岡田克也幹事長は9月26日、国会内で会見を開き、(1)政府の経済対策(2)自治体議員と国会議員公設秘書の兼職問題――等について発言しました。

(1)政府の経済対策

 昨日、政府が発表した経済対策の5つの柱に関して、岡田幹事長は「春に骨太方針が出たばかりでまだ数カ月しか経っていないのに、網羅的な経済対策が出てくるのは理解しにくい」と述べました。

 また、経済対策の取りまとめ時期が10月末目途となっている点について、「その後、補正予算編成の指示となれば、予算委員会を経て成立は11月後半から12月にかかることになる。年内に成立させる気があるのか」と指摘し、「本当に今の厳しい国民生活を認識しているのか」「補正を作る前に解散してしまう思惑がうかがえる」と疑問を述べました。

 経済対策の内容について、岡田幹事長は「アクセルとブレーキを同時に踏んでいるように見える」として、国土強靭化対策を挙げ、「万博も人が足らない、物件費もあがり工事が進まないと聞く。民間の建設現場がどういう状況か端的に示している。そういう中で大型の公共事業となれば、さらに人手不足、材料費高騰を招くことは必至」と指摘し、「物価を高騰させるための対策になりかねない」と疑問を述べ、しっかりと国会での議論をするよう求めました。

(2)自治体議員と国会議員公設秘書の兼職問題

 自治体議員と公設秘書の兼職の問題について、岡田幹事長は「立憲民主党は本日17時締切で調査中であり、結果は報告する(※1)。福田昭夫衆院議員の兼職の件は、日本維新の会のケースとは異なり手続きには全く瑕疵がない」と述べました。「もう一度検証しながら、議事運営委員会の場で一定の結論に達したら、それを守っていくことに尽きる」と発言しました。

※1 9月26日17時に、他に兼職の事実はないとの結果が判明しました。


岡田克也幹事長記者会見

2023年9月26日(火)15時45分~16時25分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/DdIDc-d3Aek


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第85回常任幹事会を開催

【幹事長】
 私からは、まず、常任幹事会のご報告です。
 特にご報告すべきことはありませんが、あす、全国幹事長・選挙対策責任者会議をリモートで行うことになっております。テーマは、来るべき補欠選挙、それから総選挙、そういったことについて、しっかり認識を共有して、各県連においても準備に入ってもらうようにしたいと思っております。
 それから、1人、新たに総支部長(公認候補予定者)が決まりました。福井1区の西山理恵さんであります。資料は入っていると思いますので、ご覧ください。福井は候補者を立てることができないでおりましたので、これで1区の候補者が決まったということであります。

