枝野幸男代表は7日、院議院運営委員会での質疑後に国会内で記者団の取材に応じました。

 政府は同日午前、専門家で構成する基本的対処方針等諮問委員会で、新型コロナウイルス対策で、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象とする緊急事態宣言の発令を諮問し、諮問委はこれを了承。期間は8日から2月7日までです。
 これを受けて開かれた衆院議運委では、西村経済再生・再生担当大臣が報告し、質疑が行われました。

 枝野代表は冒頭、「昨年の緊急事態宣言発令のときから比べても、本当に国家的な危機だと言える状況のもとで、総理と議論ができなかったことは本当に残念なことである」と発言。その上で質疑を振り返り、「結局は、当事者意識が欠如していると受け止めざるを得ない。『専門家の意見』という答弁が何度も出てきた。もちろん専門家の皆さんの知識や経験、それに基づく意見は大変重要だが、例えば『GoToトラベル』を続けるのかどうか、緊急事態宣言に積極的に対応するのかどうか、あるいはどういったところに営業などについて無理をお願いするか。専門的な知識や分析がベースにならなければならないが、私はいずれも政治の責任で政治判断すべきことだと思っている。今日のやりとりでは、いずれも『専門家が言ったから』あるいは『専門家が言わなかったから』ということに終始をしていて、当事者意識が欠如している。これは大変残念なことだと思っている」と指摘。「われわれは政治の責任をしっかりと果たす。こういう観点から、これまで同様、積極的な提案、提言をして政府を動かしていきたい」と力を込めました。

 昨年に続き2度目の緊急事態宣言が発出されることの受け止めを問われると、「緊急事態宣言は、出さないで済むのであればそれに越したことはなく大変残念なことだが、同時に、専門家集団の専門的なアドバイスを受けることのできない野党の立場からでも、12月の下旬以降は(緊急事態宣言の発令が)必要だと、責任をもって提案できる状況であったにもかかわらず、遅きに失したと言わざるを得ない」と政府の対応を問題視。「実際に営業時間の短縮をお願いするなどの対象範囲の問題だけでなく、例えば今日の国会に総理が出てこられないことも含めて、政府の危機感が残念ながら国民の皆さんに行き渡っていないのではないか。政府に危機感を感じられない状況のもとでの緊急事態宣言では、(国民)全体としての接触機会を大幅に減らすための、感染拡大を抑えるための効果は本当に上がるのか、甚だ疑問だと言わざるをえない」と述べました。

 緊急事態宣言の解除の基準については、西村大臣の答弁にあった「東京の感染者数が500人くらいになったら、というレベルでいいのかどうか」と疑問を呈し、徹底して、いわゆる市中感染をゼロに近い状況まで下げることが、そこからの再度の感染の広がりを見つけやすい、あるいは感染源を追いやすい状況を作ることになると指摘。第2波で感染者数が下がりきらないなかで第3波を迎えたという繰り返しにならないよう、第4波を防ぐ観点からは徹底して減らす必要があるとの見解を示しました。

 枝野代表はまた、18日の通常国会開会前に、本当に対象地域が1都3県でいいのか、今回決めた対応策で足りているのかどうか、雇用調整助成金や生活困窮者へのさらなる支援など、さまざまな問題について早急に議論をして求めていかなければならないと主張。「来週4日間平日があるので、本来であれば臨時国会を開いて特措法を通常国会までに仕上げるべきだと思う」と述べました。