衆参両院で予算委員会の集中審議が12月8日に行われ、岸田総理との接点など旧統一教会問題について西村智奈美衆院議員、石橋通宏参院議員がそれぞれ取り上げました。
西村智奈美議員
西村議員は、立憲民主党などが臨時国会冒頭に提出した「旧統一教会財産保全法」に自民党などが反対した理由を岸田総理に質問。「私たちの法案がなくても、旧統一教会から被害者の皆さんへの補償が十分に行われるということでよろしいか」と岸田総理に質問しましたが、盛山正仁文部科学大臣は「法テラスの相談体制の拡充」をしていると長々と従来の答弁を繰り返しました。これに対し西村議員は「岸田総理への質問を妨害しないでいただきたい」と、小野寺五典予算委員長に求めました。
また、岸田総理が2019年にニュート・ギングリッチ元米下院議長と面談した際、旧統一教会の関連団体のトップらが同席していたとされる問題についても追及。「面談に至る経緯」を質問しましたが、岸田総理は「経緯を確認できる資料はない」との答弁を繰り返しました。そのため西村議員は、面談相手と交換した名刺が残っているか調べるよう求めました。これに対し岸田総理は、「一般論として、常識として、同行者がおられれば、名刺交換もあったかもしれない」と答弁しました。
最後に西村議員は、「旧統一教会の関連団体との面談だと認識していた事実が明らかになった場合は総理大臣を辞めるか」と岸田総理に迫りました。これに対し岸田総理は、「認識は間違いないということを説明することに尽きる」と述べるにとどめました。
石橋通宏議員
石橋議員は、岸田総理とギングリッチ元米下院議長らとの面談をめぐり、これまで旧統一教会とは一切ないと答弁してきた岸田総理と、この会合を設定したのは旧統一教会関連団体の「天宙平和連合(UPF)ジャパンだった」というギングリッチ元米下院議長との説明が全く違うことから、どちらが正しいのかと迫りました。岸田総理はこれには答えず、自民党関係者やさまざまな記録にあたったが面会に至るまでの経緯も確認されていないと強弁。石橋議員は「この面談について誰にどう聞いたのか、自民党でどう調査したのか、その結果を証拠として提出してもらいたい」と要請し、政治資金パーティー問題の件等も合わせて同委員会の集中審議、閉会中審査を行うよう求めました。
石橋議員はまた、異次元の少子化対策としての財源確保策として、政府が公表した社会保障分野での歳出改革の工程表を受け、「国民に実質負担は求めない」とするこれまでの岸田総理の発言とは異なり、高齢者世帯に大きな負担増を強いるものだと問題視しました。医療や介護を必要としている、とりわけ高齢世帯の負担増になることをしっかり説明し、国民に理解を求めるべきだと主張。昨年の防衛増税のように国会を閉じてから政府だけで決めることがないよう、国会の場できちんと提起し、審議をしてどうあるべきかを与野党挙げて議論すべきだと訴えました。