参院議院運営委員会は7日、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に新型インフルエンザ特別措置法(特措法)に基づく緊急事態宣言が、夕方に発出されるにあたり、政府の国会報告と質疑をおこないました。立憲民主党からは吉川沙織議員が質疑に立ち、緊急事態宣言の解除要件も特措法に定めるべきではないかと提案しました。

 吉川議員は、政府が示した基本的対処方針について、感染拡大防止と経済活動の維持の両立から方向転換をして、感染拡大の防止を最優先することにしたのかを西村担当大臣へ確認しました。
 「『感染拡大を抑えることを最優先として取り組む』と方針を書いた」と答弁する西村大臣に、吉川議員は「今まで総理が、感染拡大防止と経済活動の両立維持を両輪として回すと言ってきたのだから、総理が来て質問に答えるのが筋ではないか」と強くうったえました。

 また吉川議員は、「勝負の3週間」が終わった12月16日が「緊急事態宣言を出すべきタイミングだったと言っても過言ではない」と述べました。
 さらに、吉川議員は緊急事態宣言発出の要件について「法と施行令に発出要件を定めている」と述べる一方、「解除要件は、法に『必要がなくなったと認めるとき』としか書いていない。それでいいか」と質問。「そのように理解している」と答弁する西村大臣に対して「『総合的判断』と基本的対処方針には書いている。方針には目安があっても、具体的基準を法令に規定していない。それはいかがなものか。今般、特措法を改正すると聞いている。具体的に(解除要件を)規定しませんか」と緊急事態宣言を解除する時の要件を法に定めることを提案しました。
 一方で西村大臣は、「まだまだ分からないことが多い。法定するとそれで身動きが取れなくなるので、緊急事態宣言の解除発出にあたっては、専門家の意見を聞いて対応することを頭に入れて対応したい」と解除要件を法で定めることに消極的な姿勢を示しました。
 吉川議員は、「行動自粛や時短要請の協力を後押しするためには、目標となる緊急事態宣言解除の発令、解除要件の基準をできる限り、明確に具体的に示して、国民・事業者がそれぞれの行動自粛や時短営業、事業活動の再開について、見通しが立てられるよう予見可能性を高めていくことが何より重要だ」とあらためて基準を法に定めることを求めました。

 最後に吉川議員は、昨年12月に立憲民主党を含む野党が特措法改正案を提出して、臨時国会の延長を求めたことに触れました。法案成立を求めたにも関わらず、与党が数の力で閉会してしまい、いまだに国会が閉会したままで法案を成立させることができない状況について、「社会全体が、共通の危機感を共有し対処することが求められる中、国会が開かれていないことは迅速かつ集中的な対応のための立法機能の放棄に等しく、忸怩たる思いだ」と強調しました。

吉川議員の質問に答える西村大臣.JPG