立憲民主党は15日午後、東京都内で結党大会を開催し、新党の綱領・規約、及び新役員を承認しました。今回の大会は、会場には国会議員145名、衆院総支部長84名、招待30名、関係者を合わせると約350名が参加。また、これまでの「つながり」を新党でも各地域で引き継ぎ「つながりを広げる」ため、地方自治体議員をはじめ多くの方に、新型コロナウイルス感染症予防の観点からオンラインで参加いただきました。

 小川淳也衆院議員が開会の進行を務め、大会議長として石川香織衆院議員と横沢高徳(よこさわ たかのり)参院議員を選出。両議員長のもとで次の通り結党大会の議事を行いました。

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左から、玄葉、平野、小川各衆院議員、福山参院議員
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司会を務めた石川衆院議員、横沢参院議員(左から)

【経過報告】

 国民民主党の幹事長として新党結党の協議を行ってきた平野博文衆院議員は、立憲民主党結党に至る経過について報告。「150名の衆参国会議員で新党は船出することになりました。お集りの国会議員、国政選挙内定候補者、新党参加への決意をいただいている自治体議員、支援者のみなさまに心からお礼を申し上げます」と謝辞を述べました。
 「昨年秋の臨時国会から共同会派が結成されました。強力な国会論戦力を発揮していただき、大学入試における英語民間試験の導入の見送りをさせる、コロナ対策では10万円の特別給付金を実現させるなど、国民のみなさんが求める数々の政策を実現してまいりました。これらの実績を背景に、政権を奪取して国民の手に政治を取り戻すために共同会派を成熟させて一つの政党へと結実させようという思いが、今日にいたりました。具体的には、昨年12月立憲民主党と国民民主党の協議が始まりました。以来、福山幹事長と数十回の会談や協議を重ね、8月初旬に新党の綱領案、規約案、代表・党名選挙規約案を取りまとめるに至りました。これを基に8月24日に、立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議、無所属議員フォーラムの幹事長で新党結党の合意書を交わしました。9月3日の時点では、入党宣誓書を提出いただきました。149名の国会議員で、9月10日に新党の代表と党名を決定する選挙を実施しました。代表は枝野代表、党名は立憲民主党に決まりました」と報告しました。
 「思えば2017年衆院選挙で野党第一党の分断が生じ、一強他弱といわれる政治体制を残念ながら許してしまいました。この間にわが国の社会、国民生活における格差と分断の拡大を許してしまった。われわれは誰よりも国民のみなさまに対して深くお詫びをしなくてはならないと思っています。今後われわれが持てるエネルギーのすべてを自公政権に代わって、国民生活本位の政治を実現させるためにも、集中するためにも、国民にお誓いを申し上げたい」と新党への意気込みを語りました。

【新党綱領・規約の承認】

 社会保障を立て直す国民会議で幹事長を務めた玄葉光一郎衆院議員は、新党の綱領、規約は、すでに8月24日の新党結党の基本合意の際、立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議、無所属議員フォーラムの幹事長において確認したと提案。玄葉衆議院議員の提案を受けて、立憲民主党の綱領および規約は拍手で承認されました。

【来賓あいさつ】

○神津里季生さん
 日本労働組合総連合会の神津里季生会長は「結集を果たされた同志のみなさまの決意と行動に心からの敬意を表します。この間それぞれの議員のみなさんの立場は異なっていても、そこに共通したものは結集を果たさんとする強い思いであり、大きなかたまりに向けた、一つひとつの営みであったと思います。2つの党を解散して合流するという英断のもと、極めて重要な到達点を多くの働く者、そして有権者の前に示されました。ぜひともそれぞれの経験、知見、個性、持ち味を存分に発揮し、政策を研ぎ、組織を固め、真に国民に寄り添った政治の実現に邁進していただきたい」と語りました。
 また、「新代表の重責を担われる枝野代表と代表選をともに闘った泉健太議員の真摯な論戦は、同志の結集結束に勢いを与えたことはもとより、コロナ禍の中、困難に直面し、不安の只中にある国民の明日を照らしてくれたと思います。命と暮らしを守る新しい標準ニューノーマルとはいかなるものか。その模索が求められる中、意義ある論戦に感謝したいと思います」「長期政権の弊害を打破するためにも再び二大政党的体制の一翼を担う勢力としての姿を確立しなければならない。そして政治に緊張感をもたらすことは健全な議会制民主主義の実現を通じた国民の利益の最大化に他ならない。ともにがんばりましょう」と新党への期待を語りました。