○経済対策に関する首相発表について

【幹事長】
 さて、私からは2点申し上げたいと思いますが、一つは、経済対策(の柱立て)を政府が発表いたしました。5つの柱ということです。これに関して幾つか申し上げたいと思います。
 一つは、5本の柱ということで、総理はいろいろお述べになるわけですが、骨太方針というのは春に出たばかりですよね。あれからまだ数カ月で網羅的な経済対策が出てくるというのは非常に理解しにくいなと思います。あの頃と経済の状況、物価高、賃金を上回る物価が上がっていて非常に生活が苦しくなっている、あるいは、原材料費、エネルギー価格が上がって、特に中小企業が非常に厳しい状況にあるということは、基本的に変わっておりません。そして、骨太方針というのは、そういう中で政府として取り組むべき方向をしっかり出したものだと理解しております。それがまた数カ月で総合経済対策ということで出てくる。中身はかなりダブっているとは思いますが、よくわからないなと思いました。
 2番目に、記者会見などで総理は、対策の取りまとめは10月中にというふうに、正確に言うと来月中にと言っておられましたが、今回の取りまとめ(指示)の文書を読むと10月末を目途に取りまとめるということになっております。私は10月中という中で10月の半ばくらいというのも場合によってはあるのかなと思っておりましたが、今回10月末ということが書かれて、ちょっと驚いております。非常に対策が急がれる中で、なぜそんなに時間をかけるのか、1カ月以上かけるのかというのは、よくわからないわけであります。
 10月末に経済対策の取りまとめが行われるということになって補正の指示ということになれば、そこから3週間、11月の後半。予算委員会で議論して成立するのは、もう11月いっぱいいっぱいか、場合によっては12月にかかってしまうかもしれないということで、まだ随分先の話なのですね。もちろん一部は予備費でやられる部分はあるのかもしれませんが、本当にそれで今の厳しい状況をきちんと認識されているのだろうかと思います。だんだん来年度の予算編成ともかぶってくるわけで、本当に年内に成立させる気があるのかという、そういう気すらするわけであります。
 うがって考えると、私が従来から申し上げているように、補正をつくる前に解散してしまう、そういう思惑がうかがえるような言い方。「10月中」が「10月末」になったということで、どんどんその路線になってしまっているのかなと思います。
 やはり、しっかりと経済政策を打ち出すということであれば、国会での議論は欠かせません。別に政府の案ができるまでであっても、もちろん自民党の中でも議論するということで、それなりの材料は政府として提供されるわけですから、それならば国会で共有して議論していけばいいのだと思います。もし総合経済対策ができるまで国会を開かないというようなことで、開いた後も僅かな議論で解散するということになれば、それはやはり国会を無視し国民を愚弄していると言われても仕方がないと思っております。
 3番目。ちょっと各論になるのですが、何かアクセルとブレーキを同時に踏むような、そういうことではないのかなと思います。物価が上がっているという中で、一方で、従来需給ギャップを埋めるために大型の補正予算ということでやってきたはずが、需給ギャップが現時点で見ればほぼ解消されているという中で、中身を見ると、例えば国土強靱化対策というのが出てまいります。これはどの規模でやろうとしているのかと。
 従来、昨年度あるいは一昨年度の補正では1.2兆円規模で、強靭化対策、つまり公共事業ですね、これをやってきたということです。万博も、人が足らない、そして物件費も上がっていて、なかなか進まないというふうに言っているわけで、これは一つの例ですが、民間の建設現場が今どういう状況にあるかということを端的に示していると思います。そういう中でまた大型の公共事業ということになれば、ますます人が足らない、あるいは材料費が上がるという状況を招くことは必至であります。
 選挙対策でばらまきのためにやるんだというふうに考えればわかりやすいですが、結果、それは物価を抑えるはずの総合経済対策が物価を高騰させるための総合経済対策になりかねないということだと思います。そういったことは非常に疑問がありますし、そういうことも含めて、しっかり議論する機会を、早く国会を開いて与えてもらいたいと思っております。
 以上が経済対策です。

○公設秘書と自治体議員の兼職について

【幹事長】
 もう一点申し上げます。自治体議員と公設秘書の兼職の問題であります。
 そもそも、この問題は維新の議員の公設秘書が自治体議員と兼職をしていた、そのことが届出されていなかったということが問題だったはずであります。それが、いつの間にか兼職そのものが問題であるというふうにすり替えられたというか、維新のほうは、兼職が問題だから法律(案)を出しますよと、こういうふうに論点をうまくすり替えられたわけであります。
 我が党は現在調査を行っております。実はきょうの17時締切りでありますので、17時に締め切った後、結果を皆様にご報告したいと思いますが、現時点では、もう既に知られている福田さん以外に公設秘書と自治体議員を兼職しているという報告はございません。これは我が党としては、現時点だけではなく過去も遡って聞いておりますので、そういうものはないというふうに現時点では考えているところです。それから、届出をしないでやっているということがあれば、それも報告しろというふうに私のほうから指示をしております。それもございません。改めて17時が過ぎたところで皆様にご報告したいと思います。
 福田さんの件は、手続的には全く瑕疵のない話であります。そして、昨日の記者会見で、兼務をしていた自治体議員、市会議員の方が公設秘書を辞任するということを言われましたので、我が党としても兼職をしている事例はないということになるわけであります。今までいろいろな経緯があってこれは議論されてきたことで、自治体議員と公設秘書の兼務がだめだということにはなっていなかった。ただ、きちっと報告しなさいということになっておりました。したがって、福田さんには全く瑕疵がないと私は思っております。
 ただ、これから将来についてどうするかということについては、やはり自治体議員と公設秘書を兼務するのはいかがなものかという声もあります。したがって、そこはしっかり議論したほうがいいと思っております。今までも議運で議論を重ねてきて現状のような仕組みになっておりますので、従来の議運における議論ももう一度検証しながら、議運の場で各党がしっかり議論をして、一定の結論に達すれば、それをしっかり守っていくということに尽きるのではないかと思います。


■質疑

○経済対策について(1)

