衆院予算委員会は2日、2021年度総予算の締めくくり質疑をおこない、立憲民主党の1番手として泉健太政務調査会長が菅総理大臣らに質疑しました。泉議員は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大の波が起こらないようにする「zeroコロナ」を目指すこと、生活困窮者への給付金支給、持続化給付金の再支給を含めた総予算の組み替えを政府に求めました。

 泉議員は、政府がこれまでのCOVID-19対策は、感染抑制と拡大の波を繰り返す「withコロナ」の考えでおこなってきたことを指摘。今後は、感染拡大の波を繰り返さないようにするかを菅総理にただしました。菅総理は、「繰り返さないのは当然の考え方」と述べました。続けて「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長にも同様に、感染拡大の波を起こさないようにするのかを質問。尾身会長は、「リバウンドを起こさないことが大事なので、そういう対策をとってほしいと政府に提言している」と答弁しました。政府が提言に基づいた対策を取っていると感じているかを問うと、「日本にも課題はあるが、限界の中で頑張っている。改善するところはあったし、これからもある」と答えました。
 さらに、改善すべき点が具体的にどこかを質問すると尾身会長は、「去年の秋から暮れに事実として国と自治体の足並みが揃っていなかったのは事実。行動変容が鈍くなったのも事実」「心に届くメッセージが重要。宣言の解除後は行動が緩むことがあるので一体感のあるメッセージを出してほしい」――等と述べました。

 また泉議員は、分科会が国として全国の産業・雇用政策について検討する必要があると提言していることに触れました。尾身会長は提言について「緊急事態宣言対象地域以外でも、日本全国の市民・国民が影響を受けた。政府として、対象の地域だけでなく、全国の地域に生活の目配りをお願いしたいという趣旨」と説明し、泉議員は「非常に重要だ」と述べました。そのうえで、立憲民主党では総予算の組み換え案をつくっていることをパネルを示して紹介。

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予算組替動議概要 .pdf

 「『暮らしを守る生活困窮者への給付金』は尾身会長の言ったことと一緒ではないか。決して、緊急事態宣言を受けた地域だけが被害を受けているわけではない。持続化給付金は違法ケースがあったが、やはり多くの事業者の助けになったというならば有効な施策だった」と生活困窮者支援の給付金と持続化給付金の再支給を提案しました。
 しかし、菅総理は「幅広い業種に休業要請をおこなった昨年とは、ある意味では状況が異なる」「緊急小口資金などの限度額を140万円から200万円に拡大をして、所得が減っている方々については返済免除することとして、その具体的な要件を早急に進めるように指示をしています。また収入が減少して家賃にお困りの方には、住居確保給付金について再度の支給によってさらに3カ月分の家賃を支援することといたします。こうした制度を活用しながら生活に困窮される方の支援をおこなっていきたい」と答弁し、提案を採用する考えは示しませんでした。

 最後に泉議員は、政府が予備費を5兆円積んでいることの理由を質問。菅総理は「先行き、どのような形になるかわからないものへのコロナ対策予備費」と説明しました。泉議員は、医療・介護現場のPCR検査を国費2分の1、地方負担2分の1でようやくおこなうことになったことに触れ、「全額国費に変えてもいい。政府として地方創生臨時交付金を追加すべき。やらなければいけないことは1兆円、2兆円、5兆円単位で十分あるわけです。それなのに、そこにお金を出さずに予備費として5兆円積んだままにしておくから、これまでも政府の対応は後手後手だと言われてきた」と強く指摘しました。
 そのうえで、「われわれ立憲民主党は、この予備費を減額して、具体的なコロナ対策にお金を使っていくべきだと主張しています。改めてあらゆる手段を使って、この生活困窮者への給付金、事業規模に応じた持続化給付金での支給に向けてさらに努力していきたい」と改めて生活困窮者への給付金、事業規模に応じた持続化給付金の再支給を要請しました。

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