衆参両院の正副議長の主催する「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が6月10日午後、衆議院議長公邸で行われ、13の政党・会派の代表者らが出席しました。
立憲民主党からは、長浜博行・党安定的な皇位継承に関する検討本部本部長と、吉川沙織・同本部長代理が出席しました。
立法府の全体会議は、今年再開され4回目となります。前回6月8日、衆参正副議長4者から立法府の総意のとりまとめ案が提示され、各党から意見が表明されました。今回の全体会議では、立憲民主党はじめ見解のとりまとめ途中であった政党と、発言を希望する政党から意見表明が行われました。
立憲民主党の長浜本部長は冒頭、2017年の天皇退位特例法の立法過程を振り返り、「主権者である国民の声、民意。国民みんながことほぐことができる道筋をつけたプロセスこそが全体会議、すなわち立法府の総意だったのではないか」と述べ、総意のとりまとめの重要性を指摘しました。そして、とりまとめ案に対する党見解として、「立憲民主党は、『1-3』、すなわち『内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとする』ことを了としたい」と発言しました。
その上で長浜本部長は、皇族数の確保策の検討を目的とした2021年の有識者会議報告書をめぐって、政府与党の間に広がる懸念、課題を指摘しました。例えば、高市早苗首相が2月の国会で、「男系男子に限ることが適切」と答弁しましたが、報告書にそうした記載はなく、木原稔官房長官が旧宮家の養子案を念頭においた答弁だった、と釈明する事態が起きました。また、森英介衆院議長が6月8日の全体会議後の会見で、養子に男子が誕生した場合は皇位継承権を持つと発言しましたが、現行法の解釈を述べたものと釈明することとなりました。こうした発言を踏まえ「高市総理の勘違い、慌てて行った官房長官の弁明、また一昨日の森議長の発言。失言ではなく正直な本音だと思いますが、過去からのもうひとつの宿題『安定的な皇位継承』、女性天皇をどう考えるかという問いを避けていることに起因するのではないか」と述べました。
また、長浜本部長は、摂政や国事行為の臨時代行には、男女の区別なく内親王や女王も就任する規定になっていることに言及して、「主権国家である日本国において、戦前の天皇制と異なる象徴天皇制のわが国において、天皇が男子でなければならない理由はどこにあるのでしょうか」と指摘しながら、「早急に『1-3』を成立させたのちには、皇室典範第1条『皇位は皇統に属する男系の男子がこれを継承する』について、この全体会議で国民的議論を喚起することをご提案申し上げる」と訴えました。
各党各会派からの意見表明ののち、全体会議は一時休憩、再開後、「衆参正副議長による議論のとりまとめ」が会場に配付されました。森議長は「これをもって立法府の総意のとりまとめとし、政府に対し法制化を要請することにいたします」と述べ、会議は終了しました。次回会議は、政府において改正案要綱ができた段階で開催される予定です。
その後、森議長らは高市首相に「議論のとりまとめ」を手交し、この枠組みを踏まえた具体的な制度設計について、政府に対応を求めました。
会議後、長浜本部長と吉川本部長代理が国会内で、記者団に対し全体会議の内容などについて説明しました。