【共同通信】
 冒頭、総合経済対策について受け止めを伺ったが、5本柱の中には賃上げや物価高対策が含まれており、今後、立憲民主党として経済対策についての考え方をまとめるかと思うが、幹事長としてどう政府の対策と立民の対策の違いを出していくか、どういった議論を党内ですべきか、お考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 違いを出すことが目的ではないのですが、賃上げは非常に重要です。引き続き賃上げをしっかり行っていく、そのことがサイクルを回していくために非常に重要だと思います。
 私が思うのは、大手の企業を中心に賃上げが春闘で一定の成果を得たわけで、来年もそれをぜひ期待したいところであります。これは基本的には労使の交渉で決まる話です。
 ただ、見ていると、私も地元などでいろいろお話を聞いていると、そうは言っても、その賃上げをやろうにも、材料費もエネルギー価格も高騰している中で、単価は上がらない。「いや、単価を上げてもらっています」という会社もあるのですが、単価が全然変わっていないと。そうすると、もう既に赤字になっていて、賃上げまでとても回すだけの、それを実現するだけの余裕はないと。そういう話もよく聞きます。
 ですから、しっかりと、少なくともコストが上がった分、あるいは人件費を上げなければいけない部分について、単価にそれが反映されるような、不当にそれを抑えつけるようなことがないような、そういった政策が非常に重要ではないかと思っているところです。

○自民・麻生副総裁の発言について

【共同通信】
 もう一点、別件で伺いたい。自民党の麻生副総裁は24日の講演で、公明党幹部について、安保3文書をめぐる議論の中でがんだったということで名指しで批判をされた。連立内で幹部について名指しでこういう表現で批判をするというのはかなり珍しいことかと思うが、幹事長はどう見ておられるのか伺いたい。

【幹事長】
 党の中のことですから、それは公明党と自民党の中で議論してもらいたいと思いますが、麻生さんの発言は、私も詳細には承知しませんが、何か専守防衛などと言っている場合ではないみたいな、そういうことを言っているとしたらそれは極めて問題で、では、日本はもう専守防衛を放棄したのかと。それは総理にもぜひ聞いてみたいと思います。専守防衛は変わっていないという説明を今までしてきたはずですよね。自民党副総裁がそれを否定しているというのは極めて問題だと思います。

○経済対策について(2)

【テレビ朝日】
 冒頭にもあった経済対策に関連して伺いたい。いわゆる年収の壁と言われるものの話がきのうも出ていたかと思うが、企業に手当を出すとか、2年間は扶養に残ることができるようにするとか、いろいろな話が出ている。この点について、評価できる点、また、何か問題を感じている部分があれば教えていただきたい。

【幹事長】
 当面の対策と、それから、根本的な構造的な改革をしっかり分けて議論しなければいけないと思います。
 基本的には、現在の仕組みがなぜこうなっているかと。やはり多くの場合は、男性が働き、女性が専業主婦で家庭を支える、そういうモデルが前提になってできていると思うのですね。しかし、もうそれは理念的にも実態的にも全然変わってきているわけです。多くの女性はもう働いている、9割くらい働いているというふうに私は思っているのですが、そうであれば、そういうモデルを前提にして仕組みを全面的に見直していかなければいけないということだと思います。
 その姿をきちっとつくり上げた上で、当面そのためには、大改革ですから、若干、例えば1年や2年ではできない、順次やっていくにしてももう少し時間がかかるということであれば、それをつなぐための当面の対策として政府の言っているようなことも一つの答えかもしれません。
 目指す方向がないままに、とりあえず、むしろ今の矛盾をさらに拡大するような支援策というのは、私は全く理解できないところです。

【テレビ朝日】
 短期的なところにプラスして、長期的なところでの支援というのも、抜本的な支援も必要だと。

【幹事長】
 支援というか、つまり改革(が重要)で、誰かを支援するとかそういう話ではなく、やはり実際のモデルが変わってきてしまっていますので、相当、今、問題だと私は思うのですよね、現状は。
 女性が働く、その働き方を制度が制約しているということなので、それをきちっと改めるということがまず重要で、それに時間がかかるというならば当面のこととしては是認するということで、全くそこが見えないままやっているというのは理解できないことです。

○次期衆院総選挙に向けた取組について

【読売新聞】
 衆院選の関係で伺いたい。冒頭、補正予算をつくる前の解散という言及もあったが、現時点で、国民民主党との党本部間での候補者調整の交渉というか、その現状はどうなっているかという点を教えていただきたいのと、福岡や岐阜では、県連単位、県独自の動きとして国民民主党と候補者の調整、すみ分けが合意されている例も出てきているが、こういった県連単位の動きをどう評価されているかお聞きしたい。

