衆院憲法審査会で19日、憲法改正国民投票法を巡る諸問題について自由討議が行われ、立憲民主党から山花郁夫、大串博志、中川正春、辻元清美の各議員が発言。同審査会の運営、議論の進め方、インターバル規制、スポットCM問題、投開票日の運動等について意見や提案を表明しました。

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 憲法審査会の運営に関して、先の米国大統領選挙や世界各国で社会の分断を煽るような傾向に懸念を示した大串議員は、「かねてにも増して分断を意識しなくていいような、融和をより意識した運営が必要になってきているのではないか」と提案しました。

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 大阪市での住民投票の経験を踏まえて辻元議員は、国会の与野党でコンセンサスが取れていない案件の決着を国民投票に求めたりすれば、「非常に社会の分断を招くのではないか」と指摘しました。与野党双方から提出されている2本の国民投票法改正案について「今の時点での国民投票法の諸課題を解決できるような法案に一本化して成立させていくのがいい」との考えを示しました。

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 憲法論議の進め方について中川議員は、与野党間の信頼関係が崩れている現状を改善することなくして進まないと指摘。両者の間で「憲法の何を論じるのか。またなぜ論じることが必要なのか。その結果、改正が必要だとすれば、どの項目から論じていけばいいかなど問題提起があって、私たちの中にそれに対する共通した認識、どこを修正していく必要があるか。審議会のコンセンサスで作っていかなければ、到底次のステップにはいけない」と苦言を呈しました。

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 インターバル規制の必要性について山花議員は、大阪市の住民投票の事例を引き合いに出し、「同一テーマについて数年の間に再度住民投票が行われたことに関しては私は個人的に疑問がある」と指摘。その理由について「じゃんけんに例えると、自分が勝つまで勝負して勝った時点でゲームセットというのに似ているから」と説明し、「国民投票には一定程度インターバルを法律で定めることを検討する」ことの必要性を訴えました。

 スポットCMの問題に関して辻元議員は、「お金を出せばやりたい放題。いくらでもお金を出したらやりますよというような姿勢」と大阪市の住民投票時の民放連の対応に疑問を呈しました。公平公正を担保するために「各政党が好き勝手にスポットCMを出すのではなくて(国民投票)広報協議会での印刷物などと同じように(平等に)扱うというのも一つの方法ではないか」と提案しました。

 投開票日の運動に関して辻元議員は、大阪市の住民投票を事例に挙げて、「当日の運動というのは最後、非常に加熱する」「静かな環境で投票を促すということの弊害になるのではないか」と言及し見直しを求めました。また、「インターネットの広告とSNS上での意見表明などファクトチェックというのは非常に難しい」と問題を指摘しました。