野田佳彦代表は10月20日、自民党と日本維新の会による連立合意との報を受けて党本部で記者団の取材に応じ、「自民党との綱引きに敗れたことは残念だが、むしろ明確に中道路線を打ち出していける環境が整った」と発言。新政権に対しては「中道・包摂・共生を掲げ、次の選挙ではこうした対立軸を明確にして戦っていきたい」と力を込めました。

 今回の連立政権については、「従来の保守層を取り戻すため、自民党の中でもより右に傾く路線を進むのではないか」と指摘。「われわれは多様性を尊重し、包摂・共生の理念の下で社会をつくる」としたうえで、「外国人の問題も、土地取得の問題など一定の規制は必要だが、最終的には共生社会を実現する手順を踏みたい」と述べました。

 高市総裁の経済運営については、「アベノミクスの継承者だ。積極財政は間違いなくインフレを助長する。日銀に一定の圧力をかける金融政策は安定を阻み、円安と物価高をさらに助長する」と批判し、「経済政策の違いも明確にしていく」と述べました。

 臨時国会に向けては「自民党の抗争で政治空白が長引き、物価高対策が放置された。まず物価高対策を早急に講ずることが最優先」だと強調。ガソリン暫定税率の廃止についても、「議員立法で早急に仕上げることが急務だ」と述べました。

 さらに「賃金を上げていくことも大事」として、給与法改正を一日も早く実現し、来春の春闘に向けた環境を整えるべきとの考えを示しました。

 「政治とカネ」の問題では、与党内の議論の停滞を批判。公明党・国民民主党が主張する、企業・団体献金の受け皿になっている7千を超える政党支部を見直す動きは「前進だ」と評価し、「公明、国民が案を出す状況では、わが党としてもサポートし、早く決着をつけたい」と述べました。

 議員定数の削減については「賛成の方向」だとする一方で「まずは政治とカネの問題をしっかりやることが大事。ここまで煮詰まってきているときに放置するものではない」とけん制。「細川政権のときも政治資金規正法と公職選挙法を同時に議論した。同時もあり得る」と述べました。

 今後の連携の在り方については「中道ど真ん中でいく。穏健な保守やリベラルも視野に入れ、賛同する勢力を広げたい」と説明。国民との関係について問われると「本来は中道のはず。独自路線が目立つが、結集軸の中に入ってもらえるよう声をかけ続けたい」と述べました。