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参院本会議で令和6年度決算の討論に立つ吉田忠智議員

【参院本会議】吉田忠智議員が令和6年度決算等に対する討論 「このままでは『責任ある積極財政』ではなく『無責任な放漫財政』」

 参院本会議で令和6年度決算等に対する討論が行われ、吉田忠智議員が登壇しました。予定原稿は以下の通りです。



[ 令和8年7月8日 参議院本会議 ]

令和6年度決算等に対する討論

立憲民主・無所属
吉田忠智

 立憲民主・無所属の吉田忠智です。

 私は、会派を代表して、令和6年度決算並びに国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、国有財産無償貸付状況総計算書の是認並びに内閣に対する警告決議案に賛成の立場から討論致します。

 冒頭、高市総理の政治姿勢に対し、一言苦言を申し上げなければなりません。物価高をはじめとする内外の重要課題への対応や、自らの中傷動画疑惑に対して、説明責任を果たすことなく、あろうことか、陳述書の提出を以て答弁に代えたいなど、国会軽視も甚だしい、前代未聞の提案を行い、党首討論や予算委員会から逃げ続け、国会を空転させた責任は、極めて重いと言わざるを得ません。
 総理は「数の力」に驕っておられるのかもしれませんが、衆議院での圧倒的多数与党が民意の反映であるとするならば、参議院での少数与党も民意の反映であります。その事実から目を背けることなく、今般、与野党で開催を合意した党首討論と予算委員会における集中審議の確実な実施をはじめとして、謙虚な姿勢で国会に臨まれることを、改めて強く求めるものであります。
 また、議場におられる自民党・日本維新の会の与党の皆さんも、「良識の府」たる参議院の一員としての矜持をお持ちであると思います。この間の高市総理の政治姿勢は、我々野党だけでなく、与党の皆さんも含めた、参議院に対する冒涜に他なりません。「熟議の府」参議院として、充実した国会審議を実現するため、引き続き、誠実にご対応いただくことを、強くお願い申し上げたいと思います。

 さて、令和6年度決算につきましては、主として、以下の3つの理由から反対をするものであります。
 第一に、我が国の財政は依然として厳しい状況にあるにもかかわらず、財政規律が大きく緩み、歳出の肥大化に歯止めが掛かっていないことです。日本の債務残高対GDP比は、極めて高い水準にあり、近年は、我が国の財政に対する市場の信認が揺らぎ、金利の上昇と円安の進行、そして物価の高騰という形で、国民生活への悪影響も生じています。
 こうした状況に鑑みれば、歳出の適正化・効率化を図らなければならないことは、言うまでもありません。しかしながら、例えば、令和5年度からの5年間で総額43兆円を確保することとされた防衛費については、令和6年度において不用額が1164億円に上り、翌年度への繰越額と合わせると1兆円を超えるなど、とても適正とは言い難い支出がなされています。我々が当初から主張をしていた通り、合理的な根拠もなく、「数字ありき」で予算を確保したがために、このような事態を招いていることは明らかであります。
 しかしながら、政府・与党は、こうした状況を顧みることなく、安保三文書の前倒し改定を進め、NATOが目標として掲げる対GDP比3.5%などを念頭に、更なる防衛費の増額を図ろうとしています。仮に対GDP比3.5%の防衛費を目指す場合、直近のGDP水準を踏まえると、額にして約23兆円となり、現在の2倍以上の予算規模となります。安全保障環境の変化を踏まえ、防衛力を強化する必要性があることは一定理解を致しますが、物価高で生活が厳しさを増す中、この巨額防衛費の財源を確保するために、既に国民は「防衛増税」という負担を強いられています。にもかかわらず、何の反省もなく、またまた「数字ありき」で予算を増やすようなことは、断じて許されるものではありません。政府には、今回の決算審議で指摘をされた点も含め、防衛費全体の抑制と適正化を図ることを、改めて強く求めるものであります。

 防衛費以外にも、今後、高市総理が「悲願」とまで言われた食料品消費税ゼロ、官民で総額370兆円規模とされる戦略17分野への投資など、巨額の財政支出が控えていますが、これらはいずれも具体的な財源が示されておらず、このままでは「責任ある積極財政」ではなく、「無責任な放漫財政」であるとの謗りは免れません。市場では、この財政リスクが懸念され、長期金利は30年ぶりの水準となり、ドル円相場も39年半ぶりに162円台を記録するなど、既に大きな影響が出ています。言葉で「責任」を標榜しても、実態が伴わなければ、何の意味もありません。更なる物価高から国民生活を守るためにも、高市内閣には、財政に対する市場の懸念を払拭すべく、実効的な策を講じることを強く求めるものであります。

 第二の反対理由は、依然として予備費の正常化がなされていないことです。コロナ禍で予備費が肥大化して以降、巨額の予備費を設けることが常態化していますが、徐々に規模が縮小しつつあるとは言え、令和6年度においても、予算として2兆円が計上されており、未だ正常化されたとは言い難い規模となっています。
 予備費は、国会の事前議決の例外であり、内閣の裁量のみで支出できるため、財政民主主義の観点から抑制的に用いられるべきものであることは言うまでもありません。にもかかわらず、先般成立した令和8年度補正予算は、総額3兆円の予備費を追加計上するという異例・異常な内容となっています。コロナ禍以降、不十分ではありながらも、正常化に向けて歩みを進めつつあった予備費が、再び異常な状態に逆戻りしたことは、この間の決算審議の蓄積を蹂躙するがごとき事態であり、誠に遺憾であります。

 第三の反対理由は、基金が濫用され、「積み過ぎ」が多額に上っていることです。基金の残高は、令和6年度末時点で17兆6484億円にも上っており、令和元年度末時点と比較すると、実に7倍以上の規模に膨れ上がっています。政府は、令和5年の行政改革推進会議において、基金への新たな予算措置は向こう3年分とする、いわゆる「3年ルール」を設けましたが、我々は、これを既存の基金にも適用した場合、全体で約9兆円もの、当面使用する見込みのない基金、いわば「積み過ぎ基金」があると試算をしております。
 基金の原資は、基本的に国債発行により賄われているものと考えられますから、直近の予算の積算金利を踏まえると、当面使用する見込みのない9兆円のために、約2700億円もの利払い費を浪費していることになります。我々が度々主張してきたように、これらの「積み過ぎ基金」は、一度国庫に返納し、物価高対策など、今必要とされる施策の財源に充てるべきです。

 高市内閣における「無責任な放漫財政」路線の下、今後、財政規律の喪失と、ますますの歳出の肥大化が懸念されます。こうした状況下において、「決算の参議院」が果たすべき役割は、今まで以上に大きくなるものと認識しております。その責務を重く受け止め、引き続き、予算の適正化・正常化に向けて、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げまして、私の討論と致します。

以 上

登壇して討論する吉田忠智議員

20260708【参議院本会議】令和6年度決算等に対する討論 .pdf