野田佳彦代表は10月17日、東京都内にあるJCHO(独立行政法人地域医療機能推進機構)の病院を視察。医療現場の老朽化と厳しい経営実態を確認し、補正予算で支援できるよう検討を進める考えを述べました。
視察後、記者団に対し野田佳彦代表は、外来患者用の着替え室で雨漏りが確認されたことに触れ、「ここまで来ているのかとあらためて思った」とコメント。「相当に古い設備の中で地域に根ざした医療を支えている。設備の更新が十分にできていない状況がよく分かった」と述べました。
経営状況についても説明を受け、「地域医療の中核を担う病院が厳しい経営に陥っていることを現場で実感した」「本来は診療報酬改定で対応すべきだが、前回の改定のように人件費分が比重を占めてしまうと、自由に使えるお金がなくなり、設備更新ができない」と指摘。次回の診療報酬改定では制約が生じないよう、しっかり訴えていくと力を込めました。
視察で得た課題を踏まえた支援策を検討する考えを明示。「厚労部門だけでなく、文科省の国立大学病院、総務省の公立病院なども含め、横並びで対応できるよう調整し、補正予算で支援できるようにしたい」と述べました。

意見交換では、病院側から経営状況や人件費・材料費、コロナ前後の患者数の推移などについて詳細な説明があり、活発な議論が行われたと報告。「まだ制度として決まっていない部分もあるが、補助や給付など、どのような支援が必要かを検討していく。経済対策の柱は地域医療への支援になる」「医療機関からの悲鳴は命に関わる問題。国民の命を守るため、今すぐできることを考えたい」と語りました。

今回の視察には、厚生労働部門役員の小西洋之参院議員、岡本充功、早稲田ゆき、酒井なつみ各衆院議員、社会保障改革総合調査会役員の長妻昭、柚木道義、中島克仁各衆院議員も参加しました。
厚生労働部門役員、社会保障改革総合調査会役員は同日、都内の大学附属病院も視察しました。外来患者が日本一多いという同病院の施設を視察した上で、医療機関の収益悪化の主な要因として、人件費や医療材料費・薬剤費の高騰に加え、ロボット手術のような医療技術の向上に対して診療報酬のギャップの問題があること等の説明を受けました。意見交換では、患者がたくさん来ていても赤字が続いているので支援をしてほしい、診療報酬とは別の補助金のような恒常的な制度をお願いしたいといった要望を頂きました。

