衆院本会議において6月20日、「ガソリン暫定税率廃止法案」の採決が行われ、長谷川嘉一衆院議員が賛成討論を行いました。討論終結後に行われた採決の結果、「ガソリン暫定税率廃止法案」は野党側の賛成多数で可決し参院に送付されました。以下、長谷川議員の討論の予定原稿です。

■長谷川嘉一衆院議員

 立憲民主党の長谷川嘉一です。会派を代表いたしまして議題となりました「租税特別措置法および東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆる「ガソリン暫定税率廃止法案」に賛成の立場で討論を致します。

 日本の物価は3年連続で2%を大きく上回っています。消費者物価指数は6ヶ月連続で4%近くになっています。特に、エネルギーと食料品の物価が高騰しており、家計を圧迫しています。立憲民主党は、国民の切実な声に応えるべく、エネルギー価格高騰に対してガソリン価格を引き下げるために「ガソリン暫定税率廃止法案」を野党7党共同で提出しました。

 自民党からは、本日で実質的に会期末であるのに充実した審議ができない、可決成立の見込みもないのになぜ法案を提出したのか理解できない、との意見がありました。

 私たちは、財務金融委員会において今通常国会では8本もの内閣提出法案の審議に協力してきました。それらを全て終えた後、先週から議員提案のガソリン暫定税率廃止法案の審議を求めてきましたが、審議入りを拒否していたのは自民党であり自民党の委員長でした。委員長が交代して審議入りしたとたんに自民党が参考人招致を含めて充実審議を求めるのは支離滅裂です。特に与党2時間半を含む3時間の質疑は、重要広範議案ではない内閣提出法案と比較しても遜色ない審議です。

 そもそも、ガソリンの暫定税率については、昨年12月11日には、自民党・公明党は国民民主党とともに3党の幹事長がガソリン暫定税率の廃止で合意したと承知しています。私たち立憲民主党は、令和7年度予算及び税制改正法案の審議の際に、ガソリン暫定税率の廃止を修正案として提案しました。また、3月以降、自民党・公明党は日本維新の会と協議を続けてきたと承知しています。自民党と公明党は昨年からガソリン暫定税率廃止を約束しておきながら、今になっても実現できないのは何故でしょうか。ヤル気がないのか、政策実現能力がないのか、これら両方なのでしょうか?

 今回の法案でガソリン暫定税率廃止にかかる様々な課題をクリアする政策を野党が共同で提案しました。自民党と公明党が本当にガソリン暫定税率を廃止するつもりがあるならば、是非、賛成いただきたい。自民党と公明党に賛成いただければ、参議院も含めてこの通常国会で可決成立させることができます。ともに、力を合わせて物価高に苦しむ国民の暮らしを支えようではありませんか!

 自民党からは、関係者の意見を十分に聞いたのか?関係省庁、地方自治体、業界団体の意見はどうだったのか?との質問がありました。しかし、ガソリン税の一番の関係者はガソリンを購入する国民です。国民の多くは、特に公共交通機関が必ずしも十分ではない地方においては自動車に依存しており、ガソリン価格の高騰は家計を圧迫して辛いとの意見をたくさん聞いております。したがって、50年以上も続いた「当分の間」の税率を廃止することこそ、一番の関係者の意見ではないでしょうか。

 私たちは、その他の関係者の意見も十分に聞いています。現場のガソリンを販売している事業者からは、ガソリン税の変更は手間ではあるものの、1回限りの税率変更であれば対応できると聞いています。確かに、過去にはガソリン暫定税率が一旦は失効したもののその後、すぐに再度引き上げられることとなりましたので、現場の事業者の負担は大きかったものと承知していますし、消費者についても税率引き下げ直前の買い控えなど一定の混乱があったと承知していますが、今回は暫定税率を廃止するという1回限りのものです。加えて、過去の経験を踏まえて、ガソリン暫定税率廃止に伴う販売事業者において生じうる損失についても補助金で手当てするなどの対策を講じることとしていることから、過去のような負担や混乱は想定されないものと考えます。

 その他、自民党からは財源についても質問がありました。そもそも政府与党はこれまでも財源を手当てせずに様々な政策を打ち出してきました。自民党は、自民党の政策のためには財源は確保する必要はないが、野党が政策を提案すると途端に「財源は何か?」と言い出します。ご都合主義で支離滅裂といわざるをえません。

 その上でガソリン暫定税率廃止に伴う減収は今年度については7月からの実施であり約8,000億円を見込んでいますが、政府与党が見込んでいる2024年度の税収上振れ分などで十分に対応可能です。

 以上、申し上げた通り、物価高から国民生活を守るためにガソリン暫定税率を速やかに廃止することが必要であり、本法案の私の賛成討論といたします。議員各位の賛同をよろしくお願い申し上げます。

 ご清聴ありがとうございました。   以上



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