参院文教科学委員会で12月19日、「国立大学法人法の一部を改正する法律案」に対する質疑が委員長職権で強行されました。蓮舫、宮口治子両参院議員が質疑に立ち、質疑後、宮口議員が反対討論を行い、蓮舫議員が16項目からなる附帯決議(添付参照)を提出し、可決されました。
20231212国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案).pdf
蓮舫議員
蓮舫議員は冒頭、岸田総理が「政治とカネ」の問題をめぐり「明日にも会見し、明後日にも内閣改造が行われる見通し」の中で、「政府が法案を国会に委ねられる状況なのか」と批判。さらに、文科委員長が職権で委員会の開会を強行に決定した手続きについて抗議しました。
その上で蓮舫議員は、法案の作成過程を疑問視し、政府が6月16日に閣議決定した「成長戦略等のためのフォローアップ」と本法案には「矛盾がある」と指摘。この間の経緯について、公文書に記録も残さず、(議事録が公開される)中央教育審議会への諮問もせずに、本法案で(10兆円ファンドの支援を受ける国際卓越研究大学だけでなく)「一定規模の国立大学」にまで、文科大臣により承認された委員で構成される「運営方針会議」の設置要件が拡大されたことを問題視しました。
さらに、国立大学を「稼ぐ大学」にすることで、たとえば調達した資金が債務不履行となった場合、学費の値上げや教職員の人員削減につながりかねないと指摘しました。
宮口治子議員
宮口議員は、国立大学法人は「すでに複雑な仕組みとなっている」と強調。さらに本法案で「運営方針会議」を設置すれば、「一層複雑になってしまう」と指摘しました。また、運営方針会議の委員に「大学の自治や学問の自由に対して理解のない者が選ばれる」ことへの懸念を表明しました。
その上で、国立大学は「法人化」されて以降、運営費交付金が減らされてきた実態を踏まえ、「大学では電気代の高騰を受けて教育研究活動に支障が出ている」と指摘。「大学が自由な発想で、教育研究活動を行っていけるよう、運営費交付金などの基盤的経費を抜本的に拡充していくことこそが必要だ」と求めました。