立憲民主党など野党は4月5日、旧統一教会問題に関する第45回目となる国対ヒアリングを実施しました。今回は、旧統一教会に求めている損害賠償請求の集団交渉で、第2次集団交渉に参加することになった高知県在住の橋田達夫さん、全国統一教会被害対策弁護団の阿部克臣弁護士、ジャーナリストの鈴木エイトさん、関係省庁から話を聞きました。

 阿部弁護士は、同日発送した第2次集団交渉の通知内容について説明。第2次の今回は、元信者や親族20名が献金や物品購入等の財産的損害と精神的損害を受けたとして約3億1千5百万円(損害額約2億6千万円と慰謝料約1割)の返金と面談などを求めていると語りました。第1次と合わせると67名、約19億2千6百万円です。第2次の特徴としては、慰謝料の請求として悲惨な事案や家族の慰謝料などを増額した件が2件あると説明。そのなかの1件が今回出席された橋田さんだと語りました。

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橋田達夫さん

 橋田さんは、元妻が多額の献金を行い、子どもが自らの命を絶ったというこれまでの経緯を説明。橋田さんは、命を絶った子どもと昨年7月の銃撃事件を重ねあわせ「ああいう事件が起き、本当にうちと同じだと(思った)。彼は外に出た、うちの場合は自ら命を絶ちました」「弁護士が死亡診断書を見た時に『こんな診断書は見たことがない』。病院の先生も『こんな診断書は書いたことがない』と(言われた)」と、涙してこれまでの状況を語りました。そして「われわれ家族を地獄に落として天国なんてつくれるわけがない」と強く訴えました。

 鈴木さんは、正体を隠した一連の偽装勧誘の実体を20年にわたり調査していると語り、偽装勧誘から、マインドコントロールを施し信者にし、そこからいかに金銭収奪をしていくかの一連の流れが組織的に行われていると指摘しました。そして、教団が「信徒会」が対応するとしていることについて、「実際には信徒会はない」と指摘。「教団本部の組織的なものではないという形を維持しようとしていることに欺瞞性がある」と述べ、「そうした上で集団交渉に全く応じようとしていない」と指摘しました。

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左から阿部克臣弁護士、橋田達夫さん、鈴木エイトさん