【幹事長】
 玉木さんは代表選挙のときに、それは調整していないと最初言われましたが、途中で少し言い方を変えましたよね。
 我々もいろいろな話はしていますので、全く話をせずに勝手に擁立をしているわけではありません。ただ、それはあまり表で出したくないということがもし国民民主党にあるのであれば、それも配慮しながら静かにやっていきたいと思います。

【読売新聞】
 玉木代表がそのような姿勢を取り続けているという現状の中で、福岡・岐阜などの各地域ごとの動きについては、むしろ党本部間がそういう状況であるならば地域間ではそういう独自の動きはあってしかるべきというか、推奨されるというか、そういったお考えか。

【幹事長】
 地域でいろいろな議論はしていますが、本部は全て掌握しております。

○国政補選に向けた取組について(1)

【読売新聞】
 関連して、共産党との関係だが、きのう小池書記局長が記者会見され、10月の衆参の補欠選挙について、広田さんと末次さんの支援を発表している。補選限定ということではあったが、成果が出ればさらに前進したいという趣旨の発言もあった。改めて立憲民主党として衆院選に向けた共産党との連携のあり方のお考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 共産党さんが独自に判断して支援を決められたということで、候補者、例えば広田さんがそれをどう受け止めているのかということは私は承知しておりません。
 ただ、やはり自民党に、与党の候補者に打ち勝っていくために、共産党が独自に支援してもらうというふうに決めていただいたことはありがたいと思います。

【読売新聞】
 この動きは次期衆院選にもつながるというお考えか。

【幹事長】
 それがつながるというか、従来から申し上げているように、与党の議席を一つでも減らすという共通の目的を持って、これは共産党さんだけではなく他の野党についても申し上げていることではありますが、お互いに連携する、力を合わせるということは大事なことだと思っています。

【産経新聞】
 先ほどの補選の関連で、国民民主党の玉木代表はきょうの会見で、もし補選の関連で共産党が一緒になってやるのであれば、その枠組みに加わることはないし、できないと言及された。こういった中で戦略をどう進めるお考えか、お聞きしたい。

【幹事長】
 玉木さんの発言をもう少し正確におっしゃっていただけますか。

【産経新聞】
 「最終的に党としての方針はまだ決めていないが、ただ、共産党と一緒にやるということは我々はあり得ないので、そこは共産党さんがもし一緒になってやるということであれば、その枠組みに加わることはないし、できないということです」と。

【幹事長】
 共産党さんは独自の判断で応援するというふうに発表されたのであって、一緒にやるというふうには言っておられませんし、枠組みというものがあるわけではございません。

【産経新聞】
 もう一つ、関連で恐縮だが、この補選をどのような位置づけとして党として戦っていくか、幹事長のお考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 非常に重要な補選だと思っております。
 もちろん、いずれも与党の議席だったわけで、そういう意味では非常に困難な道のりではありますが、しかし、長崎も高知・徳島も候補者がしっかり、長崎は自らの議席、比例の議席を捨てて臨む話でありますし、高知・徳島も広田さんが、無所属ではありますが、しばらく政治の世界から離れていた、それを地域のために日本のために頑張ろうという思いで立候補を決意してくれました。その思いにしっかり応えていかなければいけないと思っています。

○経済対策について(3)

【NHK】
 冒頭の経済対策の話に戻るが、経済対策のきょう総理が指示した中に、ちょっとかぶる部分もあるが、賃上げや戦略分野への国内投資を促す減税措置も含まれると指示していたが、そのことについてはどうお感じになるか。

【幹事長】
 具体的な、どういうことを考えておられるのか、ちょっとわかりませんので、何ともコメントはしにくい話です。
 ただ、賃上げを促進する、あるいは特定の半導体などについて投資を促進するということは、非常に重要であり、かつ、骨太方針でも言われていたことですよね。そこで来年度に向けて予算編成を、今、政府の中でやっている中で、重ねて出てきた。補正で特にやらなければいけないこと。ちょっとよくわからないところもありますね。

【NHK】
 関連で、財源のことについて伺いたい。今年度予算の予備費の活用が見込まれている中で、予備費、元々使途がコロナ対策だったが賃上げ促進にも使えるようにという見直しもきょう指示が出たが、その点について、この予備費のあり方ということも含めてどうお感じか。

