参院予算委員会で12月6日、「石破内閣の基本姿勢」に関する集中審議が行われ、徳永エリ、森本真治、小沼巧各議員が、石破総理をはじめ関係閣僚に対して質疑を行いました。
■徳永エリ議員
徳永議員は、(1)能登の復旧・復興支援(2)有害鳥獣被害対策(3)令和の米騒動(4)日米貿易協定——等について、石破内閣に質しました。
復旧・復興が進まない能登の現状について質問した徳永議員は、「震災から間もなく1年。9月には豪雨による甚大な被害も発生した。これまで国の支援の遅れが何度か指摘されてきた。補正予算の審議も始まるが、地元からは支援の加速化、強化が期待されている。期待をしていいのか」と質問。石破総理は、期待に応えるようにしたいと思っている。実感してもらえるようにしたい」と答えました。
徳永議員は、「地震と豪雨で農地が荒れてしまい、復旧・復興が遅れれば遅れるほど離農が増えていく。これは奥能登、石川県、ひいては日本農業全体の問題だ。スピード感を持って対応してほしい」と述べました。
有害鳥獣被害対策について徳永議員は、「クマやシカなどによる被害が増えている一方でハンターの高齢化が進んでいる。また報奨金も8千円と、命を懸けてやるにはあまりに安い。公的機関で対策をするなどしないといけない。とにかくしっかりと予算を付けて対策することが必要」と指摘しました。
令和の米騒動について、「米の価格が高騰しているというが、米の生産コストがすべて急騰している。いまは上がっているからと言っても、決して高騰ではない。ごはん一杯40円ほどで、パンやカップ麺よりも安い」と述べた上で、「適正価格とはいえ物価高で消費者の負担も大きい。立憲民主党は『緊急総合対策』の中で、米の価格上昇への対策を打ち出している。小売りや外食産業を一定期間支援し、まずは現在の価格が適正であるということを消費者に理解してもらう機会が必要だと思っている」との考えを示しました。
■森本真治議員
森本真治参院議員は、石破総理に対して、核兵器廃絶と核抑止論、介護崩壊等について質疑を行いました。
森本議員は、10日に日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞の授賞式が行われることに触れ、その意義を問いました。石破総理は、「被爆された方々が、いろいろな苦しみの中で、広島、長崎から世界に向けて発信を続けてきたことが、今回の授与につながった」と評価し、「日本政府として敬意を表し、その思いがこれから先に結実していくように」と述べました。
森本議員は、「核兵器のない世界の実現に向けて流れが加速する」ための具体的取り組みについて質問しました。
石破総理は、唯一の被爆国としての日本の役割について、NPT体制を基軸とし、「日本は、核兵器保有国とそうでない国をどうつないでいくか」「核を持った専制独裁国家に対する抑止力を持つことも、日本国政府の責任。どう両立させるか」等と述べました。
森本議員は、ノルウェーで被団協のノーベル平和賞受賞について、被団協の功績をしっかり子どもたちに教育する教材を配布しているとの報道を紹介し、日本でも広めるように求めました。石破総理は「文科省、防衛省などとよく相談します」と答えました。
森本議員は、核兵器禁止条約について、衆院選党首討論で石破総理が「オブザーバー参加を真剣に検討する」と発言したことに対して真意を問いました。石破総理は「オブザーバーで参加して、日本国としてどのような主張をするのか」「他のオブザーバー参加国がどのような議論をしているのか」等を検討すべきと認識していると答えました。森本議員が「参加することを前提に研究するという意味か」と問うたところ、石破総理は「趣旨はそれで結構」と答え、岩屋外務大臣も「仔細に検討中。核兵器のない世界に向けて、現実的で実践的、実効的な取り組みは何が適当か、予断を持つことなく検証していく。来年の3月に開催予定である核兵器禁止条約の会議を念頭においている」と述べました。
森本議員は、石破総理と、核抑止力についても議論した他、今の日本の介護崩壊についても質疑を行いました。
■小沼巧議員
小沼議員は、自民党が通常国会で改正政治資金規正法を成立させておきながら、なぜまた同法を再改正するのかと石破総理をただしました。また、通常国会で、同法改正の実務者であった公明党の中野洋昌国土交通大臣の認識についてもただしました。石破総理は「世の中の理解が得られていない」、中野大臣は「答弁は差し控えさせていただきます」と述べました。
また、小沼議員は、自民党の同法再改正案(要綱)についても疑問視し、政策活動費を「廃止」と言いながら、実は「単純な廃止ということではないようだ」と指摘。「要配慮支出」という規定を新たに設けることは、透明性や公開性から「外れる」ことになるのではないかと迫りました。
さらに、小沼議員は、自民党が再改正案で外国人によるパーティー券の購入を禁止にした理由を石破総理に問いました。これに対し石破総理は、政治や選挙が「外国の勢力によって影響」されることを排除できない旨の答弁をしました。この答弁を受け小沼議員は、そうでれあれば「企業・団体献金」による「経済的支援」も、「政策に影響を与えるのではないか」と石破総理に迫りました。