立憲民主党は24日、「SDGs(エス・ディー・ジーズ)に関するワーキングチーム(WT)」の第1回会議を開催。SDGsの現状と課題について、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の蟹江憲史氏、一般社団法人「SDGs市民社会ネットワーク」政策担当顧問の稲場雅紀氏より話を聞きました。

 SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193カ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

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 あいさつに立った同WT顧問の福山哲郎幹事長は、「2030年に向けて、アメリカでバイデン氏が大統領になると、世界のメンタルが少し変わると思う」との認識を示し、菅総理が所信表明演説で「2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)」に言及したことから、2030年に向けたCO2排出量削減目標も当然変えなければいけなくなってくるだろうと発言。「社会のあり方を変えると言った時、主要としてはSDGsであり、日本の社会も残念ながら貧困、分断が激しくなるなかでSDGsの位置づけは非常に大きくなると思う。わが党として基本法でしっかりと縛りたいという思いのなかで、WTの活動を進めていただければありがたい」と述べました。菅政権のSDGsへの取り組みについて、「基本的には各省庁のホチキス止めで冠をつけ、予算をつけて『SDGsです』というような構造になっている。SDGsのターゲット、ゴールのなかでも自分たちの都合のいいゴールだけを選び、他には関心がなく、貧困などについては政府の取り組みとして動きがないのが実態だ」と指摘。「それぞれの部会で意識付けを各委員会でやっていただけると非常に大きい。旗印として基本法の議論を積極的にやっていただけると嬉しい」と出席議員に呼びかけました。

 慶應義塾大学大学院教授の蟹江氏は、立憲民主党が今回WTを設置したことに「心強く思っている」と述べ、特に基本法の策定に期待を寄せました。その上で、SDGsの特徴や直面する課題、日本政府のこれまでのSDGs関連プロセス、政府におけるSDGs検討体制の課題等について説明。「SDGs市民社会ネットワーク」の稲場氏からは、SDGsに関する論点提起がありました。

 会議では冒頭、WT設置の経緯や役員構成等について座長の山内康一衆院議員から説明があり、議員立法「SDGs 基本法」の議論を行っていく方向性についても確認しました。

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慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の蟹江憲史氏
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「SDGs市民社会ネットワーク」政策担当顧問の稲場雅紀氏