野田佳彦代表は8月6日、被爆から80年を迎える平和記念公園（広島市）で開催された「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式（平和記念式典）」に参列しました。米国による原爆投下時刻の午前8時15分に黙とうし、一日も早い核廃絶と世界の恒久平和の実現を誓いました。式典後、「動員学徒慰霊塔」を東克哉衆院議員、森本真治参院議員らとともに訪れ、献花しました。

　その後、野田代表らは原爆養護ホーム「神田山やすらぎ園」（広島市東区）を慰問。同園では被爆体験を小中高生に継承する平和学習にも取り組んでいますが、語り部を担える入居者が年々減少しています。被爆から80年となった今年は、市内の他の原爆養護ホームと協力し、入居者の被爆体験記「紙碑」第9集を刊行。「紙碑」は公益財団法人広島原爆被爆者援護事業団のホームページに掲載するとともに、平和記念資料館にも寄贈されました。

　入居者へのあいさつに立った野田代表は、「被爆の実相を伝えることは、被爆で犠牲になられた方に哀悼の誠を尽くすことと、もう一方で忘れてはいけないのは、今もなお被爆の後遺症で苦しんで生活をされている皆さんもたくさんいらっしゃるということ。そのことを決して忘れてはいけないと、今日（養護）ホームに来て改めて実感することができた」と話しました。

　視察後、記者団の取材に応じた野田代表は、被爆80年の式典に出席したことや核兵器廃絶への思いを問われ、「改めて身の引き締まる思いがした。去年から今年にかけ、残念ながら歴史の事実を踏まえない、風化させるような発言が内外ともにあって、核廃絶からは後退するような世界の動きになっている時に、改めて核廃絶に向けた決意を固め、メッセージを内外に発信しなければいけないと強く感じる」と応答。

　また核兵器禁止条約について、「締約国会議には1回目から立憲民主党の議員を出している。本当は政府がやるべきことを議員外交、党外交で補っているが、政府も早く重い腰を上げてオブザーバー参加すべきであると思う。この点についても厳しく指摘していきたい」と述べました。