2020年の殺人で検挙された事件の被害者824件のうち、女性被害者は349人、男性被害者は470人でした(※末尾PDF)。殺人被害者のうち、検挙された加害者が配偶者だった人の割合は、約15%です。

そのうち、加害者(被疑者)が被害者の配偶者(内縁関係含む)であるケースは、女性21.5%、男性10.4%となっており、図にあるように、女性が配偶者(内縁関係含む)に殺される割合は男性の2.1倍です。交際相手を含めた場合、じつに男性の2.5倍になります。

「女性への暴力」の深刻さは以前から指摘されていますが、この殺人に関する統計からも裏付けられる結果となっています。

コロナ禍のもとDV相談件数も増加しており(※1)、「女性への暴力」は深刻化しているとも指摘されています。

このショッキングな数字は、立憲民主党が警察庁に請求して開示された、2020年の男女別の統計値(2021年8月時点の数値)を使ってもとめました。『犯罪白書』に掲載された公表値は男女別ではなく、このような計算はできません。女性と男性のそれぞれの統計値を掲載し、比較可能な統計であることは、ジェンダー統計であることの大切な条件のひとつです(※)。まず、ジェンダー統計によって隠されたジェンダー問題が可視化され、そこからジェンダー不平等の解決が始まります。

親密な関係の中で女性に対して暴力がふるわれやすいという実態をふまえ、効果的な対策が求められています。立憲民主党は、DV被害者への保護を強化するなどのDV防止法改正案の検討を進めています(※2)。

※ジェンダー統計とは、男女の不平等を数値で明らかにする男女別の統計のことです。

(※1)「女性に対する暴力の現状と課題」(内閣府男女共同参画局、令和3年8月)

(※2)目に見えない暴力も保護の対象となるようDV防止法の改正を実現します。

令和3年9月警察庁資料

警察庁資料