蓮舫代表代行は30日、東京都杉並区の西荻窪駅で吉田はるみ候補（東京8区）と街頭演説活動をおこないました。

■吉田はるみ候補

　一人で街頭演説を始めて6年、初出馬した前回の衆院選から4年。吉田候補は、街頭や勉強会など、地域のさまざまな場で有権者の声を聞き、時に話し方や発声の指導をしてもらうなど、西荻窪の地域の人びとに支えられてきたことに対し、感謝の言葉を述べました。

　吉田候補は、大接戦となっている東京8区で戦う意義について、「私は山形県の出身で、父は中卒の八百屋。お金がなく、政治家のコネもない、そんな知名度もない新人の女性候補が、この東京8区で勝ち抜くことができたら永田町の政治に対して、強烈なメッセージを送ることができると思います」と語ります。

　さまざまな困難に直面している人、仕事が不安定で先の見通しがない人、家族はいるけど孤独を感じている人、介護の不安で押しつぶされそうになっている人。子育てのストレスで思わず子どもに大声を上げてしまい、後で反省と後悔をしている人。吉田候補は、こうした人びとの声を国会に届け、日本の政治を大きく動かす声へと変えていきたいと訴えました。

　吉田候補は自身について「私はまだ未熟かもしれません。失敗、挫折、後悔、反省の連続です。それでも人を大事にする政治を作りたい。この一念で駆け抜けてまいります」と述べ、これまでの政治を変えたいという思いを自身に託して欲しいと、集まった多くの有権者らに呼びかけました。

■蓮舫代表代行

　蓮舫代表代行は、約9年間にわたって続いてきた自公政権の経済政策について、「恩恵を被った人もいるでしょう。長期政権で安定した政策をお届けしたという効果もあるでしょう。でも一方で、アベノミクス、行き過ぎた新自由主義は幸せな人を増やしたんだろうか」と疑問を呈しました。

　この10年間で、1億円以上の金融資産を持つ人は2倍に増えた一方で、貯金がない20代30代も2倍となっています。若者が不安定雇用に留め置かれ、奨学金という名の借金を返せなくなっている現状にも触れ、自分で頑張れる豊かな人と、そうではない人との格差を縮めることこそ、政治の責任であると述べました。

　安倍政権や菅政権は、大型補正予算を組んでも、従来の公共事業や旅行を促すGoToトラベルなど、平時の予算の使い方に終始し、結局30兆円を余らせていると指摘。このコロナ禍で「みなさんに我慢を押し付け、ご無理を押し付け、いつ終わるのかわからない不安を押し付け、それでも政治だけが変わらない」「日常は変わった、日本は変わった、世界は変わった。皆さんのほうがこのウイルスと向き合い、平時ではない有事だという認識を持っているのに、政治だけは変わらなかった」と述べ、家賃支援給付金や持続化給付金の再支給など、困っている人に届くような税金の使い方をするべきであるとの考えを示しました。

　蓮舫代表代行は、岸田総理が総選挙後、大型の補正予算で経済対策をおこなうと表明していることや、公明党が選挙公約で、選挙後に18歳以下の子どもに対する10万円支給を掲げていることについて、「なぜこの夏やっておかなかったのか。この秋にやらなかったのか」と疑問を呈しました。総選挙後の特別国会や臨時国会後に予算を組んでも、実際に実行されるのは来年となると述べ、新型コロナウイルス感染症の第5波以降に生じたこの政治空白こそ、無責任な政治の象徴であると指摘しました。

　蓮舫代行は東京8区の選挙戦について、「（吉田候補の相手は）数ある政治家の中でも苗字にブランドがつく人」「男と女の候補者がいたら、女性を推しませんか。もちろん、1億5千万円をもらって大変な罪を犯した女性もいるから、女性なら誰でもいいってわけじゃありません。吉田はるみは大丈夫です」と太鼓判。

　自身の18年間の政治活動を振り返って、国会の最前線で、男性よりも頑張って、男性よりも努力をしてやっと認められるようになったと述べ、女性が政治に参画するハードルの高さはまだまだ残っていると語りました。しかし本来は、性別にかかわらず、本人の能力と意思に基づいて、国民のために仕事ができる環境であるべきであると述べ、圧倒的多数を男性が占めている国会の景色も変えていく必要があるという認識を示しました。

　明日投開票日を迎える今回の衆院選について、「明日はゴールではありません。明日がスタートです。世直しをしましょう。この9年間を直しましょう。嘘のない政治、公文書を改ざんしない政治、何よりも記憶をなくしたり、シュレッダーしない。そういう政治、子どもに教えているのと同じ当たり前のことを政治の世界でまっとうに取り戻そうじゃないですか」と力を込め、東京8区から吉田はるみ候補を国会に送っていただきたいと呼びかけました。