全国20の指定都市が抱える行財政の課題について、指定都市市議会議員と国会議員が懇談する「指定都市行財政問題懇談会」が11月12日、国会内で開催され、立憲民主党に所属する各市の市会・市議会議員が同党の国会議員に対し、「令和8年度大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」や地元の抱えている諸課題等について要望しました。立憲民主党に所属する17指定都市の市議会議員18人と、安住淳幹事長をはじめ党幹部や指定都市選出の衆参国会議員32人が参加しました。

指定都市側を代表して、うるしはら直子札幌市議会議員(大都市税財政制度・DX推進調査特別委員会副委員長)が安住淳幹事長に要望書を手交した後、「物価高への対応に加え、こども・子育て政策の強化、社会資本の強靭化・長寿命化など、様々な行政課題へ対応する必要があり、財政需要は増大している中で、指定都市は、圏域における中枢都市として、日本経済の持続的な成長などに向けて、先導的な役割を果たすとともに、地域住民のニーズに的確に応え、きめ細やかな行財政運営を行っていく必要がある」「地方税財源の拡充を推進することにより、大都市の実態に応じた税財政制度の確立を積極的に求めていかなければならない」「大都市財政の実態を十分にご理解いただき、今後の税財源の拡充について、格段のご配慮をお願い申し上げたい」とあいさつしました。
出席した国会議員を代表して、安住幹事長から「政令市は、人口が東京に流れるのを踏みとどまらせ、若者や産業についてもそこでとどまり、しっかりした都市構想を作る、それぞれの地域のダムになるという役割が大きい。なんとか政令市の皆さんが強くなって、東京に対抗できるだけのネットワークを持ってもらえれば、国土の均衡ある分散ができるのではないか」との認識が示され、「予算のことは一生懸命やらせていただく。政令市を応援しているので、県と政令市のやり取りは大変だが、頑張ってほしい」とのあいさつがありました。
札幌市の笠松拓史財政局長から、指定都市の「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」の説明があった後、意見交換を行いました。指定都市議員からは、(1)特別市の制度化、(2)学校給食費の無償化、(3)学校施設環境改善交付金の財源確保と採択促進、体育館への空調整備、(4)保育や介護に向けた偏在是正やいわゆる多摩川格差の解消、小児医療費等国で一律の制度化の実現、(5)老朽インフラ対策やライフラインの強化、治水対策の推進、(6)能登半島地震関連被害からの復旧復興、地域防災緊急整備型新しい地域経済・生活環境創生交付金の継続、(7)火葬場の整備、(8)米軍基地の早期返還、基地交付金・調整交付金の増額、(9)障害者施設のショートステイの利用支援、(10)保育児童福祉分野における人材確保、(11)アジア競技大会及びアジアパラ競技大会についての支援、(12)ガソリン及び軽油の暫定税率廃止や学校給食無償化に関する地方特例交付金による全額補填、(13)地方交付税の確保、臨時財政対策債の制度自体の廃止、(14)国際観光旅客税の引き上げ、(15)中学校の部活動の地域移行への財源確保、(16)少人数学級支援、(17)被爆者援護の充実や核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加、(18)認知症対策の推進、(19)医療的ケア児の支援強化、(20)難病医療費への交付税措置の拡充、(21)除排雪に関する人材確保と交付税措置の拡充、(22)多文化共生――など多岐にわたるテーマが出されました。
衆院からは、安住幹事長のほか、道下大樹、石川香織、篠田奈保子、西川将人、鎌田さゆり、岡本あき子、枝野幸男、武正公一、奥野総一郎、岡島一正、宗野創、山崎誠、青柳陽一郎、大塚小百合、長友よしひろ、西村智奈美、菊田真紀子、黒岩宇洋、源馬謙太郎、鈴木岳幸、近藤昭一、牧義夫、西川厚志、森山浩行、佐藤公治、東克哉、城井崇、山花郁夫、高松智之の各議員が、参院からは、福山哲郎、牧山ひろえの各議員が出席しました。
