立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党の野党4党は10月7日、国会内で、ガソリン暫定税率廃止に関する協議を行いました。この協議は、先日、自民党の新総裁が誕生したことを受けて、この間停滞していた与野党協議の早期再開をはじめ、ガソリン暫定税率廃止に向けた今後の対応方針について確認をするために開かれたもので、立憲民主党からは、重徳和彦税制調査会長が出席しました。

 協議終了後、記者団の取材に応じた重徳税調会長は「自民党は党内政局を3か月も続けてきたが、ようやく総裁が決まったわけだから、スピード感を持って、ただちに暫定税率の廃止に向けた与野党合意を決めてもらいたい。10月1日には、自公立の筆頭間協議で、臨時国会冒頭で法案を成立させることまで決めたので、これはしっかりと新執行部にも引き継いでもらわなければならない。与野党協議の早期再開を強く求めていきたい」と述べました。

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2025(令和7)年10月7日(火)
ガソリン暫定税率廃止に関する野党4党協議(16:00~)終了後 ぶら下がり

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 今日は、ガソリンなどの暫定税率の廃止に向けた、いわゆる与野党6党協議の中の野党4党で集まっていただきまして、これからの進め方を念頭に協議をさせていただきました。これまで、参議院選挙が終わって、自民党は党内政局を、3か月に及ぶ長い宴をずっと続けてきましたが、ようやくここで総裁が決まったわけですから、スピード感を持って、直ちに暫定税率の廃止に向けた与野党の合意を決めて、そして補助金を追加投入し、ガソリン税、そして軽油引取税の暫定税率廃止に向けて、まずは補助金でガソリン・軽油の値段を引き下げること、これに取り組める状況を直ちに作ってもらいたいと、こういうことを改めて与党側に対して強く求めたいと考えております。
 自民党の総裁選の各候補者5人の皆さんは、全員、異口同音に暫定税率の早期廃止を訴えておられました。とりわけ高市総裁は、当選後も、正確には分かりませんけれども、軽油引取税については自分だけが訴えていたということまでおっしゃっていますので、これは自らの言葉にしっかりと責任を持っていただかなければならないと思っております。既に自民党の人事の調整などが何となくぐずぐずと立ち遅れているようにも見えます。そして、特に与野党協議の我々にとってのカウンターパートであります自民党の税調会長に、次どなたがなるのかということも、宮沢さんが辞められるとの報道も聞いておりますので、ここはきちんと引き継がれるかどうかも定かでない状況であります。これは与野党6党の信頼関係に基づいて協議を進めてきたわけでありますので、これは様々、与党側の、特に財源についての考え方を示すようにというのは、向こうに、球は自民党にあるわけですから、いつまでも政局に明け暮れることなく、総裁が決まったんですから、そろそろ、物価高対策、国民の皆さんの生活に目を向ける政権与党であるべきではないかと、私はそう思います。したがって、6党の協議の早期再開を強く求めてまいりたいと思っております。
 そして、10月1日に、自公立の、いわば筆頭間協議のような形で、今後の進め方についても、法案を修正する形で、そして、臨時国会の冒頭でこれを成立させるというところまで決めたわけでありますので、これはしっかりと新執行部に引き継いでいただかなければなりません。これは本当に与野党の信義に基づく協議でありますので、国民生活をしっかりと考えて、自民党は早期に再スタートしていただきたいというふうに強く申し上げて、私からの冒頭のコメントとさせていただきます。

〈維新〉 斎藤アレックス・政務調査会長
 かなり重なりますけれども、これまで参議院選挙後、ずっと政治空白が続いてきて、物価高で生活が苦しいという一票一票が重なった参議院選挙であったにもかかわらず、対策が全く進んでいないということですので、今、政権の枠組みがどうなるか分からないということを自民党はおっしゃるかもしれませんけれども、それも関係ないと思っております。政府は存在して、総理大臣も一応、石破総理大臣、いるわけですから、政府とも連携しながら、新総裁がリーダーシップをとって、税制調査会長を早く決めて、そして協議を早急に進めなければ、年内に廃止をすると言っているこの合意が反故にされる危険性もあると思っていますので、自民党に物価高対策をする気があるのかないのか、そういったことは問われると思いますので、政権の枠組み如何に関わらず、早急に協議を再開をするということを我々として求めるということでございますので、そういうことをしっかりと自民党としても受け止めていただきたいと思っております。以上でございます。

〈国民〉 浜口誠・政務調査会長
 今回のガソリンと軽油の暫定税率廃止については、これまで5回の協議を重ねてきておりますが、まだ明確な日付が入っていないということです。総裁選もあって、この協議が9月の頭から停滞しているというのは極めて由々しき状況だというふうに思っています。早期にこの6党協議を再開していくというのが責任ある与野党の対応だというふうに思っておりますので、冒頭、重徳税調会長からお話があったように、我々としては協議の再開を与党側には強く求めていきたいと思いますし、また、高市新総裁は積極財政派らしく、税収の上振れ分とか基金の残高を使ってやればいいんじゃないかと明確におっしゃっているというふうに聞いていますので、まさに有言実行、総理になるかどうか分かりませんけれども、総裁として有言実行して、ガソリンと軽油の暫定税率廃止、早期に与野党合意に基づいて、我々は11月1日の法案を提出していますので、引き続きこの法案の成立に向けて与野党が連携して取り組んでいきたいというふうに思っております。私からは以上です。