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〇町田彩夏さん
 高校生目線でマニフェストを打ち出す「女子高校生未来会議」や、18歳選挙権実現運動をおこした「ティーンズ・ライツ・ムーブメント」などで活躍され、SNSを中心に社会問題について発言し活躍されている、町田彩夏さんはジェンダーと政治について研究している大学院生であると自己紹介。議会における多様性の欠如により、政治の優先順位に偏りが出ていると問題提起しました。また、政府が女性管理職3割の目標を達成できず2030年に先送りしたことについて、「変えようとしなければ、社会は変わらない。自分の身近なところから変えてほしい」と立憲民主党への期待を語りました。

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【オンライン参加者のメッセージ】

 オンラインを通じて参加された方々を代表し、2人からメッセージをいただきました。

〇スガナミユウさん
 ライブハウス「LIVEHAUS(リヴハウス)」のオーナーで、新型コロナウイルス感染症の拡大で深刻な影響を受けた、「ライブハウス」や「ミニシアター」など、文化施設に対する国の助成を求める運動「 #SaveOurSpace 」の発起人であるスガナミさんから、申請手続きが煩雑で難しい行政の支援策について「血が流れているのに手術してくれない。なぜ困った人たちに手を差し伸べられないのか」とアフターコロナを語る前に、社会の枠組みから外れている立場の弱い人たちを救ってほしいと切実な訴えをいただきました。

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〇田中信一郎さん
 千葉商科大学基盤教育機構の准教授で、朝日新聞社の「論座」で「新しい野党第一党の『綱領』を読み解く」という、立憲民主党の綱領の解説を書かれている田中さんは、「自民党が人口増加を前提とする社会システムを維持するために経済を成長させようと掲げてきた新自由主義という国家方針によって、社会の格差と分断は拡大し、知識社会への転換も進んでいません。立憲民主党は経済学者 宇沢弘文の「社会的共通資本」という経済思想をベースに「支え合う社会」という、自民党と対抗する国家方針を持った野党第一党だ」と評価していただきました。

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【枝野幸男代表あいさつ】

 枝野代表は、「戦う相手は、多くの国民の皆さんが直面する困難、社会の理不尽さ、将来への不安」だと述べ、「この相手をしっかりと見つめて誰もが安心する支え合いの社会。責任ある機能する政府へ。多様性ある社会へ。会場の皆さん、まずは一人ひとりが自らが先頭に立って戦っていきましょう。まずは誰よりもその先頭に私自身が一番の風当たりを受けながら走っていきます。そしてウェブでつながっている皆さん、全国の自治体議員の皆さん、党員の皆さん、サポーター、パートナーズの皆さん、是非これまでの経緯をご理解いただき、ともに戦っていこうではありませんか」と呼びかけました。

そして「すべての国民の皆さん、皆さんが主役です。私たち立憲民主党は『右でも左でもなく、前へ』、あなたとともに進みます。時代の扉を開くのはあなたです。国民一人ひとりの顔の見える政治へ。国民のために国民とともに戦う立憲民主党になる。ともに戦いましょう。私には、立憲民主党には、国民の皆さん、あなたの力が必要です。皆さん一緒に前に進みましょう」と訴えました。

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【議案】

 枝野代表から役員人事が提案され、総会承認が必要な人事を承認するとともに、その他の人事を代表に一任することが拍手で了承されました。

新党役員提案_20200915.pdf(PDF形式)

 その後、役員が登壇。オンラインで参加した方々もステージ上に映し出され、最後に枝野代表は「国民のみなさんの暮らしは待っていてくれません。私たちの今日からのそれぞれの一人ひとりの活動が日本の明日をつくります」「力を合わせて、新しい時代を切り開いて行きましょう」と訴え、大会を締めくくりました。

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