衆院予算委員会で5日、2021年度本予算について2日目の基本的質疑がおこなわれ、衆院会派「立憲民主党・無所属」から森山浩行議員が質問に立ちました。森山議員は、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言、菅総理の長男の総務省幹部との会食問題等を取り上げました。
森山議員は冒頭、「新型コロナ対応・民間臨時調査会」の報告書や台湾のオードリー・タンIT担当大臣が「国民の信頼を得るには情報公開が大事」と強調していることに触れ、行政の長として新型感染症対策に指導力を発揮するよう菅総理に要請しました。
次に、森会長の女性蔑視発言について「昨日の謝罪会見で森会長が逆切れしたと受け止められている。総理から辞任をお願いするしかないのではないか」と菅総理に迫りました。
菅総理は、「あってはならない発言」との認識を示した上で、「昨日、橋本オリンピック担当大臣を通してオリンピックがめざす男女共同参画の観点からもあってはならないことと伝え、森会長は謝罪し、大会の成功に向け最後まで取り組みたいと応じたと聞いている。IOC(国際オリンピック委員会)も森会長が謝罪し、この問題は終了したとの認識を示したと承知している」と答えました。
これに対し、森山議員は菅総理に4日の森会長の記者会見全編を見るように勧め、森会長を辞任させるよう改めて要請しました。
続いて衛星放送関連企業に勤める菅総理の長男が総務省幹部と会食したと報じられていることをただしました。
菅総理が長男に会食の内容について聞いたかとただすと、菅総理は、報道についての会社側の聴き取り調査にはしっかり協力するように伝えたと話しましたが、会食の内容については「調査中なので私が内容に立ち入るべきではない」と答えました。
会食に参加した秋本芳徳情報流通行政局長が4日の予算委員会で会食代を返金するため振り込みをしたと答弁したことを踏まえ、振り込んだ宛先を問いましたが、秋本局長は「国家公務員倫理審査会の調査に応じているので回答は控えさせていただく」と述べ、回答しませんでした。会食の相手先と利害関係があると認識していたかと問われると、秋本局長は「当初は利害関係があると思っていなかった」と答えました。また、会食で衛星放送の話が出たかを問われると、「衛星放送の話が出たかどうか記憶にない」と答えました。
森山議員は 総理の長男だから総務省の幹部が会食に応じたのではないかと指摘しました。その上で、菅総理が2006年に総務大臣に就任した際、当時25歳だった長男を大臣秘書官に任命したことについて「ちょっと残念。総理はたたき上げの人ということだが、25才の何もない人が総務大臣に秘書官にはふつうならない」と述べ、役所に忖度させてしまう状況をつくってしまったのではないかとただしました。菅総理は「長男が大臣秘書官だったのは10数年前のこと。長男とはここのところほとんど会っていない」と自身が本件に関わっていないことを強調しました。
森山議員は、権威主義的な行政、情報隠蔽、忖度などはあってならないとし、行政が歪められないようにしてほしいと菅総理に改めて求め、質疑を終わりました。