参院予算委員会で6月4日、令和8年度補正予算案に関する質疑が行われ、立憲民主党から徳永エリ議員、岸真紀子議員、塩村あやか議員が質疑に立ちました。

徳永エリ議員

 徳永議員は冒頭、1ドル160円台に迫る歴史的な円安が、輸入に依存する日本の物価高を招く大きな要因だと指摘しました。「円安を食い止めることが最大の物価高対策だ」と述べ、政府に実効性ある対応を強く求めました。

 補正予算案については、歳出の約97%が予備費であり、具体的な施策が見えないと批判しました。また「立憲民主党と中道改革連合、公明党の3党で、国会議員と地方議員が連携して全国のアンケートを集め、官房長官・副官房長官へ申し入れを行ったが反映されていなかった」と指摘しました。低所得者や子育て世帯への現金給付、医療・介護・障がい福祉分野への経営支援、農林水産業への価格高騰対策など、予算にひも付いた支援が必要だと訴えました。

 また、ナフサ由来の建材や部材の不足で建設業などが深刻な影響を受けているとして、「流通の目詰まり解消と中小企業支援の強化」を要求しました。雇用調整助成金の要件緩和や資金繰り支援、持続化給付金のような支援策の検討も求めました。

 農業分野では、肥料価格の高騰に対する国の支援を要請。メルコスール(南米南部共同市場)との経済連携をめぐっては、国内農業への影響や口蹄疫への水際対策をただしました。最後に、ペルシャ湾に滞留する日本関係船舶について、外国人船員を含む安全確保と早期解放に向けた外交努力を求めました。

20260605参院予算委員会 徳永エリ議員

岸真紀子議員

 岸議員は、週刊誌報道にあった、高市早苗総理の陣営が、自民党総裁選でライバル候補を中傷する動画を拡散していた疑いについて追及しました。

 まず、公設第一秘書と動画作成の中心人物とされる松井氏との間に、メッセージのやり取りやオンライン会議があったのではないかと質問。これに対し高市総理は「事実ではない」「私の陣営では誹謗中傷はしていない」と全面否定。また、報道についても「信用していない」と述べました。岸議員は、報道に出た個別のメッセージや音声、会議の有無を問いただしましたが、高市総理は「AIのような不自然さを感じた」「面識はない」などと答えるにとどまり、本人確認や接点の有無を明確に認めない答弁に終始しました。

 また、昨年12月11日のオンライン会議をめぐっても「回答内容は事実と違う」としつつ「ある団体からの誘いで参加したリモート会議は確認した」と述べ、説明は揺れました。岸議員は「接点がないという従来答弁と違うのではないか」と批判。さらに第三者調査を求めましたが、高市総理は応じず、質疑は終始かみ合わず、疑惑の解明は持ち越されました。

 次に、中東情勢の影響による資材不足について、ナフサや化学製品、医療・介護現場の資材、輸送や整備に必要な燃料・オイルなどについて政府が確保できていると説明しても、現場では先行き不安から生産や発注を抑える動きが出ていると指摘しました。これに対し政府側は、代替調達で一定の供給は回復し、年度を超えて継続可能だと説明しましたが、岸議員は「量の確保だけでは現場の不安は解消しない」と述べ、物価高対策や重点支援地方交付金、予備費の使い方も含め、より実態に即した支援が必要だと求めました。

20260605参院予算委員会 岸真紀子議員

塩村あやか議員

 中東情勢の悪化や円安を背景とする建設資材の高騰・不足について質問しました。塩村議員は、全建総連から緊急要請が出され、住宅建材や設備の価格高騰、一部資材の調達困難が現場で深刻化していると指摘。マンションの大規模修繕で足場を解体せざるを得ない事例もあるとして、補正予算に資材高騰対策を盛り込むよう求めました。また、雇用調整助成金の対象とならない一人親方や中小工務店について、貸付だけではコロナ禍の債務と重なるとして、生活実態に即した支援を求めました。

 さらに、円安による国民生活と中小企業への影響をただしました。財務大臣は、2026年1月から4月の円の実質実効為替レートの平均が、1995年平均より約62%減価した水準にあると答弁。塩村議員は、円の購買力低下が輸入資材や生活必需品の高騰につながっているとして「円安に頼り切った経済構造そのものを見直す時期に来ている」と訴えました。

 住まいと奨学金の問題では、東京23区の新築分譲マンション平均価格が1億円を超え、若い世代が変動金利ローンやペアローン、長期返済に依存せざるを得ない現状を指摘しました。また、有利子奨学金の平均返還年数が約17年に及ぶことを踏まえ「卒業後は奨学金、家庭を持てば住宅ローンという二重の長期債務に若者が置かれている」と述べ、奨学金返済の税額控除や利率引き下げの検討を求めました。最後に、更年期対策について、HRT(ホルモン補充療法)の継続管理には時間がかかるとして、診療報酬上の管理料創設を求めました。

20260605参院予算委員会 塩村あやか議員