【幹事長】
 ここは、コロナ・物価予備費の使途を変更し、こういった賃上げ促進に機動的に対応できるものへと見直しますというふうに書かれておられるわけですね。これはどういう意味なのだろうかと。
 だから、補正の財源として、その使い残したコロナ・物価予備費を使う、改めてそれを財源として収入として立てて使途を変更して補正予算をつくるということであれば、それは一つの考え方だろうと思います。そもそも過大過ぎたということは言えますが、予備費が。
 ただ、これがもしそういった補正、使途変更というものを、私はできないと思いますが、勝手にやって補正を経ずに使うということになれば、これは重大な問題だということになります。そういうことはあり得ないと思っています。

【NHK】
 最後になるが、予備費の活用も見込まれる対策をする中で、規模について、与党内から15兆円とか20兆円という規模について先に発言が出ている。財政状況も厳しい中で、この規模に走る与党内の意見をどのように捉えていらっしゃるか。

【幹事長】
 与党の中にもいろいろな議論はあるというふうには思いますが、財政状況が厳しいということは一つあります。
 もう一つは、先ほど言いましたように、今まで需給ギャップを埋めるために大きな規模が必要だと説明してきたはずが、需給ギャップがなくなっている状態でそんな大きなものをすれば、それは弊害も出てくるわけです。先ほど言った、物価を押し上げてしまうとか、そういうことにもなりかねないわけです。だから、結局、選挙のばらまきをやろうとしているだけかなと。その弊害は後でツケが全部回ってくると申し上げておきたいと思います。
 やはりめり張りをつけて、きちんと必要なものを必要なところに必要な予算をつけるということでなければ、何でもかんでもばらまけばいいというような発想は厳に慎むべきだと思います。

○自民・杉田議員「人権侵犯」認定について

【北海道新聞】
 話題変わり、自民党の杉田水脈議員について伺いたい。先日、アイヌ民族を侮辱した過去の投稿が、札幌法務局に人権侵犯と認定された。本日、自民党の茂木幹事長が、次期衆院選で杉田議員を公認するかどうかについて、資質などを踏まえて判断したいと述べたわけだが、現在、自民党内では杉田議員に対して厳しく責任を問う声であったり謝罪を促す様子というのは見られない。例えば杉田さんは弊紙の取材などに対しても、ご自身の過去の投稿が差別表現だったということを一貫して認めておられないわけだが、こういう自民党の対応や杉田議員の人権感覚についてはどのように見ているか。

【幹事長】
 2点申し上げたいと思いますが、杉田議員はしっかりと説明をして、そして、自らの発言を訂正するなり、あるいは取り消すなり、そのことは必要なことだと思います。それは杉田議員だけに委ねるのではなく、党としてしっかりそのことを指導し実現してもらいたいと思います。
 2番目は、その杉田議員は比例で当選しています。ですから、そういったけじめがつかないまま次の選挙でまた比例で候補者になるということになると、それは自民党そのものが同じ考え方を持っていると言われても仕方がないと思います。

○公設秘書と自治体議員の兼職について

【毎日新聞】
 秘書の兼職の件で伺いたい。きょう自民党の茂木幹事長が制度の見直しを含めて検討したいと会見で述べた。先ほど岡田幹事長は議論をしたほうがいいということだったが、立憲民主党としてはその議論の先に現在の制度を見直す必要はあるとお考えか。

【幹事長】
 今まで経緯のある話なので、しっかりとその経緯を踏まえつつ議論すべきだと思います。したがって、結論は先取りすべきではないと思いますが、ただ、公設秘書と地方自治体の議員というものを兼務することが、よほどの理由がない限り、ちょっと説明しにくいという議論もあります。私もそういう気はするわけです。そういうことも含めて、しっかり議論すべきだと思います。
 ただ、いろいろメディアで取り上げて、給料の二重取りだとか、いろいろと指摘を受けているので慌ててそれを取り消すような、そういう意見はあっていいとは思いますが、私は幹事長ですので、もう少しきちんと議論するということが重要だと思っております。

○大阪・関西万博について(1)

【朝日新聞】
 大阪万博の関係で一点だけ伺いたい。万博の建設費が上振れするということで、その上振れ分を誰がどう負担すべきなのかという議論があるかと思う。元々3分の2が大阪府と国とで税負担ということになるわけだが、今後の上振れ分についても大阪府・市のみで負担すべき、あるいは国も負担すべきと議論があるが、幹事長としてはどういうふうにお考えになるか。

