野田佳彦代表は7月30日、新潟県上越市を訪れ、高温・少雨で被害が出ている水田や貯水量が減少しているダムの視察、農業・商業関係者との意見交換を行いました。今回の視察には、地元の自治体議員、梅谷守衆院議員、森ゆうこ、打越さく良両参院議員も参加しました。

 水田視察では「有限会社グリーンファーム清里」を訪れ、上越市の担当者、同社の保坂一八社長から説明を受けました。その中で市の担当者からは「上越市では6月中旬以降、非常に高温状態が続いている。さらに6月下旬からほとんど雨が降っていないため、冬場に使う消雪用井戸を開放して水を供給している」などの説明がありました。保坂社長からは「田面にひび割れが出て、稲の立ち枯れが始まっている。今が稲の一生の中で最も水を必要とする時期。水がなければ、もろにダメージを受ける」と、切実な声が寄せられました。

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 ダムの渇水対策の視察のため正善寺ダムを訪れた野田代表は、上越市のガス水道局の担当者から現状について説明を受けました。その中で貯水量減少の原因として、「水圧管路の破断事故があったことと、平年7月の降雨量は200mm程度だが、今年は1mmしかなかった。その結果、現在の貯水率は13%で、1週間前までは1日当たり1%減少していた。市民の皆さんに節水をお願いした結果、昨日、一昨日はその減少を約半分程度に抑えられることができた」との説明がありました。

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 農業・商業関係者との意見交換では、JAえちご上越、上越商工会議所から現状についての説明はありました。JAえちご上越の山岸正彦理事長からは「中山間地を中心に、見るも切ない状況が出ている。このまま推移すると、令和5年の被害を超えることになる。生産者の生産意欲が衰えることがないよう、ご協力、ご支援をお願いしたい」と要望がありました。また、上越商工会議所の川上宏専務理事からは「生産活動・事業活動が継続できるのかと非常に懸念している。8月17日までは断水を回避できるが、断水となれば事業継続や雇用に大きな影響が出る。お力添えをいただきたい」と訴えがありました。

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 視察終了後に記者団の取材に応じた野田代表は、県連の皆さんと視察を行ったことに「あらめて現場を目の当たりにし、深刻な状況を把握することができた」と述べました。その上で、「水田で農業者から、『お天道様が相手の仕事だ』という話があった。だからこそ今回のような厳しい気象条件の中で農業を続けていくために、われわれが主張してきた『農地に着目をした直接支払い制度』を必ず実現しなければならないという思いを強くした」と語りました。さらに、「資金繰りの問題や雇用調整金の拡充など、制度的に国として後押ししていかなければならないことも出てくる。県連とよく相談しながら対応していきたい」と述べました。