安住淳幹事長は12月23日、国会内で記者会見を行い、(1)広島3区をめぐる発言(2)税制・財政運営と特例公債法(3)副首都構想・選挙制度改革(4)選択的夫婦別姓(5)原発政策――などについて発言しました。

(1)広島3区をめぐる発言

 安住幹事長は、前日22日に野田佳彦代表が公明党の斉藤代表の地元である広島3区について、党の擁立を見送る可能性に言及した発言について、「役員会の場で代表から『不適切な発言だった』との説明とお詫びがあった」と明らかにしました。その上で、公明党との関係については「公明党は政権与党を離れ、野党として中道勢力の結集を掲げている。来年以降、立ち位置は近くなる」と述べ、国会運営などで連携できる分野があれば協力していく考えを示しました。「立憲民主党は高市政権に代わる受け皿として毅然と立つ。公明党に限らず、考えを同じくする勢力とは連携していきたい」と語りました。

(2)税制・財政運営と特例公債法

 税制改正や国会戦略について問われた安住幹事長は、「年明けにじっくり考えたい」とした上で、特例公債法をめぐる議論について自身の経験を踏まえて言及しました。財務大臣時代を振り返り、「特例公債法を政局の道具にすることが、日本にとって決して良いことではないと痛感した」と述べ、現在の5年ごとの改正制度についても「政府に一方的に委任した結果、積極財政・放漫財政に歯止めがかからなくなっている」と指摘しました。「5年に1回で本当に十分なのかを、党としてきちんと議論した上で結論を出したい。要求が通れば賛成するような安易な態度は取らない」と強調しました。

 また、来年度当初予算案が過去最大規模となる見通しについては、「補正予算で国債発行のタガが外れたのではないか」と懸念を表明。長期金利上昇や円安進行による影響に触れ、「財政破綻や通貨価値の下落は、年金生活者や低所得者に最も深刻な打撃を与える。予算委員会で正当性を厳しく問う」と述べました。

(3) 副首都構想・選挙制度改革

 副首都構想をめぐる議論について安住幹事長は、「首都機能移転は何十年もかけて議論してきた重いテーマであり、連立合意のために安易に扱うべきではない」と批判しました。特定の地域や政党の都合で進められる構想には「断固反対する」と述べました。

 また、選挙制度をめぐっては、多党化が指摘される現状について「小選挙区制の下では、実態として8割近くが2大勢力に集約されている」と説明。「自民党に代わる政権を小選挙区で争うことができるのは立憲民主党しかない」とし、野党第1党としての責任を強調しました。

 制度改革については「30年を経た制度を検証することは必要だが、十分な総括なしに壊すべきではない」と述べ、衆院の議会制度協議会で時間をかけて議論すべきだとしました。

(4) 選択的夫婦別姓

 選択的夫婦別姓をめぐり、安住幹事長は「通称使用の法制化には反対」と明言。「結婚のたびに名前の問題で若い人を悩ませるべきではない。世界水準に合わせ、別姓を選択できる制度こそ現実的だ」と述べました。その上で、「選択できる社会こそ中道であり、押し付けは保守ではなく国家主義的だ」と語り、来年はこの問題で正面から論戦を挑む考えを示しました。

(5)原発政策

 原発政策については、リプレース(建て替え)をめぐり「新増設には否定的だが、安全性が高まるのであれば一定の理解はあり得る」と説明。一方で、運転期間の長期化などの課題も踏まえ、「専門家を交えた議論を経て、党としての基本方針を整理したい」と述べました。