党旧統一教会被害対策本部(本部長:西村智奈美衆院議員)は8月18日、第7回会合を国会内で開催。旧統一教会からの脱会を支援してきた宮村峻さんから、被害の実態と課題について話を聞きました。会合には、同本部特別参与の有田芳生さんが同席しました。
冒頭、同本部事務局長の石橋通宏参院議員は、これまで進めている各省庁へのヒアリングと並行して、同日の脱会支援者の宮村さんを皮切りに、元信者やご家族、2世などの当事者の方々から具体的な話を聞いていきたいとあいさつ。「被害の実態や救済の在り方、なぜこうした被害が繰り返されるのか、被害の実態を知った上で、政治の責任として被害者の救済、被害の防止に資する立法措置を準備しようと議論を進めている」と述べました。
政府は同日、旧統一教会問題を扱う関係省庁の連絡会議の初会合を開いたことにも触れ、一方で新たな政務三役の多くが旧統一教会と実際に関ってきたことが明らかになっていると問題視。「こんな状態で本当に真剣に追及できるのかが問われる。私たちは、立憲民主党として『もうこれ以上被害を出してはいけない』との思いで、ご家族を含めて被害に遭われた方の救済、保護をしっかりやっていく」と力を込めました。
有田さんは、旧統一教会の創始者で、今もメシアと位置づけられ信者たちの結束の中心的な文鮮明教祖に対し、「裏メシア(恨めしや)」と呼んできたのが宮村さんだと紹介。1985、87年に朝日新聞やアサヒジャーナルで統一教会の原理運動、霊感商法の批判をした当時からこの問題に関わり、多くの信者の脱会に多大な力を尽くしてくるとともに、今メディア等で元信者が発言をしていることも、宮村さんの力が大きく働いているとして、「この問題は体系的、歴史的、分析的に捉えないと、その時々の感想で終わってしまうメディアの現状がある。統一教会の教義解説書『原理講論』に基づいて、信者の内面から問題をえぐっていく話になっていくと思う」と話しました。
会議後、石橋参院議員は記者団に対し、宮村さんからは、長年にわたる脱会支援の活動紹介と、なぜ信者の方々は自ら脱退とならないのか、完全にマインドコントロールの状態に陥っている中いかに脱会が難しいのかなど、貴重なお話をいただいたとコメント。「特に、こうした被害の事態があるにもかかわらず、日本の政治は旧統一教会と非常に親しい密接な関係にあり、それがこうした被害を拡大し、固定化し、結果として30年の空白期間を生んだことへの強い問題意識を共有した。今後の救済のあり方、政治としての対応のあり方についてもご示唆いただいたので、そうしたことを踏まえて私たちは今後の検討につなげていきたい」と述べました。
立法措置に関しては、「現にこれだけの被害があり、救済する必要がある方々の救済が遅れ、また失われた何年かになってはいけない。現行法の改正や、必要に応じて新法も念頭に置きながら、まずは来る臨時国会で早急に対処すべきことと、中長期的な観点での措置とを具体的に検討していく」との考えを示しました。