衆院予算委員会で15日、新型コロナウイル感染症対策等に関する集中審議がおこなわれ、立憲民主党から6番手で今井雅人議員が質問に立ちました。

 今井議員は、菅総理長男が総務省から許認可を受ける衛星放送関連会社の取締役であり、総務省職員にとって利害関係者にあたるのではないかとただしました。これに対し、総務省官房長は事実関係を調査中と繰り返し審議がいったん中断しました。審議再開後、官房長は「倫理規定上の利害関係者という疑義があることを否定できない」と認めました。これについて見解を尋ねると、菅総理は「関わっている者が誰であっても、国民から疑念を招くようなことは避けるべきだ。総務省でしっかり対応してほしい」と述べるにとどまりました。

 今井議員は、総務省への接待が政府が国民に不要不急の飲食の自粛を要請していた「勝負の3週間」に3回行われていたことを取り上げ、秋本芳徳情報流通行政局長に不要不急でなはない用件とは何だったのかをただしました。秋本局長は会食での内容については調査中との理由で明かしませんでしたが、先方からの声掛けで日程調整して参加し、3人で会食したと説明しました。また、同業他社とも今回のように頻繁に会食するのかを尋ねると、秋本氏は「ない」と答えました。これに対し今井議員は、「首相の息子だけが特別扱いではないか」「自分の立場を利用して、普通は会えないような総務省幹部と何回も会っているのだから、(総理は)もう別人格だとは言えない」「忖度は倫理上問題だ」と批判しました。質疑の中で、秋本局長は昨年12月10日を除き過去3回は、その場で会食費用を現金で支払っていたことがわかりました。

 今井議員は国会での真相究明のため、菅総理の長男、谷脇康彦、吉田眞人両総務審議官、山田真貴子内閣広報官の参考人招致を求めました。また、総務省接待問題の調査に加え、鶏卵業者から元農林水産大臣らへの金銭授受に関する調査についても予算の採決前に必ず結果を公表するよう強く求めました。

 さらに、参院選広島選挙区の買収事件に係る河井克行元法相の公判で元会計担当者が「原資は自民党本部からの金」と述べている供述調書が明らかになったことについて、「適切な手続きにのっとって交付されたので問題ないと言っていたが、結果的に買収のお金に使われたことになる」と自民党総裁としての責任をただしました。これ対し菅総理は「ご指摘の資金は支部の立ち上げに伴い、党勢拡大のための広報紙を複数回全県に配布することにあてられたと報告を受けている」「使途の詳細は党の内規に照らして、党の公認会計士が監査を行いチェックしてもらう」と述べるにとどまり、責任を認めませんでした。