衆院予算委員会で25日、集中審議がおこなわれ、立憲民主党会派の3番手で大西健介議員が質問に立ちました。
 大西議員は、冒頭、日本学術会議任命拒否問題に関与したとされる杉田官房副長官の出席を求めたものの自民党の反対で実現しなかったことに抗議しました。
 菅義偉総理がNHKニュースウォッチ9に出演した際、学術会議問題に関するやり取りについて、後日内閣広報官がNHKに「事前の打合せと違う。総理が怒っている」と電話していたとされることを取り上げ、菅総理に事実を確認しました。菅総理は「私は怒ったこともない。広報官に指示したことはない」と答弁したため、内閣広報官とNHKのやり取りの事実確認をするよう委員長に求めました。
 また、内閣広報室がテレビのニュース番組やワイドショーの内容やコメンテーター、専門家の発言を記録する資料が開示されたことを取り上げ、こうした資料をもとに政権を批判するメディアに対してツイッター等で反論するなど、圧力をかけているのではないかと問いただし、メディアや専門家が「圧力を感じて必要なことが聞けなくなる」と批判しました。

 次に、安倍晋三前総理の後援会が主催した「桜を見る会・前夜祭」についてホテル側の領収書から安倍事務所側で費用を補てんしていたことが分かったことから、安倍前総理らの国会答弁を取り上げました。安倍総理の委員会出席に自民党が反対したことに抗議した上で、当時の官房長官だった菅総理にも虚偽答弁の疑いがあると指摘しました。

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 この問題に関し、菅総理は(1)事務所は関与していない(2)明細書はない(3)会費5000円で可能(差額は補てんしていない)――と大きく分けて3項目の答弁をしてきたと資料を示し、その内容について、事務所宛の領収証書があり、明細書が出てきて、費用が5000円以上かかっていたことが分かったことから虚偽の答弁だったのではないかとただしました。
 その上で、「菅総理は『ここで答弁していることが、これは責任でありますし、議事録に残るわけですから、そこがすべてであります』と自らおっしゃった。国会答弁が虚偽だった可能性が出てきたが、どう責任をとるのか」と迫りました。これに対し、菅総理は「安倍前総理大臣に確認したうえで答弁した。捜査に係る問題なので私の答弁は控える」と述べるにとどまりました。
 大西議員は、衆院事務局の調査で森友学園問題について事実と異なる答弁が139回あったことが明らかになったことを紹介し、同じことが繰り返されてはならないと主張しました。安倍前総理らが国会に対し1年間嘘をついてきたとし「刑事捜査とは別に、司直の手に委ねるだけでなく、与野党に関係なく立法府として真相究明すべきだ」と訴え、ホテルの領収書等の提出を求めました。さらに、真相究明には虚偽答弁の疑いがある本人の国会出席が必要だとし、安倍前総理の証人喚問に向けた取り計らいを委員長に求めました。