参院沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会は7月23日、与党提出の副首都関連法案について参考人質疑を行いました。東京大学名誉教授で山梨県富士山科学研究所所長の藤井敏嗣さんと、早稲田大学政治経済学術院教授の小原隆治さんが参考人として出席し、それぞれ意見を陳述しました。
質疑に立った勝部賢志議員は、法案には不備や不明な点が多く、質疑を重ねるほど問題点が明らかになっていると指摘。その上で、地方自治を専門とする小原参考人に対し、特区制度と首都制度を関連づける必要性、都道府県の名称変更に関する規定、名称変更に国会の承認を必要とすることの妥当性、副首都法案と大都市法案の関係、自治体の選挙と住民投票を同時期に行うことの是非などについて見解をただしました。
小原参考人は、特区制度と首都制度について「結びつかない」と明言。都道府県の名称変更についても、地方自治法第3条第2項を使えば対応できるとの考えを示しました。その上で、今回の法案が、道府県を「都」に名称変更できる規定を設け、さらに特別区の設置と名称変更を道府県民による住民投票で問える仕組みとしていることについて「立法上のバランスが悪すぎる」と指摘しました。
これを受け、勝部議員は「恣意的なものを感じ、ある地域を特定してやろうとしているのではないかという危惧が生まれている」と述べ、現行法で対応できることを確認しました。
また小原参考人が、国会の承認を受けた上で内閣が決定する名称変更の仕組みを「憲法や地方自治法上の問題がある」と指摘したことを踏まえ、勝部議員は、これまでの審議でも「閣法でやるべき」「法制審議会の議論が必要だ」との指摘が繰り返されてきたことに言及。「憲法に抵触することになれば、提出すること自体あってはならないのではないか」と見解を求めました。
小原参考人は、憲法95条について「一時期使われただけで軽んじられている。使うようにした方がいい」と提起。今回の法案の進め方については「好ましくない」と述べました。
自治体の選挙と特別区設置の住民投票を同時期に実施することについては、コスト削減や、平成の大合併のように自治体の選挙と住民投票の争点が重なる場合には同時実施もあり得るとしつつ「争点が大きくずれる場合は住民自治の原則からおかしい。ケースごとに判断すべき」との考えを示しました。
最後に小原参考人は、副首都整備法案と大都市法改正案は論理的に関係がないと改めて指摘。「特区制度を置かないと副首都になれないということは考えられず、切り離すべきだ」と強調する一方で、万が一の事態に備えて副首都を置くことには意義があるとして「副首都法案として、混じりっ気のない純化した法案としてもう一度考え直すのが適当ではないか」と述べました。

