衆院予算委員会で4日、基本的質疑が行なわれ、立憲民主党会派の7番手で辻元清美議員が質問に立ちました。

■国会議員の世襲制限

 辻元議員は、「以前から菅総理に聞いてみたいと思っていた」と前置きし、世襲制限について質問。「世襲制限の断行が日本の未来を開く」「世襲を許せば自民党は死ぬ」「世襲にしたら出たい人が出られない。それって国民目線からみて変でしょ」「世襲制限をして世代交代をはかる。そんな当たり前のことをやらないと自民党に未来はない」とビラやインタビューなどでも発言しているとして、今も考えに変わりがないかただしました。

 菅総理は、「予備投票、党員投票などの方策を作って今日まで自民党はきている」と答弁しました。

 さらに辻元議員は、「国民が厳しい生活をしているときに、自分たちは何もしなくていいのか。だから世襲制限が必要なんだ」という菅総理の過去の言葉を引用し、コロナ禍だからこそ検討すべきだと指摘。叩き上げ、前例主義・既得権益の打破というのであれば、日本学術会議の人事の6人を拒否するといったことではなく、自らの政治のありようを改革すべきではないかと語り、「叩き上げ総理でも自民党の政権である限り、総理大臣のたらい回しでは何も変わらない」と指摘しました。

■日本学術会議

 辻元議員は、先日の江田憲司議員の質疑の中で菅総理が「加藤陽子先生以外の方は承知していませんでした」と答弁していたことから、「加藤陽子さんをどのように存じあげているのか」と質問すると「(加藤陽子さんについては、)新聞などで知っていました」と答えました。

 辻元議員は、加藤さんが小泉政権から菅政権までの17年間、歴代内閣の政府の委員会や懇談会に参加していると指摘。例えば内閣府独立行政法人評価委員会など8つの委員と務めてきており、安倍政権では内閣府公文書管理委員会委員、菅政権では国立公文書館の機能施設のあり方等に関する調査検討会議委員を務めていると述べ、政府の委員に任命していた事実を知っていたか問いました。

 菅総理は「内閣でお願いしているということは私は承知していませんでした」と答弁しました。

 辻元議員は「同じ人物を一方では政府が力を借りて、一方では拒否。任命拒否の根拠は破綻している」と指摘。さらに、学術会議の答申によって国文学研究資料館が設立されたこと、学術会議の勧告「公文書散逸防止について」に基づき国際基準に合った国立公文書館が設立されたことを紹介。菅総理は「そういう形のなかで、国立公文書館ができたという経緯は承知していませんでした」と答弁しました。

 これを受け辻元議員は、「政府の役職をしていたの知らなかったとか、学術会議がそういう仕事をしてたのを知りませんでしたでは、任命権者として失格ではないか」と指摘しました。

 さらに「学術会議の年間予算10億円のうち5億円の人件費をちまちま削る、それが政治のやることか」と批判。260億円使ったアベノマスクの検証など安倍内閣の失敗を検証することが重要だと指摘しました。

 そして、「これは覚悟の問題ですよ。何を日本は大事にするのか。戦争から中曽根元総理も戦争体験された。戦争体験した人たちが学術会議というのは、時には政府が道を踏み外しそうになったら、政府と違う勧告を出してブレーキをかける。そういう組織をあえて税金で作っておこうというのが学術会議じゃないですか」と訴え、「私は日本にとってそういう存在は非常に大事だと思っております」と指摘しました。