参院本会議で3月13日、「令和6年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案」に対する代表質問が行われ、野田国義参院議員が登壇しました。
野田議員は、導入されたインボイス制度での初めての確定申告について、「取引先を失うか、税負担を増やす課税事業者となるか、悩みに悩んだ末の苦渋の決断」と国民の思いを語り、一方で自民党の裏金問題が「キックバック」「中抜き」「使途不明」「解明は中途半端なまま」で、「国民には『納税』『増税』で、自民は『脱法』『脱税』」で「幕引きなど出来るはずもない」と批判しました。
野田議員は自身の市長時代に言及し、政治家の「倫理」とは「一体どうなっているのか?」という、「国民の怒り」を真摯に受け止めること」と述べ、「今回の自民党の異次元の裏金づくり問題をはじめ、一連の政治とカネの問題に真っ向から取り組む、絶好の改革のチャンス」と述べました。
野田議員は、本法案に関連して定額減税の実施について、「貯蓄志向が強い日本では効果が出にくい」「IMFが債務状況を悪化させる一方で、成長への影響は限定的だと疑問視」している点を指摘し、「巨額の財源をつぎ込む割に、減税の効果も乏しい」と述べました。
また、住民税は自治体の基幹税であることから、住民税を利用した定額減税は、「歳入の自治」に逆行すると述べました。
さらに、「賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するためというのなら、即効性が最優先されるべき」しかし「年金生活者は本年10月の減税、給与所得者の控除対象配偶者を除く同一生計配偶者の定額減税分は来年6月以降の実施」であり「即効性は全くない」と指摘しました。
「賃上げ促進税制」について、野田議員は、2023年の実質賃金は2.5%減と2年連続して減少し1990年以降で最低水準であること、企業の7割近くが赤字法人で法人関係税を納めていない中、黒字企業あるいは大企業だけが減税の恩恵を受けることになり、中小企業の労働者との間の賃金格差を拡大させることになりかねないと指摘し、「賃上げ促進税制」の効果を疑問視しました。
地方交付税法等の一部改正に関連して、 所得税の定額減税に伴う交付税の減収分7620億円について国費の補塡がないことについて、過去の国会答弁に触れ、「国の政策による減収分は、国費で補塡すべき」と述べました。
最後に野田議員は、「能登半島地震の復興支援に地方財政の面でも万全を期すとともに、従来の中央集権的なシステムから脱却し、分権、自治の花開く社会を目指し、人口減少時代に持続可能な地方税財政制度のあるべき姿を描いていかなければならない」と訴えました。