立憲民主党の野田佳彦代表は10月15日、国会内で自民党の高市早苗総裁と会談しました。野田代表は会談後、記者団の取材に応じ、会談は高市総裁側からの申し入れによって行われたもので、「首班指名選挙に出ると挨拶したい」との趣旨だったと説明しました。

 野田代表が「どういう枠組みで首班指名を行うのか。自民党単独なのか、応援する政党があるのか」と尋ねたところ、高市総裁は「まだ固まっていない」と回答、これに対し野田代表は「われわれはこの後、野党3党で会談し、候補を統一すべく努力している。3党が固まれば公明党にも呼びかける」と述べた上で、「臨時国会を開くのはいいが、首班指名がお互いにまだ固まっていない状態で、いきなり首班指名選挙ができるのか」と疑問を呈したと明らかにしました。

 野田代表は高市総裁との間で、政治空白が長期化していることから、暫定税率の廃止について税調会長同士で議論を詰め、国会開会後すぐに法案が成立するよう努力する方向を確認。物価高対策についても、補正予算を早期に進めることで共通認識に至った一方、野田代表は、石破前執行部との間で協議が決まっていた給付付き税額控除と政治とカネの問題について引き継ぐよう求めました。これに対し高市総裁は、給付付き税額控除については協議の意向を示したものの、政治とカネの問題については自民党の政治改革推進本部長が決まっておらず、早期の協議を呼びかけるにとどまったと説明しました。

 また、立憲民主・日本維新・国民民主3党の党首会談について野田代表は、「良い議論をしたい。前さばきの段階でいくつか整理しなければならない課題はきちんと考え方を示したいが、そもそもなぜ野党が連携して連立を組まなければいけないのかというところから話をしたい」と述べました。公明党への呼びかけについては、まだ相談はしていないとした上で、「野党国対委員長会談に加え、各委員会の理事懇、理事会にも野党として参加したいということなので、当然のことながら、3党がまとまったならば声をかけて協力していただこうとするのが筋ではないか」と話しました。

 国会の早期開会と、枠組みが固まらない中での首班指名選挙への認識を問われた野田代表は、「相撲でもきちんと呼吸を合わせて仕切る。立ち合いが合わない状況で、お互いまだ準備もできていないのに首班指名選挙に入って大丈夫なのか。期限を決めて慌ててやる形がいいのか。もちろん政治空白が続いており、だらだらと伸ばせないが、一定程度整う状況を待つのも、ここまで来たらあるのではないか」と懸念を示しました。


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