立憲民主党つながる本部(本部長・野田佳彦代表)は1月26日、オンライン企画「2025立憲つながる新年会」を開催しました。この企画はつながる本部が毎年この時期に党員、協力党員、パートナーズ、そして広く市民の皆様とともにこの一年を展望し、党として何をめざすのかを共有する場として開催しています。
会は二部構成で、第一部は「野田代表に聞く! 2025年に目指すこと」、第二部では「選択的夫婦別姓、今年こそ実現!」をテーマに、東京のスタジオを起点に全国3カ所のサテライト会場と結びながらディスカッションを行いました。
第一部「野田代表に聞く! 2025年に目指すこと」
第一部は野田佳彦代表と辻元清美つながる本部長代理のトークセッション。冒頭、野田代表は「24日から通常国会が始まった。去年の臨時国会で立憲民主党は熟議と公開を旨とする国会改革を提唱し、一定の成果を上げたと思うが、今年はその真価が問われる」と今国会への意気込みを語り、続けて辻元代理のコーディネートで参加者からの事前質問に答える形で進みました。
へび年にまつわるエピソードを聞かれ、野田代表はへびがよく出る家で育った怖い経験を披露。辻元代理は「へびは脱皮する。今年は党も私たちもヘビのように脱皮できる年にしよう」と明るく呼びかけました。
立憲民主党の強みと弱みについて聞かれた野田代表は「昨年末に開催された『高校生未来会議』で各党の代表者が考え方を説明したところ、投票で私が1位だった。若者に刺さるコンテンツはわが党にはあると思う。若者だけでなくあらゆる世代に対して様々な分野で政策を練り上げてきていることが強み。ただそれをわかりやすくメッセージとして届ける力が弱い」と率直に語り、発信力強化に向けた取組みに言及しました。
予算審議の主要課題である歳出改革について問われた野田代表は、「新年度予算案は115兆5千億円という史上最大の規模。一方で国が目標として掲げてきたプライマリーバランスの黒字化を達成することができないという見通しが明らかになった」と述べ、「放漫財政ではないかという観点から『本気の歳出改革作業チーム』をつくった。納税者の目線で厳しくチェックしていく」と決意を語りました。そして無駄が明らかになった予算については、党が提言している学校給食費の無償化などに振り分けをしていくという考えを示しました。
「選択的夫婦別姓」について野田代表は、「長年の懸案である選択的夫婦別姓法案を成立させるために衆議院法務委員長を戦略的に取りにいった」と述べ、制度導入の実現のためにより広範囲な野党による共同提案、さらには賛成派の公明党との連携にも言及しました。辻元代理も実現に向けた運動面からの取組みとして全国女性キャラバンをスタートすると述べました。
SNS上での誹謗中傷やフェイクの拡散といった深刻な問題への対応について野田代表は、「表現の自由の問題もあるので慎重に対応しなければならないが、明らかに行き過ぎだ誤情報、ニセ情報が民意に大きく影響しているという実情は看過できない。公職選挙法をどのように改正するかという丁寧な議論を始める時期に来ている」とし、「6月の都議選、7月の参議院通常選挙までにはなるべく方向性を出したい」と述べました。
参議院選挙に向けた他党との連携について問われた野田代表は、「与党を過半数割れに追い込むために全国32ある一人区でどれだけ勝てるか。野党がばらばらでは勝ち目がない」という認識を示し、「野党候補一本化の作業が大事なので各党に丁寧に呼びかけたい。野党第一党である我々は早く候補者を発掘していきながら他党と調整する」と述べました。
トークはこのほかに、目指すべき社会像や愛読書、好きな動物など視聴者からの質問にも答えながら進みました。
第二部「選択的夫婦別姓、今年こそ実現!」
第二部のトークセッションは、米山隆一衆院議員(法務委員会理事)が進行を務め、打越さく良参院議員(党ネクスト法務大臣)、吉田はるみ衆院議員(党ネクストジェンダー・共生・孤独孤立担当大臣)が登壇しました。
冒頭、米山議員が自分が結婚したときのエピソートを披露。パートナーの室井さんは、芸名しか世に知られていないので、自分が戸籍名を改姓することを快諾してくれたが、手続きがたいへんだったため、今でも夫婦喧嘩をするたびにその話を持ち出される、と改姓する側の負担を実感する具体例を紹介しました。
続いて、米山議員のコーディネートで、選択的夫婦別姓にまつわる「よくある疑問」に答える形で進行しました。
「通称使用の法制化でいいのでは」との疑問に対し、打越議員は「ここでは通称を使えるのか、ここではどうなのかというダブルネームの負担は結局女性が負い続ける(※1)。選択的夫婦別姓に変えてしまえばこのような負担はなくなる」と応じ、吉田議員は「通称使用でいいじゃないかという議論が出るたびに思うのが、なんでそこまでして選択を奪うのかということ。同姓にしたい人は同姓にすればいい。でも別姓にしたいという人たちの自由を別姓を認めない人たちが縛っている。その価値観の強制をこの先も続けるんだろうか」と述べました。
「戸籍制度をなくそうとしているのか」という疑問に吉田議員は「国会審議で制度を導入したら戸籍制度は壊れるのかと質問したら、法務省も法務大臣はあっさりと『壊れません』と答えた。96年の法制審議会答申で別姓の際の戸籍例が示されている(※2)」と説明、「制度が導入されたら私も別姓になるの?」という疑問には打越議員が「あくまで選択的。別姓を強制したりはしない。同姓を選択したい人は同姓になることでなんの問題もない」と答えました。
「社会より個人の都合を重視することを国が認めるわけにはいかない」という疑問に打越議員は、「日本国憲法は個人を尊重することが基本。社会は個人を尊重するということでスタートしている」と端的に説明、「親子が別姓では子どもがかわいそう」という疑問にやはり打越議員は、「親子の絆が同じ姓で育まれているとしたら世界各国で家族が崩壊しているだろう。日本国内でも離婚や再婚で親子別姓の例はあるがそれで愛情や絆がばらばらというわけではない」と答えました。
トークセッションではこのあと視聴者からの質問にも応じ、双方向のディスカッションとなりました。
この日は一部二部を通じて全国から約250名が参加し、全体の司会は渡辺創衆議院議員(つながる本部事務局長)が務めました。また、会の準備や運営はパートナーズの有志の方々が担いました。