安住淳国会対策委員長は24日、安倍前総理が公設第1秘書の略式起訴を受けて国会で説明したいとの意向を大島理森衆院議長に申し入れたことを受け、自民党の森山国対委員長と国会内で断続的に会談。25日に衆院議院運営員会で安倍前総理本人の説明を聞き、各党が質疑を行うことで合意しました。衆院での質疑は13時から1時間、参院はその後準備が整い次第、合意ができた時間帯で行う見込み。正式には議院運営委員会の理事会で決定します。

 東京地検特捜部は、安倍前総理の後援会が主催した「桜を見る会・前夜祭」をめぐり、ホテル側の領収書から安倍事務所側で費用を補てんしていた問題で、後援会の収支報告書に懇親会の収支を記載しなかったとして、安倍前総理の秘書を政治資金規正法違反の罪で略式起訴しました。

 会談後に記者団の取材に応じた安住国対委員長は、「私からは、朝から国民の皆さんが見える状態できちんと議事録に残すことが絶対条件であると(いう協議を)やってきました。残念ながらすんなりと合意したわけではありませんが、ようやくここまでこぎつけました」とコメント。「立憲民主党など野党は、証人喚問と予算委員会の開催を求めたが、自民党側はそれには応じず、断続的な協議を行った結果、基本的に公開することで合意し、議事録もしっかり残す形で、冒頭前総理からの発言があるかもしれないが、それを除いて1時間程度の質疑になる」との旨、報告しました。

 その上で、野党はこの問題について昨年の12月から問題点を提起して追及してきたが、当初から今日に至るまで118回、安倍前総理は事実と違う虚偽答弁を繰り返してきたとして、「このことが憲政史上の汚点であると私は申し上げたが、そういう中で検察側の1つの結論が出た。その結論についてはさまざまな意見があるが、司法にわれわれが口を出すこともできない。問題は、この問題は国会で問題を提起して事件化したにもかかわらず、国会での安倍前総理、事務所の責任はまだ全く果たされていないことだ」と指摘。「明日はその第一歩だと思っている。明日のこういう機会をしっかりとらまえて、国民の皆さんにきちんと分かる形で安倍前総理に対して責任にある答弁を求める質問をしていきたい」と力を込めました。

 25日の議院運営委員会では安倍前総理にどのような答弁を期待するかを問われると、安住委員長は「証人喚問には至らなかったが、もう嘘は許されない。正直に言い述べてほしいなと思うのと同時に、国民の皆さんもわれわれも、国会議員の小さな事務所で長年にわたって現金で補てんを秘書がしていたことを知らなかったというのは本当なのかと。このことは素朴な疑問としてある。それをずっと修正をしないままに言い続けて、特にその額は巨額だ」と指摘。「さんざん委員会でも、『これは後援会の行事なのだから後援会の収支に記載しなければだめでしょ』と言ってきたが、(安倍前総理は)その必要はないと突っ張ってきた。しかし今回の不起訴相当の内容を見ると、後援会の活動であると認定している。結局野党の言っていたことが正しく、安倍総理の言っていたことは間違っていたことを司法の場でも捜査当局が認めたわけですから、こういうことに対してどう考えているのか、きちんと話をしていただきたい」と述べました。