立憲民主党は6月20日国会内で、「マイナ保険証」に関する国対ヒアリングを開催し、「マイナ保険証」導入に向けて発生している問題点について、デジタル庁、厚生労働省、総務省の各担当者よりヒアリングを行うほか、全国保険医団体連合会からも現場の実態をヒアリングしました。

 冒頭、井上美佐・大阪府守口市北原医院院長からマイナ保険証に関する現場のトラブル事例について聞きました。転職をして社会保険から国民健康保険に切り替わった人がマイナ保険証に情報が反映されていなかったり、結婚して姓が変わった人がマイナ保険証に反映されていなかった事例があったことを紹介しました。2件とも現行の健康保険証を持参していたため窓口で3割負担となりましたが、「保険証を持っていなかったら10割負担をお願いすることになった」と述べ、「マイナ保険証に一本化するのはリスクがある」と訴えました。また、全国保険医団体連合会の本並省吾事務局次長は、1万の医療機関からマイナ保険証に関する調査・回答を得て、マイナ保険証を使っても無効であったり、ICチップが読み取りできなかったり、コールセンターにつながらないなど非常にトラブルが多く報告されていることについて説明しました。

 こうした相次ぐトラブルを防ぐために、出席議員は「来年秋に現行の健康保険証を廃止するのは拙速だ。現時点では、保険証を廃棄せずに保管し、医療機関受診時にはトラブルに備えて現行の保険証を持参するように周知してもらえないか」と政府に求めました。政府側は「医療現場のさまざまな混乱について一つひとつ丁寧に答えを出す。そうした中、オンライン資格確認、マイナンバー保険証を利用することがどういう仕組みかをしっかり周知を図る」などと述べるのみでした。