【幹事長】
 これは、ことしの1月に安住国対委員長と私は維新に請われて現場に行きました。視察をした後、そこには副知事もおられましたし、協会関係者、幹部もおられました。私はあえて聞いたのです。いろいろ説明いただいたが、それは結構だが、予算の範囲内でできますね、と。「できます」と明確に答えられました。それがまだ1月のことですから、これだけ多額の増額が必要だというのは、あのときのことは一体何だったのだろうかという思いがしてならないわけです。
 誰が負担すべきかといえば、それはやはりまずは額を本当にそれだけたくさん必要とするのかどうかと。かつてはパビリオンの屋根の形を見直すとかいうことで圧縮したこともありましたよね。いろいろな工夫をする中で何とか予算の範囲内でできないのかということを、まずは努力すべきだと思います。それは維新が日頃強調されていることにもつながることではないかと思います。
 その上で、どうしてもそれではできないということになったときに、私は基本的にはやはり国ではなく大阪、それから大阪を中心とする経済界、そこが負担するのが本来ではないかと。国民にまで負担をお願いするということであれば、きちっと説明してもらいたいと思います。

○国政補選に向けた取組について(2)

【時事通信】
 質問が重なってしまって恐縮だが、補選について伺いたい。きょう役員会もあったが、差し支えない範囲で、どういった議論が行われたかご紹介いただきたいのと、この補選は内閣改造の直後かつ衆院解散の可能性もまだ指摘される中での補選になるが、改めて党の位置づけと、どう臨んでいくか、意気込みについて伺いたい。

【幹事長】
 先ほど大体述べたと思うのですが、非常に重要な補選ですので、しっかり勝利できるように全力で頑張りたいと思います。私も何日もまた地元には入る予定にしております。
 中でどういう話をしたかというのは、あまりお話しするようなことではないと思いますが、それぞれの役割をしっかり果たしていこうと。そして、議員の皆さんにも、自己完結型でなるべく入ってくださいということをお願いしたところです。

【時事通信】
 関連で、もう一問伺いたい。この補選、共産党が支援する意向を示しているのと、参院の補選のほうでは国民の県連も支援する意向を示している。今後の他党との連携のあり方だが、党幹部で並ぶとか、さまざまなやり方があると思うが、どのような他党との距離感とか関係性、連携をどうやって築いて臨んでいくかについてもお考えがあれば伺いたい。

【幹事長】
 地元で選対本部をつくっております。そこには連合も、それから国民民主党も入っていただいて、一緒にやっていく体制はできています。共産党さんはそこには入っておられません。それは独自の判断で応援するというふうにおっしゃっていただいていますから、そこは一線は画されているのですが、しかし、応援していただくのはありがたいことだと思っています。

○大阪・関西万博(2) 

【神奈川新聞】
 質問が大阪・関西万博に戻り、大阪・関西万博の2年後の2027年に横浜でまた万博、横浜国際園芸博覧会が開かれる。民間の建設現場では人手不足・資材高騰が続くと見込まれているが、この園芸博への影響。また、大阪・関西万博の現状を踏まえて、あるべき方向性。これについてどのようにお考えなのか教えていただきたい。

【幹事長】
 それは、まずは主催者側が現状を踏まえてしっかりと準備していただくということだと思います。

○「党内グループ活動」「インボイス」について

【フリーランス】
 直諫の会の出版会見を私は見られていないが、非民主党系のアピールだったということも伺った。その件について、幹事長が非民主党系というのをどのように捉えていらっしゃったか、どんなふうにご覧になったのか教えていただきたい。

【幹事長】
 我が党の中、いろいろな経緯があって、いろいろな党が合流したり、あるいは分かれたり、再統合したりということはありますが、立憲民主党は一つです。だから、私はそういう区別はしておりません。

【フリーランス】
 きのう首相が経済政策を発表した時間が、「STOP!インボイス」のキャンペーンがきのう行われたが、そのためにわざわざ元自民党衆議と税理士の皆さんが記者会見を構えた時間にちょうど合わさっていたということで、それを危惧して中途半端な形で経済政策を発表されたのではないかというふうにも取られている。インボイスという言葉に関しては何も触れられていなかったが、そういった国民の不安みたいなものを何とか抑えようというか、そういう感じで首相は発表されたと思われるか。インボイスという言葉が出なかったことについても、どんなふうに首相の中で気持ちが動いていると推察されたか教えていただきたい。

【幹事長】
 総理の頭の中はわかりませんし、どういう意図であの時間になったのかも、これは私は憶測で物を言えませんので、特にコメントはいたしません。