〈共産〉 山添拓・政策委員長
 今日は辰巳議員が国会の委員会の派遣のために代理で私が出席をしています。ガソリン暫定税率の廃止については、7月30日の6党の国対委員長の合意でも、年内のできるだけ早い時期にということで確認をしてきているものですので、自民党の執行部が交代するという事情があったとしても、公党間の6党間の合意として速やかに進めていく必要があり、6党の協議はなるべく早く再開をすべきだと思います。
 そして、暫定税率廃止に伴って財源をどう確保するのかということがこれまで焦点となってきましたが、1つは、総裁選で5人の方がいずれも暫定税率廃止については掲げられ、その際どういう財源を用意するのかということを具体的に論じられているのは中々耳にした覚えがありませんけれども、いずれにしてもそれを掲げて新たな総裁が選ばれたわけですから、今度は、今、財源をどうするかというボールは与党側にあるということを先ほど4党間でも議論しておりました。示していただきたいと思いますし、私どもは、法人税減税の見直しや金融所得課税の見直しなど財源を具体的に提案してきましたが、今度は与党側からきちんと示していただいて、一刻も早く実現できるように進めるよう求めたいと思います。


<記者との質疑応答>
記者
 宮沢税調会長が交代するとの報道に言及もありましたけれども、先日、重徳税調会長は自公の実務者と打ち合わせもしていたと思います。この交代が前向きになるのか、それとも協議を続けてきた実務者がいらっしゃるので、マイナスとなるのか、お伺いします。

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 総裁が変わることを前提に、総裁が変わったとしてもきちんと引き継いでこの協議を進めるということで、先日、自公と協議を行ったところでありますので、その他の体制がどう変わろうと、これはスピード感を持って対処していくというのは当然のことだと思います。

記者
 自民党から正式に、変わりますとか、実務者は引き続き税調会長ですとか、何らかの説明はありましたか。

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 何もありません。私も宮沢さんが変わられるのではないかという報道を目にしただけで、何もそこは前提しているわけではありません。どういう体制であれ、これをしっかり引き継いでいただかなければならないと思っています。

記者
 高市さんが廃止の時期について、来年ちょっと先になるとおっしゃっていましたけれども、今年中に補助金で深掘りするようにしたとしても、そのスケジュール感についてどう思うか。

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 高市さん、あまりこの6党の協議の中身とか進捗についても理解されていない面もあるのではないかなと思っております。ですから、改めて総裁としてきちんとこの協議の状況については理解をしていただいた上で、しかるべき担当の方が、宮沢さんがそのままなのかどうか分かりませんけれども、6党協議をスピード感を持って早期に再開させて、合意、そして法案の結実というところに導いていってもらいたいというふうに思っております。あくまで公党間では、我々は11月1日施行という法案を出しておりますが、公党間でも年内の早期に施行するというところまで合意ができているわけですから、これは確実に引き継いでいただくことは大前提であります。

記者
 自公との会の中では、財源の話だったり、税目だけですけれども出たという話もありました。これから税調会長が変わると、どういうふうに協議するのか全く読めない状況ですけれども、野党として、例えば財源の考え方の部分だったりは変わらないのか、そういったことを今日確認など何かありましたら、改めて教えてください。

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 これまでも、我々野党4党の中で様々な議論をする中で、一致して様々なことを求めてきました。その中の1つが、財源に関しては、まず「その他財源」、要するに、増税以外の、高市さんの言うところの税収の上振れとか、基金でしょうか、何でしょうか、そういったものを活用するというところの余地がどれだけあるのかと、これはきっちりと考え方を示してもらわなければならないと、まずそこからだろうということは完全に一致してこれまでも主張してきましたので、そこは我々としては揺るぎない主張として、これからもしていきたいというふうに思っています。

記者
 前回の協議が終わってすぐ、自民党に今ボールがあるというご認識だと思うんですけれども、宮沢税調会長の方からは、野党で一致した対応が可能だと分からないと中々財源も示しにくいという言葉も出ております。今のご発言だと一致している点が完全にあるというご発言でしたが、改めて(宮沢)税調会長の発言に対するアンサーはいかがでしょうか。

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 宮沢さんが6党全部で合意できるのかどうかみたいなことをおっしゃいますが、それはもう何らか与党側の答えを示していただかない限り何とも言えませんので、我々としてはですね。だから、繰り返しになりますが、野党側としては一致して財源についての考え方を申し上げているわけでありますので、それに沿った形で与党側から考え方を示していただかなければなりません。それを見て、これについてはどうだこうだということは、我々野党、もしかしたらそれぞれ意見があるかもしれませんけれども、我々から求めているものは一致して明確に言っているわけですから、まずはそこに答えていただかないと。何か、出す前から一致できるかどうか分からないと言われたって、出してからじゃなきゃ一致できるかどうかこちらだって分かりません、というスタンスです。

記者
 野党で一致しているか分からないというご発言だったと思うんですけれども、一致している、していないという認識の齟齬という意味でしょうか。

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 だから、僕はその点に関しては、宮沢さんと私の間で全然一致していないと思うんですけどね。

記者
 11月1日廃止というところはまだ諦めていらっしゃらないということだと思うんですけれども、その場合、廃止までのスキームですね、これまで示されていた補助金の深掘りしてというところだと、時間的にタイトかなと思うんですが、実際に11月1日というところを目指されるとしたら、どういったような流れを想像されているのでしょうか。

〈立憲〉 重徳和彦・税制調査会長
 我々はきちっと、法案を提出するときから、8月の頭でしたよね、提出するときから、3か月の猶予期間を持って、11月1日、そこまでどのような道筋で価格を下げていって暫定税率廃止に切り替えるか、ここまできちっと考えて11月1日というものを提示しておりました。自民党がそれに対して、党内政局で、どんな事情があろうとも国民生活をほったらかしにしてここに至るわけですから、その施行日である11月1日に向けてどのように手順を踏んでいくのかというのは、もはや自民党が考えるべきことだと私は思っています。

以 上