参院本会議で5月31日、2022年度補正予算案に対する討論・採決が行われ、立憲民主党から森本真治参院議員が登壇し、反対討論を行いました。

 森本議員は冒頭、「値上げの夏、異次元の物価高騰、岸田インフレ」という「悪い物価高騰」が国民生活に打撃を与えていると指摘。立憲民主党が、2022年度当初予算の審議の最中から、「物価高騰に警鐘を鳴らし、対策の必要性を訴えていた」にも関わらず、政府与党は「何ら対策を含んでいない当初予算を成立させた」と批判。その結果、政府は「当初予算の成立から、わずか1か月余りで、1.5兆円を超す予備費の使用決定に追い込まれた」として、コロナ対策だけでなく物価高騰対策でも「後手後手に回った政府」に猛省を促しました。

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財政民主主義を軽んじる補正予算

 森本議員は本補正予算により、補正後の一般会計予備費は7兆円を超える規模となり、「公共事業関係費を優に上回る予算が事実上、政府に白紙委任された」と批判。予備費は、国会の事前議決原則のあくまでも例外であり、「野放図な予備費頼みの財政運営」は、憲法83条の財政民主主義が「有名無実化する」と断じました。

総合緊急対策の規模が不十分

 また、立憲民主党が4月8日の時点で、総額21兆円の「生活安全保障のための緊急経済対策」を取りまとめていたことも踏まえ、本補正予算では「原油価格高騰対策の1.2兆円のみ」であり、「規模が小さすぎる」と批判しました。

物価高対策として効果が限定的な補正予算

 4月の企業物価が前年比10%も上昇し「約40年ぶりに二桁の伸びを記録した」ことや、本補正予算が「原油価格高騰対策」のみであり、中小零細企業の収益を圧迫する電気代やガス代の高騰への対策がないと批判。その上で、物価を押し下げるためには、消費税率の引き下げこそが「最も効果的」であると訴えました。

国民の生活を守らない補正予算

 物価高にも関わらず、政府は後期高齢者の窓口負担の引き上げや児童手当の特例給付への所得制限創設など、「国民に負担を強いる政策を強行」していると批判。その上で、立憲民主党は「生活安全保障」を掲げ、「国民の生活を守る意志を欠いた岸田政権とは毅然と対峙するとともに、『岸田インフレ』と真正面から戦っていく」と訴えました。

核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を
 
 最後に広島県出身の森本議員は、来月開催される核兵器禁止条約締約国会議に、ドイツも参加表明したことも踏まえ、「唯一の戦争被爆国としてオブザーバー参加をするべき」と岸田総理に対し訴え、反対討論を終えました。

220531令和4年度補正予算案 反対討論(森本真治議員).pdf

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