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20260616 3党法務部門会議

【3党合同法務部会】再審法改正めぐり当事者からヒアリング 

 立憲民主党・中道改革連合・公明党の合同法務部会は6月16日、再審制度見直しをめぐり国会内で会議を開催。日野町事件で再審開始決定を勝ち取った故・阪原弘さんの長男である阪原弘次さんと、「被害者と司法を考える会」代表の片山徒有さんからヒアリングを行い、意見交換しました。

 冒頭のあいさつで西村智奈美座長(中道改革連合)は、同日の衆院本会議で再審制度を見直す刑事訴訟法改正案が可決し、議員立法案が否決されたことに触れ、「迅速な手続きや、当事者の立場に立った制度を実現したいとの思いで議論に臨んできたが、多くの懸念が残るまま参院に送ることになった」とコメント。そのうえで、「ここで立ち止まるわけにはいかない。参院でより良い制度となるよう議論を深めてほしい」と呼びかけました。

 阪原さんの父・弘さんは、1984年に発生した日野町事件で犯人とされ、無実を訴えながら24年間服役。再審開始決定を見ることなく亡くなりました。その後、再審開始の決め手となったネガフィルムなどの証拠が開示され、2026年に再審無罪判決が確定しました。

 阪原さんは、日野町事件について「今議論されている再審法改正の課題が、そのまま表れている事件だ」と指摘。「もし証拠が全面開示されていたら、父が有罪判決を受けることはなかった。逮捕されることすらなかったと思う」と述べ、父親にアリバイがあったにもかかわらず、捜査の過程で否定されていった経緯を説明しました。

 さらに、「父は『何もやっていない。社会中の誰が信じてくれなくても、お前たちだけは信じてくれ』と言い続けていた。早く家に帰りたい、元の生活に戻りたいと言いながら亡くなった」と振り返り、「父を殺したのは、証拠の全面開示がなされなかったことだと思っている」と訴えました。

 また、再審開始決定に対する検察抗告によって審理が長期化したことにも触れ、「父は間に合わなかった。しかし、父のような人間を二度と生んではならない。全国には今も無実を訴えている人がいる。再審法を改正し、冤罪という国家による犯罪を繰り返さないでほしい」と法改正を求めました。

20260616日野町事件・阪原弘さんのご長男・阪原弘次さんからヒアリング

 片山さんは、自身が交通事故で息子を亡くした犯罪被害者遺族であることを紹介。当初は不起訴とされたものの、報道などをきっかけに処分が見直され、有罪判決に至った経験を語りました。

 その経験から、「検察が証拠を独占し、十分に開示しないことは、不起訴を生み、一方で冤罪も生む」と指摘。また、再審制度見直しをめぐり「犯罪被害者と冤罪被害者は対立する」という見方があることについて、「決してそうではない」と強調しました。

 「被害者支援に携わるなかで、多くの被害者が『本当のことを知りたい』と言う。ほぼ全ての被害者が真実を求めている」と述べ、「新たな証拠が出てきて無実の可能性があるのであれば、それを支えるのが本来の被害者支援ではないか」と説明。「冤罪被害者も犯罪被害者も、『もう誰にも同じ思いをしてほしくない』という思いは共通している」として、真相究明の重要性を訴えました。

 さらに、証拠の全面開示や再審開始決定に対する検察抗告の禁止、不当な取調べの防止などが必要だと主張し、「再審制度は国家による誤判を正し、人権を回復するための最後の砦だ。時間がかかり過ぎて本人が亡くなってしまっては元も子もない」と、速やかな制度改革を求めました。

20260616被害者と司法を考える会代表・片山徒有さんからヒアリング

 質疑では、証拠の保管・開示のあり方や取調べの可視化、弁護人立会い、犯罪被害者支援の充実などについて活発な意見交換が行われました。出席議員からは、証拠の保管・送致のあり方や検察による証拠提出義務の強化について、参院審議でさらに議論を深めるべきとの意見が相次ぎ、当事者から示された課題を今後の再審制度改革と被害者支援の充実に生かしていくことを確認しました。