立憲民主党は12月10日、厚生労働部門と社会保障改革総合調査会の合同で、上野賢一郎厚生労働大臣に「OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しに際しては、患者さんに対する影響の検証を求める要請」を実施しました。
現在、政府・与党内でOTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについて検討されています。立憲民主党も、現役世代の社会保険料負担は大きな重荷になっており、負担軽減は待ったなしの課題であるとの現状認識は共有しています。薬漬けの弊害や大量の残薬の問題など医薬品を巡る改革は必須であり、医薬品の保険給付のあり方については不断の見直しが必要です。本来、見直しを実施する場合は、患者さんに対する影響をエビデンスに基づいて丁寧に検証することが前提となりますが、今回、政府・与党内でそれがなされた形跡はありません。
仮に一律に保険から外されると、自己負担の増大によって医薬品を購入できなくなったり、医師に受診せずに自己判断で医薬品を購入するようになったりして、症状が悪化するといったことが懸念されます。そのため、患者団体などから強い反対の声が上がっています。
立憲民主党はこうした状況を踏まえ、OTC類似薬の保険給付の在り方については、(1)患者団体など関係団体の意見を聴取して、それを尊重する(2)実態調査を実施する――こと等により詳細なデータを収集して分析するといったプロセスを経て慎重かつ丁寧に検討した上で、結論を出すよう強く要請しました。
申し入れ後に記者団の取材に応じた、小西洋之ネクスト厚生労働大臣は、「はじめから決め打ちで連立合意で保険外しのような前提の議論で進んでいる構図がおかしいと思う。それぞれの薬、それぞれの治療の実態をきちんと見て、経済的な問題も見て、合理性、必要性に基づいて考えていかなければいけない」と政府・与党の対応の問題点を指摘した上で、大臣はとても真摯に要請を受けていただき、大臣も心配というぐらい気にしていたと、大臣との懇談の様子を紹介しました。
山井和則社会保障改革総合調査会長代理は、「私から強く言ったのは、保険外しみたいなことをやったら第2の高額療養費問題になるということ。保険から外したり、大幅な負担増になると、多くの方の人命が奪われたり、治療断念になる」と述べました。
要請には他に、柚木道義(調査会事務局長)、早稲田ゆき(調査会事務局次長)、酒井なつみ(調査会事務局次長)各衆院議員が参加しました。
OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しに際しては、患者さんに対する影響の検証を求める要請_251210手交.pdf

