立憲民主党は9月20日、2013年に当時の安倍晋三首相が自民党本部の総裁応接室で旧統一教会の会長らと面談し、参院選挙の自民党候補者への支援について協議をしたと朝日新聞が報道した件について、「第67回統一教会国対ヒアリング」を実施。統一教会による被害者の、もるすこさん(仮名)、橋田達夫さん(オンライン参加)、全国統一教会被害対策弁護団の阿部克臣弁護士、ジャーナリストで作家の鈴木エイトさん(オンライン参加)からヒアリングを行いました。同ヒアリングには、文化庁、法務省、警察庁、消費者庁、こども家庭庁も同席しました。

 冒頭にあいさつに立った泉健太代表は、自民党の岸田総理総裁は国会答弁で、「くり返し組織的関与はないと言い続けてきた」と指摘。2022年の調査で組織的関係性を否定した自民党に対し、統一教会との関係について「再調査をするべきだ」と強調しました。

 また、自民党総裁選挙の候補者は、「再調査についての見解を明らかにするべき」であり、候補者自らも「(統一教会との)関係性について言及しなければならない」と述べました。その上で、自民党本部総裁選挙管理委員会の名で「この種のアンケートに関しては、総裁選挙への投票行動に影響を与える可能性が極めて大きい」として、各種アンケート等への対応について「自粛する」としたことを批判。自民党総裁選に立候補している小泉進次郎候補の選挙対策本部が、全国統一教会被害対策弁護団の公開質問状に対し、「党からの通達により、回答を見送らせていただきます」と返答したことを踏まえ、自民党の対応は「不誠実だ」と語気を強め、立憲民主党は被害者救済に全力で取り組むと強調しました。なお、党の代表選候補者は、公開質問状に全員回答しています。

西村智奈美 西村ちなみ

 続いてあいさつに立った党「旧統一教会被害対策本部」の西村智奈美本部長は、昨年から実態解明のために、自民党の茂木敏充幹事長や盛山正仁文部科学大臣に対し、「第三者機関の設置」を申し入れてきたが「ゼロ回答」であったと報告。自民党内の「自己点検」だけではなく、第三者による客観的な調査が必要だと強調しました。

 その上で、2022年に成立した「悪質寄附規正法」の「2年見直し規定」の期限が迫っているとして、政府に対し検討状況の報告を求めました。

 阿部弁護士は、公開質問状に自民党総裁選候補者から回答がなかったことに言及し、裏金問題だけではなく、統一教会問題に向き合わずして、「政治の信頼回復」「国民の不信感は払拭できない」と強調しました。鈴木エイトさんは、首相官邸にも統一教会が招待されていたとの情報もあるとして、自民党だけでなく政府も含め「一連の疑惑を徹底解明すべきだ」と指摘しました。

 被害者のもるすこさんは、統一教会は組織的に信者の秘書を要請していると報告し、米国のフレイザー委員会のように「第三者委員会による徹底した調査を」と訴えました。橋田さんも、「反社会的な統一教会が選挙前に(安倍元首相と)会ったことは大問題だ」と指摘し、自民党には「もう一度、統一教会との関係を洗い出してほしい」と訴えました。