衆院予算委員会で3月3日、集中審議が行われ立憲民主党から後藤祐一、渡辺創、黒岩宇洋、早稲田ゆき、藤岡たかお各衆院議員が質疑を行いました。

■後藤祐一議員

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 後藤議員は、冒頭、岩手県大船渡市の大規模な山林火災について、被害者の方に哀悼の意を示し、鎮圧の見通し、被災者支援について政府の姿勢を問いました。
 石破総理は「極寒の季節、避難所の皆様に政府はわかっていると感じられるよう」「食事、衛生面、病弱の方々にこれまでにない対応をしていく」と述べました。

 後藤議員は、ガソリン暫定税率廃止について、昨年12月の自公国3党合意に廃止すると明記されていることを指摘し、各修正案提出者に修正の趣旨を問いました。
 与党修正案提出者は、廃止について「大きな影響が出るので慎重な検討が必要」「今後も議論していきたい」「諸課題の丁寧な調整を図っていく。しっかり丁寧な議論を進めていくべき」と述べるにとどまりました。

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 重徳和彦立憲民主党案提出者「3党合意に明記してあり、あとは時期が問題。立憲民主党の修正案は令和7年4月から廃止と明記している。予算の修正案も提出している。財源もしっかり確保している。恒久財源についても税法の修正案を提案しているので、恒久的に確保できるよう法案を提出している。地方の減収にも配慮しており、補てんをパッケージとしている」「ガソリン高騰で国民生活が圧迫されている。廃止するなら今でしょう」と可決に向けて各党に協力を求めました。

■渡辺創議員

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 渡辺創議員は、(1)農林水産行政(「農林中金の巨額赤字」「備蓄米の放出」)(2)教育無償化(「高校無償化」「定時制通信制高校の支援」)――について取り上げ、政府および立憲民主党、自民・公明両党の修正案提出者の見解を求めました。

 高校の無償化については、「立憲民主党も同じような提案をしている。高校授業料の実質無償化は民主党政権時に着手してきた政策だ。高校での教育を安定的に充実させ、家計の負担を抑えながら進めることには強いこだわりを持っている」と述べた上で、今回の自公修正案および自公維合意文書から読み取れる高校無償化の内容について、立憲民主党の見解を尋ねました。

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 城井崇議員は、「与党修正案には、これまで立憲民主党が求めてきた高校無償化の拡充の政策の一部が含まれていることは評価したい」とした上で、「所得制限の撤廃だけではなく、私立高校の加算の引上げ、所得制限の撤廃も十分に令和7年度中に実施できる工夫はある」「公立高校の支援、公立高校の魅力向上に向けて取り組みが必要。立憲民主党は、670億円の施設整備費の追加が必要だという提案をした。公教育の機会確保へもっと支援を充実すべき」などと答えました。

 また、定時制・通信制高校の支援をめぐり、高校生全体319万7008名のうち定時制高校2.3%(7万2347名)と通信制高校の生徒9.1%(29万87名)とあわせて11.4%を占めている(令和6年)にもかわらず、現状の学び直し支援金は、そうした定時制・通信制高校の生徒の実態に適していないと指摘。「定時制通信制で学ぶ高校は、今の教育界のいろいろな現状を反映し、少子化のなかでが増えている。多様な状況を抱えながら在籍する生徒も少ないことを踏まえれば、学年をやり直すことが珍しくない。教育無償化の充実を図るというタイミングにこの問題も一緒に解決・改善させるべきではないか」と主張しました。

■黒岩たかひろ議員

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 質問に立った黒岩議員は、「自民党の裏金問題等」「農業政策」について政府の見解を質しました。

 「自民党の裏金問題等」については、「来る参院選でも、自民党は裏金を貰った議員を公認するのか」などと、石破総理・総裁に厳しく質問しました。

 「農業政策」については、日本の農業所得が海外に比べて著しく低く、下落を続けているとして、農家の所得向上を図るように石破総理に迫りました。

■早稲田ゆき議員

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 早稲田議員は、高額療養費制度について、「政府は、令和7年に10%の引き上げ、経済、物価の状況を見て上がり分で実施する。そもそも物価高騰であるならば、これこそ下げるべきである。なぜ引き上げの理由になるのか理解ができない」と指摘しました。
 「2月28日の予算委員会において野田佳彦代表の質問に対して、『再検討』と言う言葉が出てきた」とし、再検討の中身を問いましたが、厚生労働省からは、再検討の方向性についても「改めて方針を検討する。現時点では答えられない」と明確な答弁がありませんでした。

 立憲民主党修正案の提出者に、同制度の自己負担の引き上げの凍結の趣旨について問いました。
 

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 中島克仁衆院議員は、同制度について「我が国の利用のセーフティーネット、最後の砦。命の問題である」とその重要性を改めて指摘。そして政府の見直し案の大きな問題点として2つ指摘しました。1点目は、引き上げ幅の問題として「最大73%の引き上げになる。審議会では最大で15%と説明しており、審議会だけでなく国民の皆様を欺いている」と述べました。2点目として「高額療養制度の見直しは、昨年の骨太方針でも、8月の概算要求でも明らかになっていなかった。突然11月にたった4回の審議で決まった。当事者であるがん患者さんの声を聴く場もなく、明らかに手続きの瑕疵がある」と訴えました。「内容にも手続きにも問題がある。再検討、「一部凍結といった中途半端な方策ではなく一旦全面凍結すべき」と党の主張を強調しました。

■藤岡たかお議員

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 藤岡議員は、(1)政府提出令和7年度予算案などの与党修正案(2)立憲民主党の恒久財源案(3)基金の3年ルールの既存基金への適用など(4)個別基金及び一般予備費の財源化--等について中島克仁議員、階猛議員はじめ石破総理や自民党、公明党の法案提出者に質問しました。

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 階猛衆院議員は、基金の積み過ぎについて「政府にも3年ルールで試算をお願いしたところ8.1兆円になる。私どもの修正案3.8兆円のうち基金の積み過ぎをあてる分は2.7兆円にとどまっている。残りの5兆円以上も不断の見直しをし令和8年度以降の財源として使わないといけない」と述べました。そのうえで、与党の修正案によって借金が増えている懸念があり、今は長期金利が1%を超えていることに触れ、「8兆円の基金の積み過ぎがあると金利1%だけで800億円の年間の利払いが発生する。こうしたことを食い止めないとわれわれの政策は実現できないし、何よりも国民の貴重な税金が無駄になるのでしっかりと基金の見直しにつとめる」と強調しました。