を早急に進めるとともに、まずは現行法制度を最大限活用し、弾力的な救済を行うこと
2.法務大臣主催による「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議においては、相談集中期間を設けることとされ、被害者の救済の一歩として重要と認識する。しかし、当事者が被害申し立てすることが困難である被害の特性に鑑み、既存の相談窓口の活用にとどまらず、国においてワンストップで対応できる「特設相談窓口」を設置すること。また、いわゆる二世問題の当事者や親族への救済・支援の必要性、学校現場等で早い段階から救済・支援につなげていくためにも同連絡会議へ厚生労働省及び文部科学省を追加すること。さらに、その在り方については、救済・支援には、長期的視野が必要であることから、慎重かつ丁寧な検討を行うこと
3.消費生活等相談窓口は地方行政に任されている。専門性が要求される職種にもかかわらず、予算が不十分であり、相談員の単年度単位での雇用契約など課題が多岐にわたるため、相談窓口の強化に資する予算増額及び研修の実施を行うこと
4.悪質な業者による契約被害をなくし、安心・安全な消費者生活を確保するため、立憲民主党が提唱する消費者の権利実現法を制定するなど、消費者契約法の抜本的見直しを行うこと。また、「生活に支障のある程度」を超える契約は、明らかに消費者が被る不利益が大きいことから、取消しを可能とすること。さらに、第三者からの取消しの申し立てを可能とすること
5.今後の被害予防・救済策として、これまでの行政介入を徹底的に見直し、被害拡大の前に食い止めることができるよう改善することは前提として、合理的判断を奪う行為(マインドコントロール)の創設やマインドコントロールを行う組織に解散を命じることを可能とする法制度などを検討する調査会を設置すること
以上
なお、連日明らかとなっている旧統一教会と閣僚との関係は、今後の被害救済や政治の信頼回復にとって最大の障壁である。今後一切関わりを持たないことを国民と約束いただき、行動を変えていただくことが重要であることを付言する。
20220902カルト被害防止・救済に関する緊急要請(消費者庁).pdf
20220902カルト被害防止・救済に関する緊急要請(法務省).pdf