野田佳彦代表は10月5日、石川県輪島市、内灘町を訪れ、1月の能登半島地震、9月の奥能登豪雨の被害の状況を視察しました。地元石川3区の近藤和也衆院議員の案内で、辻元清美代表代行も同行しました(写真上は、町野地区で被害状況を聞く野田代表)。
野田代表は視察のなかで記者団に「2重の被害の深刻さ、被災された皆さんのがっかりされている感情を肌で感じた」と語り、「激甚災害」「特定非常災害」を念頭に、2重被害の状況を考えた場合、従来の枠ではない形で指定していくことが急務だと指摘しました。
さらに、これまでの大規模災害ではいち早く補正予算を組んできたものの、能登の災害だけ6回も予備費を使うという特殊なやり方でやってきたと語り、今回こそきちんと制度設計し、被災者が見通しを立てて生活ができるよう補正予算を組むべきだと指摘。「過ちては改むるに憚ること勿れ」と語り、「年を越すためにどうしたらいいかと心配されている人がいっぱいいた。われわれも協力する、当たり前だ。一日も早く成立をさせる。そのあかつきに解散でいい」と述べ、会期延長も求めました。
石破総理が衆院解散の意向を示していることについては、「生活の再建で悪戦苦闘している時に選挙どころではない」との意見も多くいただいたと語り、「あまねく選挙の準備ができるかどうか、今日の現地を見れば当然分かったはずではないか。分からなかったら何の視察だったのか」と厳しく指摘しました。
■輪島市町野地区
豪雨により大きな被害を受けた輪島市町野地区では、川が氾濫し土砂が流れ込んだ町唯一のスーパーや、河川と周辺の状況を視察し、住民から話を聞きました。商店を経営する方は「国、県、市の支援がとにかく必要。年内の再開は難しい」と語り、「地震で休業し、再開できたたと思ったら今回の豪雨。頭を抱えている。どういった支援があるのか早めに分かると動きやすい」と話しました。
別の男性は「地震があって、今回のこれ。とにかく道路整備が必要。同じ災害を食い止めなければらならない。安心して寝られない」と語り、また別の人は、道路が寸断され逃げ道がないと述べ、子どもが「ここはもう嫌だ」と言っていると明かしました。
ある女性は、「お店がない地域もある。買い物に行くのに車で1時間かかる人もいる」と語り、地震で車を失い、さらに今回の豪雨でも車を失ったという声もありました。
「(報道のために)マスコミもヘリで来るなら、水の一つでも落としてもらいたい。住むかどうかの瀬戸際にある」といった訴えもあり、また、間もなく行われる予定の衆院総選挙については、「眼の前の生活で手一杯。炊き出しがあることに、ようやく喜んでいる状況。選挙のことなんて(考える)余裕がない」「(投票に行き)書きたいけど二の次。生活に追われている」といった声がありました。
■輪島市役所、輪島市内
輪島市役所では坂口市長と面談。坂口市長は「(地震から)前向きになっていたところで今回の大雨。(住民の)皆さんが心折れそうな状況だ」と語り、市内の状況を報告し支援を求めました。
その後、輪島市ふれあいセンター、豪雨で川が氾濫し床上浸水した仮設住宅を視察しました。仮設住宅から避難中の女性は、震災で車がだめになり、車を新しくしたが今回の豪雨で再びだめになったと語りました。また猫を飼っており、ペットも入居可能な仮設住宅であったことから、預けていた猫を呼び戻し一緒に暮らし始めた矢先の豪雨だったと語り、しばらく別のところで生活することになったため、猫は再びペットショップに預けていると語りました。
選挙については、仮設住宅もこうなってしまっているのに、投票所入場券はどうやって届くのかと疑問を投げかけました。
その後代表らは、地盤が隆起し海底が露出した黒島漁港、内灘町では、川口町長の案内で地震による液状化被害の状況を視察しました。