立憲民主党は6月18日、「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法の一部を改正する法律案」(通称:騒特法改正案)を衆院に提出しました。本法案は、特定空港周辺における生活環境の保全と住民支援の強化を目的としており、現行制度では十分に対応できていなかった地域への対策を制度的に整えるものです。

 成田空港周辺では、かつて補償を受けたものの、農業や事業を継続している住民が多く暮らしています。また、滑走路の延伸などにより新たに騒音の影響を受ける地域が生まれています。こうした実態を踏まえ、本法案では空港設置者による該当土地の買い取りや管理制度の検討を政府に求めるとともに、「谷間地域」と呼ばれる対応が及んでいない地域に対し、国土交通大臣による影響調査と、都道府県知事への通知を義務づけています。

 さらに、知事が必要に応じて基本方針の見直し等を行える仕組みを整え、柔軟で実効性ある制度運用を可能とする内容となっています。法案は、公布の日から施行される予定です。

 法案提出後の記者会見では、筆頭提出者の谷田川元衆院議員が、「成田空港の滑走路延伸により補償から漏れた住民が不利益を被っており、現行制度では救済できない問題がある。今回の改正で、対象から漏れていた地域にも支援の手を届かせたい」と強調しました。

 小宮山泰子衆院議員は、「成田空港は国際的な窓口であり物流拠点としても重要な役割を担っている。地域住民との協調が空港の発展に不可欠であり、今回の法案提出は制度の不備を是正し、地域と空港の共生を図るための第一歩」と語りました。

 現地調査に同行した城井崇衆院議員は、成田市の小泉市長や影響地域の住民からの聞き取りを踏まえ、「現場では法律に明記されていないことが対応の障壁になっており、必要な措置を法律に書き込む必要性を痛感した」と述べ、立法府として責任を持った対応の重要性を訴えました。

 また、森山浩行衆院議員も、「制度の狭間に取り残された住民の声を重く受け止め、今回の法案は現実に即した必要な対応である」と、法整備の意義を強調しました。

 本法案の提出者は、谷田川元(筆頭提出者)、小宮山泰子、城井崇、森山浩行、神津たけしの各衆院議員。社民党の新垣邦男衆院議員も賛同者として名を連ねています。

 立憲民主党はこれまでも、空港の発展と地域住民の安心・安全の両立に向けた政策提案を積み重ねてきました。今回の法案提出も、現場の実情や住民の声に耳を傾けた、具体的かつ実効性のある改善策の一環です。今後も、持続可能な空港政策の実現に向けて、当事者に寄り添いながら、必要な制度整備に取り組んでまいります。

騒特法条文.pdf
騒特法新旧.pdf
騒特法要綱.pdf

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