参院予算委員会で4月7日、令和8年度(2026年度)予算案の締めくくり総括質疑が行われ、政府案と立憲民主党と公明党共同提出の修正案が審議され、立憲民主・無所属から杉尾秀哉議員が質疑に立ちました。修正案の趣旨説明は徳永エリ議員が行いました。

 質疑終局後、採決に先立ち行われた討論で、山内佳菜子議員は政府提出の予算案および国民民主・新緑風会提出の修正案に反対、立憲民主・公明党提出の修正案に賛成、国民民主党提出の修正案に反対の立場を表明しました。

 採決の結果、両修正案はいずれも否決されました。政府提出の3案については可否同数となったため、国会法第50条の規定に基づき委員長が決することとなり、いずれも可決すべきものと決しました。

杉尾秀哉議員

 杉尾議員は、(1)イラン情勢(2)自衛隊のイラン派遣(3)高市政権の安全保障政策(4) 高市早苗総理の名を冠した暗号資産――等について取り上げ、高市総理らの見解をただしました。

 石油備蓄をめぐっては、政府の説明と国際機関のデータに大きな乖離があると指摘。日本は1日の消費量を176万バレルとしているのに対し、英国のエネルギー研究機関の資料では約336万バレルと約2倍であることを示し、「産業全体の需要はもっと多いのではないか」と疑問を呈しました。政府は算定基準の違いを理由に説明しましたが、杉尾議員は「備蓄が8カ月あるとの楽観論を振りまいてきたのではないか」「危機感が足りないのではないか」と批判しました。

 また、安全保障政策では、非核三原則や憲法9条改正をめぐる過去の発言との整合性を追及。非核三原則について高市総理は「政府として非核三原則を政策上の方針として堅持している。『持ち込ませず』については2010年の民主党政権当時の岡田外務大臣の答弁を引き継いでいく」と答弁しました。政府の武器輸出三原則の見直しや5類型撤廃の動きに対しては、国会関与が不十分で歯止めが弱いと指摘し、防衛産業を成長分野と位置付ける政府の姿勢を問題視。「軍拡競争は抑止力にならない。防衛産業を成長産業にするのはおかしい」と指摘しました。

20260407参院予算委員会 杉尾秀哉

山内佳菜子議員

 山内議員は、イラン情勢の緊迫化による原油高・物価高で、命に直結する医療機器の供給不安までもが国民生活を直撃するなか、「政府予算案は史上最大の122兆円。しかしその中身は昨年12月末に閣議決定されたままの止まった予算」だと批判しました。特に、高額療養費制度の負担増は受診抑制や生活破綻を招きかねないとして、凍結すべきと強調。さらに、1月の衆院解散により国会日程が大幅に遅れ、審議時間も不十分で熟議が尽くされなかったと指摘し、国会運営を財政民主主義の観点から問題視しました。その上で、基金返納を財源に物価対策や医療支援を盛り込んだ修正案について、「国民の命と暮らしを守る立場から賛成する」と表明しました。

20260407参院予算委員会 山内佳菜子