3月8日の参院予算委員会で「新型コロナウイルス感染症が内政に与える影響」をテーマに行われた、2022年度総予算に関する公聴会で、打越さく良議員は(1)新型コロナウイルスの感染率のコントロール(2)後遺症への有効な対策(3)保健所の体制に求められるもの(4)公的支出による対策の費用対効果の検証――等について和田耕治教授(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学)と倉持仁院長(インターパーク倉持呼吸器内科)に質問しました。

(1)新型コロナウイルスの感染率のコントロール
 打越議員は、最近の新型コロナウイルス陽性率がWHOが感染をコントロールできているか判断する指針として示す「陽性率5パーセント未満が少なくとも二週間継続すること」からは「ほど遠い状況だ」と指摘。なぜ実現できないのか倉持院長にただしました。倉持院長は、「PCR検査の体制自体がぜい弱なのは明らか」「医療を行う上で、検査そして隔離、特に隔離と早期治療は当たり前のこと」「そういう体制をすぐ作るべきだ」と主張しました。

(2)後遺症への有効な対策
 新型コロナウイルスの後遺症に関する現時点の知見を倉持院長に質問しました。倉持院長は、「味覚・嗅覚障害の方でも肺機能障害を起こしている方がたくさんいる。論文にしているが、ぜんそくの病態をきたす」等と説明。臨床の全体像が見えておらずしっかりしたデータを取れていない状況であると指摘し、「早く論文化して、知識を広めていく必要がある」と述べました。

(3)保健所の体制に求められるもの
 打越議員は、保健所についてどのような体制が求められているのかを質問。和田教授は、自治体の統廃合で保健所が整理される中でも、感染症に強い人材は必要なので、そのことを要請する必要があると説明しました。倉持院長は、「第1波から第6波まで既存の仕組みで新しいものを投入せずに対応しようとしてきて、あふれ出てしまって間に合わなくなっている現状がある」と指摘。政策的に構造を変えるべきと主張しました。

(4)公的支出による対策の費用対効果の検証
 和田教授が今日の公聴会で、公的な支出による対策の費用対効果の検証が必要だと指摘してることに触れ、どのような体制であればそれが可能なのかを打越議員は質問しました。和田教授は、「お金の使われ方がきちんとより明らかになっていくことが、まだまだ数として少ない。見える化していくことで、次にどういう風にお金を使えばより効果的か議論できる場が厚労省か国会かわかりませんが、いずれにせよ期限を決めてやらなければいけない」等と答えました。

03.jpg