党最高顧問の野田佳彦元内閣総理大臣は20日夜、参院長野県補選の羽田次郎候補(立憲民主党公認・新人)の応援で上田市を訪れ、信州国際音楽村で開催された総決起大会に参加しました。

 激励のあいさつに立った野田元総理は、昨年12月に新型コロナウイルス感染症で急逝した羽田雄一郎さんについて「2019年の参院選挙では佐久市に応援に入ったが、雄一郎さんは素晴らしい演説をされ、立派に当選された。野田内閣の国土交通大臣をつとめていただき、私を献身的に支えていただいた。人情の機微がよく分かるナイスガイたった」と語りました。弟の羽田次郎候補については「温厚篤実なお人柄」と紹介しました。

 野田元総理は「今回は弔い選挙だがそれだけではない。発足から7カ月の菅政権を評価することができるのは、審判を下すことができるのは、北海道2区の道民、長野と広島の県民しかいない。そして特に問われるのは菅政権のコロナ対策。雄一郎さんの命を奪ったコロナウイルスに対する対策は一言でいえば後手後手と迷走に尽きるのではないか」と提起しました。感染症対策の決め手と言われワクチン接種について、「4月12日から高齢者向けの接種が始まったが、まだ医療従事者への接種が終わっていない。ご高齢の方への接種が完了するのはいつなのか。(自民党の)下村政調会長が年内ではなく来年の可能性もあると言った。15歳から64歳までの現役世代はどうなるのか、来年以降ではないか。ワクチン接種が遅れれば遅れるほど経済の回復も遅れるのは明らか。私は、この遅れは万死に値すると思う」と菅政権を痛烈に批判しました。

 自助、公助、共助を旨とする菅総理の対応について「自助第一でパンデミックに立ち向うことが出来るのか。パンデミックと戦うためには、国民の命と暮らしを守るために、適時適切に公助を発動するのが政治の役割ではないか」と述べ、「菅内閣のコロナ対策、YESかNOか。NOという意思表示を皆さんと示そうでうはありませんか」と呼びかけました。

 続いて、今回の選挙で問われていることの2つ目は、元農水大臣の大臣室での現金授受や参院広島選挙区で1億5千万円も投じた大型選挙買収に象徴される政治の歪みだとし、「ずいぶん古い政治に戻っていないか。腐臭のプンプンする金権政治に戻っていいのかが今回問われている。NOという意思表示をするならば、羽田次郎さんに一票を投じてください」と述べました。

 3つ目は公務員倫理の後退だとし、菅総理の長男が関わった衛星放送会社と総務省の接待に端を発し、他の象徴でも利害関係者からの接待があったことが明らかになったことを取り上げ、「ずぶずぶの癒着が残念ながらまん延している。まん延防止がいま必要なのは永田町と霞が関だ」と述べました。そして「政治倫理と公務員倫理が後退しているが、そもそも政と官の関係も歪んでいる。役所というのは国民のために役に立つところだから役所だ。いま忖度して、権力者のために役に立とうとしている。間違っていませんか。われわれの声を聞け。われわれの現場を見ろ。国民のための役所と役人にするために今回の選挙は勝たなければいけない。そのための戦いだと思っていただきたい」と訴えました。政治や公務員の弊害は、安倍政権から続き、菅政権で加速しているとし、「この流れを変えるには、一強の弊害を断ち切るには、野党がバラバラではいけない。多弱を深く反省し、多弱を克服する、長野の選挙にしなくてはいけない。市民と野党が連携して一強を倒す、そのうねりをこの長野からつくろうではありませんか」と力強く訴えました。

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 羽田候補の総合選挙対策委員長をつとめる杉尾秀哉参院議員は、市民と野党の共闘で2016年、2019年の参院選を戦って勝利し、「この長野県から自民党の参院議員がいなくなった」と振りかえり、「羽田次郎候補を圧倒的に勝たせて下さい。そして次期衆院選挙へとつなげてほしい。そうすれば政権交代が見えてくる」と述べました。そして、最後の1分1秒まで、投票箱のふたが閉まるまで油断せずに取り組むよう呼びかけました。

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 羽田候補は、夜寒い中、野外の会場に集まった聴衆に謝辞を述べ、「兄雄一郎氏の後継として議席を何としても守るために支援をいただきたい」と決意を表明しました。国政の場で取り組みたいこととして、新型コロナウイルス感染症の1日も早い収束を上げ、(1)誰でも、いつでも負担なく検査が受けられる体制の整備(2)陽性者が仕事や育児、家事を安心して休めるように国がしっかり補償を支払うこと(3)感染者に対する差別、偏見等をなくすこと――について語りました。また、チルドレンファーストとして、子どもが安心して暮らせる社会、平和な国を残していきたいと述べました。

 そして「皆さまお一人おひとりの代弁者として、市民と野党の統一候補者として、国政へと送り出していただくことを心よりお願い申し上げます」訴えました。

 枝野幸男代表、田名部匡代常任幹事会議長、泉健太政務調査会長のビデオメッセージが映し出されました。会場では、共産党の小池晃書記長、社会民主党長野県連代表の中川博司県議会議員が激励のあいさつを述べました。

 決起大会は、若林邦彦千曲会会長の発声で頑張ろうコールがおこなわれ、締めくくられました。

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