4日間の北海道訪問最終日となった3日、枝野幸男代表は地元北海道10区の神谷裕衆院議員、鉢呂吉雄参院議員、中川浩利北海道議会議員とともにJRローカル線、スマート農業の現場等を視察し、農業者と意見交換を行いました。(写真は新十津川町の白石農園で農薬散布用ドローンを見学する枝野代表一行)

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留萌線に乗車する枝野代表と神谷裕衆院議員(左)

■JR留萌本線に乗車
 最初にローカル線の状況を知るため、JR留萌本線の留萌駅から深川駅まで電車に乗車しました。JR留萌本線は路線が約50kmでJRの本線としては日本一短い。一時期は、利用者が極端に少ないために、存続が危ぶまれましたが、現在は駅の数を縮小し国や北海道からの助成を受けながら運行を継続できています。留萌線は1910年に留萌港へ石炭や木材、海産物等の輸送のために建設された歴史ある路線です。

 記者から乗車した感想を問われ、枝野代表は「目先の採算性だけを考えたら厳しい側面があるのだと思うが、確か明治からある路線で、日本の津々浦々まで公共交通がしっかりつながっているということの意味は何も変わっていないと、つくづく痛感した。いまはモータリゼーションで、たとえば物流はトラックが中心になっているが、脱炭素だと言われている時代の中で、一度なくしてしまったら復活させるにはものすごくコストがかかる。先人が遺してくれた財産をいかに活かし、のばしていくのか、ということについてさらに知恵をしぼっていかないといけない」と述べました。

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新十津川町役場でスマート農業について説明を聞く

■スマート農業の現場を視察
 続いて、新十津川町役場を訪れ、農林水産省の「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」の採択などを受け、実証事業に取り組んでいる「スマート農業」の説明を受けました。冒頭のあいさつで鉢呂議員は、「新十津川町は私が生まれ育った故郷です。新型コロナウイルスの影響で農家が大変な状況にも関わらず、食べ物を海外に依存している現状は異常。国産の農産物が余っている事態となっている。国の政策として、変えていかないといけない」と訴えました。役場の方からは、スマート農業の実証事業による成果を発表しつつ、「新十津川のお米の売れ行きはトップを走っているが売れ残りがある」という実情の説明がありました。そのうえで「人口減少や新型コロナウイルスの影響があることはわかるが納得がいかない。戸別所得補償に戻してほしい」との要請がありました。枝野代表は「農家の皆さまには誠実に対応していただいている。問題は国としてしっかりとしたマネージメントができていないこと。真面目に対応されている農家の方々が損をしないように、引き続き頑張ってまいります」と応じました。

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白石農園で説明を聞く枝野代表ら

 次に、スマート農業の実証事業の中心を担っている白石農園を視察しました。農薬散布用のドローンを実際に操作し、スマートフォンと連動した操作システムと正確に農薬を散布する様子を見せていただきました。スマート農業を導入したことで空いた時間ができ、トマトを育てられるようになったとの説明を受けました。

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ロボットトラクターの説明を受ける枝野代表
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農園視察後、取材に応じる枝野代表(右)と神谷裕衆院議員(左)

 視察後、記者から党の農業政策の考え方を問われ、枝野代表は、「いま消費が減っているということもあって、米作りの将来に非常に不安を持っていらっしゃる声を切実な思いとして受け止めさせていただいた。やはり、そうした状況があったり、あるいは凶作の時でもしっかり営農し続けられる戸別所得補償制度というのは日本の農業を守っていくうえで不可欠なものだということを改めて確信したので、さらに自信をもってもう一度これを復活させて制度化しようと思いを強くした」と述べました。

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空知農民連合より要請を受ける枝野代表ら

■空知農民連合から要請を受け、意見交換
 最後に、空知農民連合の皆さんと農政における意見交換会を行いました。まず初めに、空知農民連合の笹木謙一郎委員長より「米の需給・価格安定に関する緊急要請」と「高収益作物時期作支援交付金の運用見直しに関する緊急要請」の2件の要請書を受け取りました。農民連合側から、「正直者がバカを見るような農政にはしないでほしい」「価格は市場で決まっていくことは構わないが、所得は政策で補償してほしい」との要請があり、農業者戸別所得補償制度の復活を改めて求められました。
 神谷議員は「心配しているのは、来年をどうするかということ。ただでさえ新型コロナウイルスがなくても、農家の皆さんは毎年が勝負ということでやっていた。戸別所得保障制度の導入は、ほとんどの農家の皆さんのコンセンサスを得ていると思う。引き続き、復活を求めていく」と強調しました。

空知農民連合要請書.pdf

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