衆院政治倫理審査会が12月19日に開かれ、自民党の裏金問題について白石洋一、寺田学、三角創太、本庄知史各議員が質疑を行いました。
■白石議員が福田議員に対して質問
裏金問題に関連して、白石議員は、福田議員が昨年の11月まで知らなかったのかと確認しました。福田議員は「派閥のものが返ってくるという考えはなかった。還付があるという思いに至らなかった」、還付金の保管について「秘書が議員に確認せずに勝手に銀行口座に収めていた」等と答えました。
また、2020年5月に還付の中止の話を各派閥幹部が各議員に連絡したとされる件について、福田議員は、議員個人としても、事務所としても「受けていない」と答えました。
還付金について、白石議員は「納税しない限りは問題をひきずる」と指摘し、「売上超過分の還付を納税したほうがよいのでは」と福田議員に求めました。福田議員は、「納税対象かは分からない。清和政策研究会に返金した」と答えました。白石議員は「せめて、税務署に問い合わせて、納税の要否を確認すべき」と改めて要求しました。
■寺田議員が宮内議員に対して質問
寺田議員は、宮内議員に対し、「二階派でのノルマの設定について、派閥の誰が行っていたのか。他に誰が知っていたのか」と質しましたが、宮内議員は「どういう形で設定されたのか記憶にない。誰がノルマを割り振っていたのかも知らない」と答弁しました。
さらに寺田議員は、不記載となっていた161万円について、「二階派では、安倍派のように不記載にするようにとの指示はなかった。同じ二階派の議員でもちゃんと収支報告書に記載している議員がいるのに、なぜ宮内議員の事務所は記載しなかったのか。記載しておけば問題はなかったのではないか」と再三問いただしましたが、宮内議員は、「過去にノルマ未達成があったことを心配した秘書の判断で現金で保管していた」などという答弁を繰り返し、肝心のなぜ記載しなかったのかについての答弁はありませんでした。
■三角議員が宮下議員に対して質問
自民党・宮下一郎衆議院議員が代表を務める政治団体でいわゆるパーティー券収入が不記載であったことについて弁明。三角議員の質問に対し、個人的な流用ではないと強調しました。
パーティー券の購入額が20万円を超える場合に収支報告書への記載が義務付けられていますが、新たに発覚した2023年のパーティー券30万円分が記載されていない件についても、三角議員は指摘。宮下議員は事務局の不注意によるものだったと説明しました。
■本庄議員が簗議員に対して質問
本庄議員は、令和3年度の簗議員の政治資金収支報告書について7月26日以降が訂正されていることに触れ、この年度の還付金である421万円は7月26日以前に入金をされたのか質問をしました。簗議員は、「検察の同意のもとで修正を行っている。刑事告発についても不起訴となっているので司法の判断としてそのような結論が出ている」と説明。本庄議員は、「苦しいですよね」と指摘し、その年の12月に開催したパーティーの還付金はいつ入ってきたのかを質問。質問に明確に答えない簗議員に対し「7月26日以降全部修正ですよ。それ以前に還付金が入ってきたということでないと、還付金を原資にして寄付をしていたという説明は成り立たない。その前年は1月20日以降全部削除している。1月の段階で還付金が入ってきたので、実は充てていたという説明でないと成り立たない」と追及しました。簗議員は「検察とのやり取りの中で、このような修正をということで確認してもらってこうなっている」と答えました。本庄議員は、「実態は、還付金は還付金として何かに使いつつ、自分のお金を使っていたと外形上見える」と指摘し、「検察ではなくてご自身から説明してほしい」と強く求めました。